2015年01月07日
微弾性フィラーエポCT
諸事情重なった結果,久しく滞っていた見積書作成が
結局年を越してしまいまして時間の余裕が無いのですが
今回のネタは「新製品情報」ですから,
とりあえず,新年1回目として投稿いたします。
---------------------------------------------------
エッフェル塔の測色をしていただいた,
「シャープ化学工業」の三田さんは経歴がストレートじゃない分,
ただの営業マンではないので
シーリング材に関してわからないことがあると
あれこれ教えていただいております。
(私が知らないうちに部長になっててびっくり)
で,三田さんから「こういう製品を作ったら需要がありますか?」とか
逆に,私から「こういう製品を作ってくれませんか?」みたいな話もします。
調べてみると2007年から始まったそのようなお付き合いの中で,
私が数年前からずっとリクエストし続けていたものがこれです。
やっと実現しました。(去年の夏くらいに)
↓
---------------------------------------------------
以下,一般の方のために書き足しておきます。
横張りサイディングの場合は左右の継ぎ目は「目地」が設けられており,
シーリング(コーキング)して納めてあるのに対し,
上下は少し重なっているのでシーリングしないのが普通です。
でも,重なり目のところに隙間が開いていることがよくあって,
塗り替え工事の際,薄い色で塗装するとこれが結構目立つことがあり,
塗装屋によっては埋めてから塗装するわけであります。
埋める習慣が無い業者もいれば予算上埋められない業者もいて
世の中いろいろです。
※「この隙間は通気のために残しておかなければならないのでは?」
横浜市の戸建住宅の平均的サイズ,延べ床面積100m2だとすると,
単純な四角い総2階の建物の場合で外壁の外周はおおよそ28m。
2階建ての外壁面の高さ,だいたい5.4mに対して
サイディングボードの短辺は45cmくらいなので
上下方向に12枚くらいのボードが張ってあります。
とすると,上下の継ぎ目は11本くらい。
ということで,外周28mに対して11本=308m,
でも外壁面積のだいたい3割が窓なので,3割引きとしても
200mくらいは上下の継ぎ目があることになります。
露骨に隙間が目立つところが多い建物もあれば
ほとんど隙間が目立たない建物もあり,かなり差があるのですが,
その違いはおそらく,関わった職人の気遣いの差だと思います。
---------------------------------------------------
この隙間の巾は最大でも2ミリ程度なので,
縦目地に使用するシーリング材を使用するほどの隙間ではないです。
手近なところで,内装用の「ボンドコーク」の類いを使用すると
「肌」が滑らか過ぎて仕上がりに違和感が生じる可能性があります。
よって,当店では,以前から存在している
外装用のチューブ入り製品を使用してきました。
狭くて入り組んだところで使用する場合や
ごく少量しか必要でない場合なら
チューブ入りのほうがコンパクトですし,
ガンが必要でないため,手軽で便利です。
しかし,100mを超えるようなボリュームになると
チューブではなくてカートリッジに入っている方が
作業がスムーズで断然ラクですから,
「埋める派」の人にはおすすめの一品であります。
この商品がいくら売れても私には1円も入りませんが
あまりにも売れないと廃番になってしまい
私が不便なので(笑)同業者の皆様,よろしくです。
結局年を越してしまいまして時間の余裕が無いのですが
今回のネタは「新製品情報」ですから,
とりあえず,新年1回目として投稿いたします。
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エッフェル塔の測色をしていただいた,
「シャープ化学工業」の三田さんは経歴がストレートじゃない分,
ただの営業マンではないので
シーリング材に関してわからないことがあると
あれこれ教えていただいております。
(私が知らないうちに部長になっててびっくり)
で,三田さんから「こういう製品を作ったら需要がありますか?」とか
逆に,私から「こういう製品を作ってくれませんか?」みたいな話もします。
調べてみると2007年から始まったそのようなお付き合いの中で,
私が数年前からずっとリクエストし続けていたものがこれです。
やっと実現しました。(去年の夏くらいに)
↓
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以下,一般の方のために書き足しておきます。
横張りサイディングの場合は左右の継ぎ目は「目地」が設けられており,
シーリング(コーキング)して納めてあるのに対し,
上下は少し重なっているのでシーリングしないのが普通です。
でも,重なり目のところに隙間が開いていることがよくあって,
