2013年09月08日
FRP防水の塗り替え
今回は,表題の「FRP防水の塗り替え」のビデオクリップの紹介と
補足記事です。
このビデオは見積もりにお伺いしたお宅のために,
約4年前に撮影したネタ元を編集して作成しました。
「FRP」というのは「繊維強化プラスチック」の略で
私の曖昧な記憶では 15年くらい前から?
住宅のベランダの床に使われるようになりました。
新設時の基本的な工程としては,
「コンパネ」とよばれる厚めの合板,あるいは
さらにその上に敷かれた「ケイカル板」(珪酸カルシウムボード)
で作られた下地の上に,「プライマー」(下塗塗料)を塗付,
それから,毛髪よりも太目なガラスの繊維を積層した「ガラスマット」
↓
を敷きながら液状のポリエステル樹脂をローラーで塗り固める
(=含浸する)作業を1回または2回,
その後にポリエステル樹脂のみの「中塗」,
最後に通称「ゲルコート」とよばれる上塗(着色層)を塗付して
出来上がります。
基本的に「防水工事業者」の仕事であり,
「塗装業者」である当店では行っていない作業ですので
作業工程順の詳細な写真や動画などは無いので載せられませんが,
メーカーのページでの断面図としては,こんな感じです。
↓
http://www.aica.co.jp/
products/fill-f/frp-veranda/01prevention.html
http://www2.nttoryo.co.jp/
product/swabbing/pdf/frp_cata_01-02.pdf
「ガラスマット」には厚さで種類がある,とか,
樹脂をガラスマットにしっかりと「含浸」させるために
金属製のローラーで行う「脱泡」の作業
↓
が非常に重要である,とかといった「蛇の道は蛇」的なことが
いろいろあるらしいのですが,それは専門外なので置いといて,
今回はそのメンテナンスについてです。
---------------------------------------------------
10年前後経過して,初めての外壁塗装という段階で
FRPの状態が色褪せ程度の軽微な劣化のときには
上塗り層「トップコート」の塗り替えのみで済むため,
当方が施工したことが何度かあります。
初めてやった時に塗料メーカーから聞いたところによると
FRPはワックス成分(パラフィン)を含んでいるため,
改修の際には,まず表面を削ってそれを除去すると同時に,
軽く傷を入れる「目荒し」を行うことが絶対必要と教えられました。
そこを抜くと密着せず剥がれますよ,と。
で,主に,その削っている場面が主体の動画がこれです。
↓
削るのはサンドペーパーでもダメではないかもしれませんけれども,
このビデオのお宅もそうでしたが,
新築時のトップコート(上塗り層)が発泡していることがよくあり,
サンドペーパーではそれを削り落とすのがタイヘンなので
その意味でも電動工具を使ったほうが効率が良いと思います。
グラインダーに取り付けている「ワイヤーカップ」というブラシは
(やってみればわかりますが)暴れます。
特に,狭いところで何かに当たるとバンッと結構な反動が来ます。
なので,少し回転数を落とした方が作業しやすいです。
元から回転数調整機能が内蔵されているグラインダーが存在し,
それも当店にありますが,ちょっと大きくて重く振り回しにくいので
7年前に群馬県の今井塗装さんのところに行ったときに教わった
「スライダック」を使って調整してます。
---------------------------------------------------
繰り返しになりますが,表面を軽く削って傷を入れる作業を
「目荒し」「足付け」「サンディング」などとよびます。
このビデオの工事のしばらく後,防水資材メーカーから
「目荒し」の必要が無いと称する下塗り塗料が出たことを知りました。
しかし,私の経験的な感覚としては,
「目荒し」というのは たいへん効果の有る重要な工程なので,
これを省くというのはかなり抵抗があります。
知り合いのFRP専門業者に本当に大丈夫なのか尋ねてみたところ,
メーカーによって「目荒し」の要不要の見解が異なっているため
いまいち信用しきれないが,予算が無いときにはそれを使うこともある
とのことでした。
電動工具を使うと削るときに出る粉塵がすごいので,
試しにその下塗り塗料を使ってみたい気もしますが
私的には状況が許す限りは出来れば削ってから塗りたいと思います。
なお,築10年程度でも,色褪せだけではなくて,
クラックがある,膨れている,
上塗り層が剥がれている
↓
という場合は,新築時の施工がまともでない度合いが非常に高いので
私は手を引いて,氏に外注(分離発注)してます。
(この場合,ガラスマットを入れてやり直します。)
ちなみに,今回のビデオも公開する前に氏に見てもらいましたが
これだけ「目荒し」すれば十分でしょう,とコメントをもらいました。
補足記事です。
このビデオは見積もりにお伺いしたお宅のために,
約4年前に撮影したネタ元を編集して作成しました。
「FRP」というのは「繊維強化プラスチック」の略で
私の曖昧な記憶では 15年くらい前から?
