2010年01月09日
珍客
見積書がもう1通完成。
やっぱ,1軒丸ごとだと12時間はかかりますね,私の場合。
夜が更けて,テンション上がってるところで,また更新しときます。
先月,HPのほうのアンケートより,
調色作業と現場作業の見学のご要望をいただきました。
過去,同業者からの見学希望をお断りしたことはありますが,
今回の方は,同業者ではなく,関連職種に従事している方でもない。
だからタイトルが「珍客」なわけで,
ご本人の希望により,詳細は記載しませんが,
大学院時代にヨーロッパに留学して,
「美術史」の研究をされていたことがあるという経歴をお持ちで,
「日本の住宅の塗装に興味がある」というのが見学希望の動機です。
過去10年間にいただいた数百通の様々なメールの中には
かなり驚くようなものもありましたけれども,
ここまで不思議なものは初めてでした。
住宅の塗装を研究して,論文等を発表しようということでもなく,
純粋に知的好奇心が旺盛な方のようです。
で,12月某日,当店での調色作業の見学にお見えになり,
ついでに色々なお話をしました。
住宅の塗装というものに対してのイメージが
ペンキ屋の私とはぜんぜん違うわけですから,
どうも噛み合わない(笑)部分もありましたが,
この方とお話したことによって,改めて最も強く感じたのは
やはり,住宅の塗装は工芸品や美術品ではない,ということでした。
例えば,この方の主たる関心の一つであった
「外壁等,住宅の塗装色の決められ方」の場合,
「当店にご依頼になる方はどちらかというと理系の方が多く
何よりも作業の内容に関心が強い傾向があるので,
色はどうでもいいや,という方が半分くらいおられます。
ご主人が業者と仕様を決めて,奥様が色を任され,
その奥様から相談されて,こういうのはどうでしょう,
と私が提案して それで決まる,というパターンが大多数です」
と答えると,とても驚いていました。
考えてみると,私的に色の好き嫌いはありますけど
自分の家ではないですし,唯一の正解というのも無いですから
結局は施主様のお好み次第で,私が好きではない色でも
施主様のお好みならそれでいいと思います。
それがピンクでも紫でも,素材の保護・延命が果たせるなら。
つまり,私からすると,どういう色を塗るかということよりも,
なるべく長持ちするように塗ることの方が断然重要で,
そのような“作業を提供する”のが自分の仕事だと考えている。
ということは,言い換えると,
自分は“色を売る”という意識が欠如してるんだなあ,
ということを改めて気付かされたわけです。
なので,
今年はカラーシミュレーションを導入して
もっと色の素晴らしさをお客様にアピールしたい
な〜んてぜんぜん思いませんしね(爆)
もちろん,施工内容だけでなく,
色にも とことんこだわる施主様はいらっしゃいましたし,
その施主様のおかげで2年前に「賞」もいただいていますが。

やっぱ,1軒丸ごとだと12時間はかかりますね,私の場合。
夜が更けて,テンション上がってるところで,また更新しときます。
先月,HPのほうのアンケートより,
調色作業と現場作業の見学のご要望をいただきました。
過去,同業者からの見学希望をお断りしたことはありますが,
今回の方は,同業者ではなく,関連職種に従事している方でもない。
だからタイトルが「珍客」なわけで,
ご本人の希望により,詳細は記載しませんが,
大学院時代にヨーロッパに留学して,
「美術史」の研究をされていたことがあるという経歴をお持ちで,
「日本の住宅の塗装に興味がある」というのが見学希望の動機です。
過去10年間にいただいた数百通の様々なメールの中には
かなり驚くようなものもありましたけれども,
ここまで不思議なものは初めてでした。
住宅の塗装を研究して,論文等を発表しようということでもなく,
純粋に知的好奇心が旺盛な方のようです。
で,12月某日,当店での調色作業の見学にお見えになり,
ついでに色々なお話をしました。
住宅の塗装というものに対してのイメージが
ペンキ屋の私とはぜんぜん違うわけですから,
どうも噛み合わない(笑)部分もありましたが,
この方とお話したことによって,改めて最も強く感じたのは
やはり,住宅の塗装は工芸品や美術品ではない,ということでした。
例えば,この方の主たる関心の一つであった
「外壁等,住宅の塗装色の決められ方」の場合,
「当店にご依頼になる方はどちらかというと理系の方が多く
何よりも作業の内容に関心が強い傾向があるので,
色はどうでもいいや,という方が半分くらいおられます。
ご主人が業者と仕様を決めて,奥様が色を任され,
その奥様から相談されて,こういうのはどうでしょう,
と私が提案して それで決まる,というパターンが大多数です」
と答えると,とても驚いていました。
考えてみると,私的に色の好き嫌いはありますけど
自分の家ではないですし,唯一の正解というのも無いですから
結局は施主様のお好み次第で,私が好きではない色でも
施主様のお好みならそれでいいと思います。
それがピンクでも紫でも,素材の保護・延命が果たせるなら。
つまり,私からすると,どういう色を塗るかということよりも,
なるべく長持ちするように塗ることの方が断然重要で,
そのような“作業を提供する”のが自分の仕事だと考えている。
ということは,言い換えると,
自分は“色を売る”という意識が欠如してるんだなあ,
ということを改めて気付かされたわけです。
なので,
今年はカラーシミュレーションを導入して
もっと色の素晴らしさをお客様にアピールしたい
な〜んてぜんぜん思いませんしね(爆)
もちろん,施工内容だけでなく,
色にも とことんこだわる施主様はいらっしゃいましたし,
その施主様のおかげで2年前に「賞」もいただいていますが。