塗り替え工事の際,薄い色で塗装するとこれが結構目立つことがあり,
塗装屋によっては埋めてから塗装するわけであります。
埋める習慣が無い業者もいれば予算上埋められない業者もいて
世の中いろいろです。
※「この隙間は通気のために残しておかなければならないのでは?」
と思っている方は この記事 を読んでください。
横浜市の戸建住宅の平均的サイズ,延べ床面積100m2だとすると,
単純な四角い総2階の建物の場合で外壁の外周はおおよそ28m。
2階建ての外壁面の高さ,だいたい5.4mに対して
サイディングボードの短辺は45cmくらいなので
上下方向に12枚くらいのボードが張ってあります。
とすると,上下の継ぎ目は11本くらい。
ということで,外周28mに対して11本=308m,
でも外壁面積のだいたい3割が窓なので,3割引きとしても
200mくらいは上下の継ぎ目があることになります。
露骨に隙間が目立つところが多い建物もあれば
ほとんど隙間が目立たない建物もあり,かなり差があるのですが,
その違いはおそらく,関わった職人の気遣いの差だと思います。
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この隙間の巾は最大でも2ミリ程度なので,
縦目地に使用するシーリング材を使用するほどの隙間ではないです。
手近なところで,内装用の「ボンドコーク」の類いを使用すると
「肌」が滑らか過ぎて仕上がりに違和感が生じる可能性があります。
よって,当店では,以前から存在している
外装用のチューブ入り製品を使用してきました。
狭くて入り組んだところで使用する場合や
ごく少量しか必要でない場合なら
チューブ入りのほうがコンパクトですし,
ガンが必要でないため,手軽で便利です。
しかし,100mを超えるようなボリュームになると
チューブではなくてカートリッジに入っている方が
作業がスムーズで断然ラクですから,
「埋める派」の人にはおすすめの一品であります。
この商品がいくら売れても私には1円も入りませんが
あまりにも売れないと廃番になってしまい
私が不便なので(笑)同業者の皆様,よろしくです。
2014年10月11日
新メンバー紹介
2代目の私は他店で勤めた経験が無いまま親方になってしまったので
オヤジから引き継いだ当初はまさに「井の中の蛙」だったと思います。
しかし,ふとした思い付きでHPを開設したことによって,
その後今日までの約15年間で全国の多数の同業者と
知り合うことができました。(その数100人以上)
世の中にはいろいろな事情のもとでいろいろな仕事があり
それをいろいろな人がいろいろなことを考えながらやっていて
誰もが私が知らない何かを知ってたりします。
特に,曽根塗装店の受注状況がたいへん不調だった2006年には
複数の知り合いの現場に一職人として参加させていただきました。
そのリアルな経験によって,電話やメールでやり取りをするのとは
まったく比較にならないくらい非常に多くの知見を得ました。
所謂「カルチャーショック」というやつです。
「そうか,そのためのスランプだったのか!」と思ったほどです。
つまり,自分の位置というかベクトルがわかってきたのは
知り合うことができた多くの同業者のおかげに他なりません。
どこまで行っても自己確認でしかないかもしれないとしても。
これまで,自宅から他店の現場に通っただけでなく,
他県の知り合いのところに泊まり掛けで参上したこともありますし,
逆に他店の親方に,泊まり込みで応援に来てもらったこともあります。
同じ屋根の下で同じ釜の飯を食った,今日までの当店滞在者は6名。
年齢も20代から60代まで,様々なタイプの人物がいましたけど
ギロンすることが最も多かったのが,5人目の寺沢君です。
ウザイくらい絡んでくる (笑)
私からすると,寺沢君の真骨頂は「費用対効果」の飽くなき探求です。
施主様からの視点,経営者からの視点,両方の意味合いで。
確かに,「費用÷耐用年数」(=CP)や
「利益÷労力」(≒作業効率)を極限まで向上させるべく努めるのは
経営者として当然のことだというのは私も認めます。
でも,それだけだと未来のロボットが人間を殺すのと似てる気がして,
どうも私的には“全面的な賛成”はできないのですよ。
もし不条理であるとしても,客観的には無意味や無駄の部分にこそ
当事者にとって掛け替えのない絶対的価値があるはずと思うので。
このあたりが寺沢君と私の尽きないギロンの源ではないか,
と考えています。
ある意味両極端ゆえに組んで仕事ができるということもありまして,
なななんと,
寺沢君は「季節限定の曽根塗装店メンバー」になった次第です。
そいつは一体何者なのか?と思った方は
寺沢君による「職人斯く語りき」をご覧ください。
↓ 今年の3月に,Googleの車に遭遇した寺沢君(右)と私です。
(これ GoogleMapストリートビューからの写真です)

---------------------------------------------------
