2012年08月10日

「刷毛塗りの練習」ビデオ

とりあえずご覧ください。
「刷毛塗りの練習」
  ↓


撮影者は私,作業しているのは新しい相方です。

昨年11月,4年弱務めた旧相方がUターン&結婚で退職することになり,
「残念だが仕方がない,代わりに誰か」と思っていたら,
偶然にも「今 求人していませんか?」とTELがきて面接,
それから早くも9ヶ月が過ぎました。

だいぶ慣れてきたので,ここらで本格的なステップアップのため,
少し前から,現場が休みの日は,練習しに来てます。

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以下に,その「練習」の内容をざっと説明しましょう。

初めに「パテ」です。
練った小麦粉のようなもの「パテ」を鋼のヘラで塗り付ける,
というか,撫で付けて平らにします。
  ↓
パテ1回目

板は厚さ9ミリのコンパネを切断したもので,
1200×900 が2枚,900×600 が4枚,合計6枚の両面で12面。

実は以前に短期間在籍して辞めてしまった見習がいて
彼がある程度練習して遺していった6枚が
このたび新相方の手によって蘇ったわけであります。

パテは2回行います。
2回目は着色して,薄い紙を貼るように極力均等に付けます。
「こんな感じで」と,私が見本でやっているところです。
  ↓
パテ2回目

休憩時間は撮影した動画にツッコミを入れたりします。
  ↓
動画で動きをチェック

パテが乾いたらサンドペーパーですりすりして
表面をつるつるの真っ平らにします。
  ↓
研磨紙摺り=サンドペーパー掛け

そして,下塗。
塗料は弱溶剤2液形のシーラー「リフノン/スズカファイン」。
練習なので,下手だとムラが出やすいように,
わざと小さいハケで塗るところがミソです。
  ↓
「リフノン/スズカファイン」下塗

下塗塗料が乾いたら軽くサンドペーパーで研いでから
鉛筆で,1センチ間隔で,5重〜7重に図を描きます。
  ↓
鉛筆で5〜7重の線引き

最も内側から順に塗っていきます。
鉛筆の線を消してはいけないし,
線の内側に塗り残しがあってもいけません。
  ↓
ハケ塗り

塗料は弱溶剤2液形のシリコン樹脂塗料で,
破風板や雨樋等細部に塗装する場合の当店標準品です。
「ペンキ」(=SOP)よりも表面の乾燥が早いため
もたもたしていると乾いてきて肌がゴテゴテになってしまいます。

いくら速くても仕上がりが雑だったら意味がないですから,
はじめは塗り分けの精度,次に,塗り肌の向上,
その二つがある程度の水準に達したら,スピードアップ。
(現在は1回ずつタイムを測ってます)


色を変えながら,順次外側の線まで塗り進めていって,
1面で5〜7回塗り終えたら,またパテに戻る。

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この「練習」は塗装技能士の実技試験の課題に近い部分があり,
将来受験するとしたら,この練習は かなり役立つと思います。

また,住宅の外壁塗り替えがほぼ100%の当店の場合は特に,
刷毛塗りするものの割合が低く,上達の機会が少ないですから,
その鍛錬にもピッタリです。

昨今では,破風板や雨樋までローラーで塗る店もあって
そういう今風のイケイケスタイルの主流化から考えると,
もはやハケ塗りの技術は不必要な感もありますけれども,
技能を身に付けておくのは無駄にはならないでしょう。

それと,なによりも,個々の作業に集中できる。

現場ではただ塗っていればよいというわけではなくて
次の作業との絡みなども考える必要があって,
単独の作業そのものだけを深く突き詰めることは
なかなかできません。

単独の作業だけを何度も繰り返すことは,言い換えると
「工夫の余地が狭くなる」ことにつながると思います。

しかし,狭くはなっても,その狭い範囲の中で
「工夫することがまったく無くなる」わけではない。

刷毛にどのくらい塗料を付ければよいか,
刷毛をどのくらいの強さで板に押し付ければよいか,
刷毛の角度や動かす速さはどのくらいがよいか,
どのくらいずつ塗り広げたらよいか,
そういったことはやりながら覚えるしかないため,
向上を意図する自覚の有無で上達に雲泥の差が出ます。

要するに,「考える習慣」「工夫する習慣」を
身に付けてもらうのが この練習の最大の目的です。

と,やや 偉そうに書きましたが,ベターには際限がないですから,
私自身もまだまだ試行錯誤してます,いろんなことで。

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この動画,相方からすると,
『撮りなおして欲しい』そうですが
そう思うということは,進歩しているわけで,
これからもその調子で頑張ってもらいたいです。


まあ,しばらくはこの2名でやっていきたいと思ってます。
  ↓
塗装職人の腰袋

そのうち「職人斯く語りき」の原稿が上がってくるでしょう。

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