住宅のベランダの床に使われるようになりました。
新設時の基本的な工程としては,
「コンパネ」とよばれる厚めの合板,あるいは
さらにその上に敷かれた「ケイカル板」(珪酸カルシウムボード)
で作られた下地の上に,「プライマー」(下塗塗料)を塗付,
それから,毛髪よりも太目なガラスの繊維を積層した「ガラスマット」
↓
を敷きながら液状のポリエステル樹脂をローラーで塗り固める
(=含浸する)作業を1回または2回,
その後にポリエステル樹脂のみの「中塗」,
最後に通称「ゲルコート」とよばれる上塗(着色層)を塗付して
出来上がります。
基本的に「防水工事業者」の仕事であり,
「塗装業者」である当店では行っていない作業ですので
作業工程順の詳細な写真や動画などは無いので載せられませんが,
メーカーのページでの断面図としては,こんな感じです。
↓
http://www.aica.co.jp/
products/fill-f/frp-veranda/01prevention.html
http://www2.nttoryo.co.jp/
product/swabbing/pdf/frp_cata_01-02.pdf
「ガラスマット」には厚さで種類がある,とか,
樹脂をガラスマットにしっかりと「含浸」させるために
金属製のローラーで行う「脱泡」の作業
↓
が非常に重要である,とかといった「蛇の道は蛇」的なことが
いろいろあるらしいのですが,それは専門外なので置いといて,
今回はそのメンテナンスについてです。
---------------------------------------------------
10年前後経過して,初めての外壁塗装という段階で
FRPの状態が色褪せ程度の軽微な劣化のときには
上塗り層「トップコート」の塗り替えのみで済むため,
当方が施工したことが何度かあります。
初めてやった時に塗料メーカーから聞いたところによると
FRPはワックス成分(パラフィン)を含んでいるため,
改修の際には,まず表面を削ってそれを除去すると同時に,
軽く傷を入れる「目荒し」を行うことが絶対必要と教えられました。
そこを抜くと密着せず剥がれますよ,と。
で,主に,その削っている場面が主体の動画がこれです。
↓
削るのはサンドペーパーでもダメではないかもしれませんけれども,
このビデオのお宅もそうでしたが,
新築時のトップコート(上塗り層)が発泡していることがよくあり,
サンドペーパーではそれを削り落とすのがタイヘンなので
その意味でも電動工具を使ったほうが効率が良いと思います。
グラインダーに取り付けている「ワイヤーカップ」というブラシは
(やってみればわかりますが)暴れます。
特に,狭いところで何かに当たるとバンッと結構な反動が来ます。
なので,少し回転数を落とした方が作業しやすいです。
元から回転数調整機能が内蔵されているグラインダーが存在し,
それも当店にありますが,ちょっと大きくて重く振り回しにくいので
7年前に群馬県の今井塗装さんのところに行ったときに教わった
「スライダック」を使って調整してます。
---------------------------------------------------
繰り返しになりますが,表面を軽く削って傷を入れる作業を
「目荒し」「足付け」「サンディング」などとよびます。
このビデオの工事のしばらく後,防水資材メーカーから
「目荒し」の必要が無いと称する下塗り塗料が出たことを知りました。
しかし,私の経験的な感覚としては,
「目荒し」というのは たいへん効果の有る重要な工程なので,
これを省くというのはかなり抵抗があります。
知り合いのFRP専門業者に本当に大丈夫なのか尋ねてみたところ,
メーカーによって「目荒し」の要不要の見解が異なっているため
いまいち信用しきれないが,予算が無いときにはそれを使うこともある
とのことでした。
電動工具を使うと削るときに出る粉塵がすごいので,
試しにその下塗り塗料を使ってみたい気もしますが
私的には状況が許す限りは出来れば削ってから塗りたいと思います。
なお,築10年程度でも,色褪せだけではなくて,
クラックがある,膨れている,
上塗り層が剥がれている
↓
という場合は,新築時の施工がまともでない度合いが非常に高いので
私は手を引いて,氏に外注(分離発注)してます。
(この場合,ガラスマットを入れてやり直します。)
ちなみに,今回のビデオも公開する前に氏に見てもらいましたが
これだけ「目荒し」すれば十分でしょう,とコメントをもらいました。