それから,6月から加わった通年メンバーの古尾谷君は
ちょっと虚弱なのが玉にきずですけど私の新しい相方です。

かなり変わり者なので長続きしそうな気がします。
古尾谷君の作文もそのうちアップしたいと思います。
---------------------------------------------------
最後に,尋常でなく見積書をお待ちの皆様,申し訳ございません。
年内に提出できるよう頑張りますので ご容赦ください。
オヤジから引き継いだ当初はまさに「井の中の蛙」だったと思います。
しかし,ふとした思い付きでHPを開設したことによって,
その後今日までの約15年間で全国の多数の同業者と
知り合うことができました。(その数100人以上)
世の中にはいろいろな事情のもとでいろいろな仕事があり
それをいろいろな人がいろいろなことを考えながらやっていて
誰もが私が知らない何かを知ってたりします。
特に,曽根塗装店の受注状況がたいへん不調だった2006年には
複数の知り合いの現場に一職人として参加させていただきました。
そのリアルな経験によって,電話やメールでやり取りをするのとは
まったく比較にならないくらい非常に多くの知見を得ました。
所謂「カルチャーショック」というやつです。
「そうか,そのためのスランプだったのか!」と思ったほどです。
つまり,自分の位置というかベクトルがわかってきたのは
知り合うことができた多くの同業者のおかげに他なりません。
どこまで行っても自己確認でしかないかもしれないとしても。
これまで,自宅から他店の現場に通っただけでなく,
他県の知り合いのところに泊まり掛けで参上したこともありますし,
逆に他店の親方に,泊まり込みで応援に来てもらったこともあります。
同じ屋根の下で同じ釜の飯を食った,今日までの当店滞在者は6名。
年齢も20代から60代まで,様々なタイプの人物がいましたけど
ギロンすることが最も多かったのが,5人目の寺沢君です。
ウザイくらい絡んでくる (笑)
私からすると,寺沢君の真骨頂は「費用対効果」の飽くなき探求です。
施主様からの視点,経営者からの視点,両方の意味合いで。
確かに,「費用÷耐用年数」(=CP)や
「利益÷労力」(≒作業効率)を極限まで向上させるべく努めるのは
経営者として当然のことだというのは私も認めます。
でも,それだけだと未来のロボットが人間を殺すのと似てる気がして,
どうも私的には“全面的な賛成”はできないのですよ。
もし不条理であるとしても,客観的には無意味や無駄の部分にこそ
当事者にとって掛け替えのない絶対的価値があるはずと思うので。
このあたりが寺沢君と私の尽きないギロンの源ではないか,
と考えています。
ある意味両極端ゆえに組んで仕事ができるということもありまして,
なななんと,
寺沢君は「季節限定の曽根塗装店メンバー」になった次第です。
そいつは一体何者なのか?と思った方は
寺沢君による「職人斯く語りき」をご覧ください。
↓ 今年の3月に,Googleの車に遭遇した寺沢君(右)と私です。
(これ GoogleMapストリートビューからの写真です)

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それから,6月から加わった通年メンバーの古尾谷君は
ちょっと虚弱なのが玉にきずですけど私の新しい相方です。

かなり変わり者なので長続きしそうな気がします。
古尾谷君の作文もそのうちアップしたいと思います。
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最後に,尋常でなく見積書をお待ちの皆様,申し訳ございません。
年内に提出できるよう頑張りますので ご容赦ください。
2014年01月11日
ナカヤマ彩工(福岡県)
昨年春,施工中の現場でちょっと休憩していると,
「ペンキ屋さん,今塗ってるのは何ですか?」
と,年配の男性が話しかけてきました。
その人はお住まいのマンションで行われる予定の大規模改修のため
塗装工事の勉強中だそうで,20分くらい立ち話しをしました。
すでにあれこれの情報をあちこちから集めて蓄積されているらしく,
「塗料メーカーごとの特徴」や「業者の選び方」などについて,
具体的な塗料の名称や施工業者名も登場する質問の連発でした。
そして,最後に,「名刺もらえますか」というので,
「私は大規模改修なんかやりませんし出来ないですよ」というと,
「一軒家の塗り替えをする人がいたら紹介するから」とのこと。
私は名刺の裏に「ナカヤマ彩工」と書いて手渡し,
「RCの改修のことならここのHPが大変参考になると思いますよ」
と言いました。
すると,その人は「曽根塗装店」は知りませんでしたが,
「ナカヤマ彩工」はすでに知っていて,
「あなた良く勉強してますね」とホメられました (^o^)
↑ これはまだ「ナカヤマ彩工」代表の中山厚さんと私が
直接やり取りをするようになる前の話です。
私はナカヤマ彩工のブログは数年前に発見しており,
そこで公開されている膨大な工事記録には全部目を通し,
ブログはブックマークに入れて定期巡回していました。
HPでは塗料や工法の説明や実験などの記事も充実しており
「真面目な人だなぁ」と密かに感心していたわけです。
---------------------------------------------------
RC(鉄筋コンクリート)の建物は,構造体がそのまま外壁でもあるため,
外装メンテナンスの際には,塗装業者だけでは済まないことが多いです。
鉄筋コンクリートの建物は,鉄筋を覆うように
板や鉄板で型(型枠)を作ってコンクリートを流し込んで,
それが固まってから型を外して形作られています。
単に型枠を外しただけの状態で塗装されている場合もありますが,
たいていは型枠を外した後に,全面にモルタルをコテ塗りして
そのあとに塗装なりタイル張りなりの仕上げが行われていることが
ほとんどだと思います。
RC建築の劣化の仕方として厄介なのは,
築後の経年劣化や新築時の施工不良のため,壁の内部で
表層のモルタルが躯体のコンクリートから剥がれて
浮き上がってしまうことがままあることなのです。
(「打診」といって,叩くと音が違うのでわかります。)
また,クラックが鉄筋まで達していると内側の鉄筋が錆びて膨張し,
コンクリートを内側から割ってしまうため,部分的に欠損が生じている
などということもあります。
そしてまた,外壁にタイル張りの部分があったら,
外壁がタイルごとひび割れていることがよくあり,
そうなると,割れているタイルは部分的にハツリ取って
下のクラックを処置してから,再び同じようなタイルを張り戻す
というような作業が生じます。
それから,RCの建物は屋根が「陸屋根」であることがほとんどで
改修ともなれば屋上防水のやり直しが付き物になります。
ウレタン防水など塗付するタイプの防水工事ならば
塗装業者が行う場合もありますが,
基本的に防水工事を行う職人と塗装工事を行う職人とではスキルが異なり,
例えば蕎麦屋とラーメン屋,とか,魚屋と八百屋くらい違いますので
やはり,防水工事専門の業者のノウハウが必要になってきます。
そんなわけで,RCの場合は単純な塗り替え工事ではなくて,
端的に言うと塗装工事はただ最後の化粧・仕上げにしかすぎず,
金額の割合からいっても,左官工事,防水工事,タイル工事など,
むしろ塗装工事以外の工事がメインになるのが普通ですから,
まさに「改修工事」というのが相応しいのであります。
そのため,RCの改修工事を請けられる塗装業者というのは
それなりの知識としっかりしたチームを持っていることが必須となり,
住宅の塗り替えが主体の業者では力不足であることがほとんどです。
---------------------------------------------------
さて,話がだいぶズレてしまいましたけれども,
塗装業者にも種類があって,大別すると「町場(マチバ)」の業者と
「野丁場(ノチョウバ)」の業者に分かれます。
簡単に言うと,「町場」は住宅や低層の共同住宅など小規模工事現場,
「野丁場」はビルやマンションなどの大型建造物の工事現場です。
曽根塗装店は先代の創業時からずっと「町場」の業者なので,
私はRCの建物の工事経験はほとんどありませんが,
中山さんとお話ししたところ,ナカヤマ彩工は
創業当初「野丁場」主体でスタートしておられるそうで
だからRCの工事に手慣れているのか,と謎が解けました。
そして,繰り返しになりますが,
私的なナカヤマ彩工HP・ブログの魅力はやはり,
現在は「町場」の工事が主体になっているそうで,
木造のサイディング・モルタルの外壁の塗り替え工事や
鉄骨造のALC外壁の工事の記録も読み応えのある工事記録がありますが,
特に,RCの工事に関しては,ナカヤマ彩工を超えるHPは無い,
と思います。
それからもう一つ,特筆すべきは,その工事記録中で
実働日数と人工(にんく=延べ作業人員)が明記されていることです。
一般の方は,
高い塗料を選べば高耐久または高機能で工事価格も高くなる
と単純に考えておられることが多いのですが,
同業者の視点からすると,よほど高価な塗料を使用しない限りは,
塗装工事の原価をもっとも大きく左右するのは人件費
即ち,「人工」なのです。
ネットが発達した昨今では,塗料の名前で検索すれば
たいていの塗料の実売価格はだいたいバレてしまいますから
さらにHP上で「工期」ではなく「実働日数」を,しかも「人工」まで
公開するというのは,要するに工事原価を曝してしまうようなものなので
がっつり儲けたい業者様にはたぶんできないことと思われ,
信頼に値する業者,という印象が強いです,私的には。
そのへんの実際というか現実は,電話で話すようになってから
結構突っ込んだ話をしましたが,中山さんは
文章から想像していた通りの感じの,とても生真面目な人でした。
以上のような次第で,【ナカヤマ彩工】ならRCでもOK!
私が福岡在住の一般人なら塗装工事は迷わずここに依頼します。
(※曽根塗装店HPからもリンクさせていただきました)

---------------------------------------------------
最後に,久々なので ちょっと,曽根塗装店近況のご報告です。
相変わらず私1名なのですが,11月からは北国の職人社長が
同じ屋根の下に泊まり込みで応援に来てくれています。
3月末頃までこちらに滞在予定で,それまでは現場2名です。
本年は今のところ4軒の工事予定が入っており,
うち3軒がリピート様で,昨年もリピート様が2軒ありました。
HP開設初期に当方が施工させていただいたお宅が10年を超えて
一回りしてきている感じで,誠にありがたいことではございますが,
新規が弱いです。
亭主関白だけど愛妻家の理系男性は絶滅危惧種なのか???
近年の傾向としてはめちゃめちゃ調べ倒してから決める女性が
じわじわ増えてきている印象があります。
まあ,捨てる神あれば拾う神ありと思って今年もなんとか頑張ります。
「ペンキ屋さん,今塗ってるのは何ですか?」
と,年配の男性が話しかけてきました。
その人はお住まいのマンションで行われる予定の大規模改修のため
塗装工事の勉強中だそうで,20分くらい立ち話しをしました。
すでにあれこれの情報をあちこちから集めて蓄積されているらしく,
「塗料メーカーごとの特徴」や「業者の選び方」などについて,
具体的な塗料の名称や施工業者名も登場する質問の連発でした。
そして,最後に,「名刺もらえますか」というので,
「私は大規模改修なんかやりませんし出来ないですよ」というと,
「一軒家の塗り替えをする人がいたら紹介するから」とのこと。
私は名刺の裏に「ナカヤマ彩工」と書いて手渡し,
「RCの改修のことならここのHPが大変参考になると思いますよ」
と言いました。
すると,その人は「曽根塗装店」は知りませんでしたが,
「ナカヤマ彩工」はすでに知っていて,
「あなた良く勉強してますね」とホメられました (^o^)
↑ これはまだ「ナカヤマ彩工」代表の中山厚さんと私が
直接やり取りをするようになる前の話です。
私はナカヤマ彩工のブログは数年前に発見しており,
そこで公開されている膨大な工事記録には全部目を通し,
ブログはブックマークに入れて定期巡回していました。
HPでは塗料や工法の説明や実験などの記事も充実しており
「真面目な人だなぁ」と密かに感心していたわけです。
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RC(鉄筋コンクリート)の建物は,構造体がそのまま外壁でもあるため,
外装メンテナンスの際には,塗装業者だけでは済まないことが多いです。
鉄筋コンクリートの建物は,鉄筋を覆うように
板や鉄板で型(型枠)を作ってコンクリートを流し込んで,
それが固まってから型を外して形作られています。
単に型枠を外しただけの状態で塗装されている場合もありますが,
たいていは型枠を外した後に,全面にモルタルをコテ塗りして
そのあとに塗装なりタイル張りなりの仕上げが行われていることが
ほとんどだと思います。
RC建築の劣化の仕方として厄介なのは,
築後の経年劣化や新築時の施工不良のため,壁の内部で
表層のモルタルが躯体のコンクリートから剥がれて
浮き上がってしまうことがままあることなのです。
(「打診」といって,叩くと音が違うのでわかります。)
また,クラックが鉄筋まで達していると内側の鉄筋が錆びて膨張し,
コンクリートを内側から割ってしまうため,部分的に欠損が生じている
などということもあります。
そしてまた,外壁にタイル張りの部分があったら,
外壁がタイルごとひび割れていることがよくあり,
そうなると,割れているタイルは部分的にハツリ取って
下のクラックを処置してから,再び同じようなタイルを張り戻す
というような作業が生じます。
それから,RCの建物は屋根が「陸屋根」であることがほとんどで
改修ともなれば屋上防水のやり直しが付き物になります。
ウレタン防水など塗付するタイプの防水工事ならば
塗装業者が行う場合もありますが,
基本的に防水工事を行う職人と塗装工事を行う職人とではスキルが異なり,
例えば蕎麦屋とラーメン屋,とか,魚屋と八百屋くらい違いますので
やはり,防水工事専門の業者のノウハウが必要になってきます。
そんなわけで,RCの場合は単純な塗り替え工事ではなくて,
端的に言うと塗装工事はただ最後の化粧・仕上げにしかすぎず,
金額の割合からいっても,左官工事,防水工事,タイル工事など,
むしろ塗装工事以外の工事がメインになるのが普通ですから,
まさに「改修工事」というのが相応しいのであります。
そのため,RCの改修工事を請けられる塗装業者というのは
それなりの知識としっかりしたチームを持っていることが必須となり,
住宅の塗り替えが主体の業者では力不足であることがほとんどです。
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さて,話がだいぶズレてしまいましたけれども,
塗装業者にも種類があって,大別すると「町場(マチバ)」の業者と
「野丁場(ノチョウバ)」の業者に分かれます。
簡単に言うと,「町場」は住宅や低層の共同住宅など小規模工事現場,
「野丁場」はビルやマンションなどの大型建造物の工事現場です。
曽根塗装店は先代の創業時からずっと「町場」の業者なので,
私はRCの建物の工事経験はほとんどありませんが,
中山さんとお話ししたところ,ナカヤマ彩工は
創業当初「野丁場」主体でスタートしておられるそうで
だからRCの工事に手慣れているのか,と謎が解けました。
そして,繰り返しになりますが,
私的なナカヤマ彩工HP・ブログの魅力はやはり,
「その人が実際に現場で何をしているのか」
がきちんと伝わってくる,詳細な工事記録です。現在は「町場」の工事が主体になっているそうで,
木造のサイディング・モルタルの外壁の塗り替え工事や
鉄骨造のALC外壁の工事の記録も読み応えのある工事記録がありますが,
特に,RCの工事に関しては,ナカヤマ彩工を超えるHPは無い,
と思います。
それからもう一つ,特筆すべきは,その工事記録中で
実働日数と人工(にんく=延べ作業人員)が明記されていることです。
一般の方は,
高い塗料を選べば高耐久または高機能で工事価格も高くなる
と単純に考えておられることが多いのですが,
同業者の視点からすると,よほど高価な塗料を使用しない限りは,
塗装工事の原価をもっとも大きく左右するのは人件費
即ち,「人工」なのです。
ネットが発達した昨今では,塗料の名前で検索すれば
たいていの塗料の実売価格はだいたいバレてしまいますから
さらにHP上で「工期」ではなく「実働日数」を,しかも「人工」まで
公開するというのは,要するに工事原価を曝してしまうようなものなので
がっつり儲けたい業者様にはたぶんできないことと思われ,
信頼に値する業者,という印象が強いです,私的には。
そのへんの実際というか現実は,電話で話すようになってから
結構突っ込んだ話をしましたが,中山さんは
文章から想像していた通りの感じの,とても生真面目な人でした。
以上のような次第で,【ナカヤマ彩工】ならRCでもOK!
私が福岡在住の一般人なら塗装工事は迷わずここに依頼します。
(※曽根塗装店HPからもリンクさせていただきました)

---------------------------------------------------
最後に,久々なので ちょっと,曽根塗装店近況のご報告です。
相変わらず私1名なのですが,11月からは北国の職人社長が
同じ屋根の下に泊まり込みで応援に来てくれています。
3月末頃までこちらに滞在予定で,それまでは現場2名です。
本年は今のところ4軒の工事予定が入っており,
うち3軒がリピート様で,昨年もリピート様が2軒ありました。
HP開設初期に当方が施工させていただいたお宅が10年を超えて
一回りしてきている感じで,誠にありがたいことではございますが,
新規が弱いです。
亭主関白だけど愛妻家の理系男性は絶滅危惧種なのか???
近年の傾向としてはめちゃめちゃ調べ倒してから決める女性が
じわじわ増えてきている印象があります。
まあ,捨てる神あれば拾う神ありと思って今年もなんとか頑張ります。