2009年12月

2009年12月29日

DIY塗装のQ&A

前の記事のコメントのところに,
以下のような,記事とは無関係なご質問が投稿されました。

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    * 2009/12/20 13:56
    * 投稿者:y*****

始めてコメントします
コメント自体も始めてなので不具合等ありましたらお許し下さい。
記事にDIYの相談はNO 読みました
読んで迷いましたがどうしても気になる事がありますので
時間のあるときに教えて頂きたいです
無礼お許し下さい。

モルタル外壁の1Fの1面を塗装しようと考え
色々自分なりに調べました
隅に物入があり撤去すると塗装されてません
その部分に柄(模様)をつけ色を付けたいのです
どうやって廻りの壁と似たような柄をつけるのか
分からないのです

建てた時の図面にはリシンと書いてありました
その後10年、20年程前に2度塗装をしています
塗装部分の模様はスチップル状仕上げ です
分からなかった私はホームセンターで砂骨ローラを購入し
微弾性フィラーを塗って見ましたが模様が全然違います。
一度ではダメかと思って3度試みましたが明らかに違います

やはりリシンで吹き付けて最初の柄を合わしてから
砂骨ローラで塗布しなければ柄はあわないのでしょうか?
唐突ですみません

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私としては,本体のHPをなかなか更新できないことを補うのが
このブログをはじめた動機になっているところがありまして
ブログ上では,ご相談やご質問を受け付ける意図はないのですよ。
(ご意見・ご感想は歓迎しますけど)

でも,そんなことはブログ上のどこにも書いてないので,
近いうちに,画面左側に付け加えます。

で,今回はこのご質問をネタにします。

ごく簡単に回答する場合  ↓

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模様を同様に合わせたい場合は,お察しの通り,
同じ手順を重ねないと合わないと思います。

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と,これだけでも「答え」にはなってます。

が,合わせたいのに合わなかった結果が今の状態なわけですから
合わなかった理由(の推定),および,
「これからどうしたら良いか」も合わせて書いておくのが
きちんとした十分な回答というものでしょう。

で,十分な回答は  ↓

---------------------------------------------------

新築時リシンで過去2回の塗替えを経て
現在スチップル状仕上げになっている大部分を【1】,
新築時リシン模様を付けられずに平滑だったところへ
今回砂骨ローラー塗りを3回行った部分を【2】とします。

【2】に砂骨ローラー塗りを行っても【1】とは
同じ模様にならなかった理由として考えられるのは,
(アップの写真があればわかるんですけど,たぶん)
【1】が一見スチップル状仕上げであっても
平滑の上に行った砂骨ローラー塗りとは微妙に異なり,
「リシンのツブツブが影響しているスチップル状仕上げ」
だからではないかと思われます。

スチップル状仕上げは厚いように見えても
砂骨ローラーでの塗りが1回だけだと
凹凸の凹の部分にリシンのツブツブが露出しますから。

なので,まずはダメ元で,(イレギュラーな方法ですが)
微弾性フィラーにリシンのツブツブを混入して
塗ってみたいところです。

外壁塗装の履歴・築年数から推定して,
ツブツブは「硅砂」といわれる白い石の粒のはずで,
粒径が何種類かあり,混合使用されている場合もありますから
それを見極めて選択の上混合する。

しかし,このイレギュラーな方法を行ったとしても,
すでに【2】には砂骨ローラー3回分の厚みが付いてしまっているため
うまく【1】と合うのかどうかやってみないとわかりません。
(「模様が合わない」というデリケートなモンダイなのに,
今どうなってるか現況を見ていませんし写真もないし)

もし,これで許容出来る結果が得られない場合は,
区切りの良い一面の【1】【2】両方の塗膜を除去して
一旦平滑に戻すしかないでしょう。
除去には,グラインダーに取り付けて使用する,
ダイヤモンドのチップが埋め込まれた金属の円盤
を使用,壁面が平らになるまでガリガリ削り落としてしまいます。
この動画に登場する3番目の工具です。

あるいは(既存塗膜に負荷がかかるのでおすすめはしませんが)
「除去」するのではなく,カチオンフィラーのような
セメント系の下地調整材を既存塗膜の上からコテ塗りして
区切りの良い一面を平滑にしてしまう。

削るか付け加えるか,いずれにしても壁を一旦平らにしてから
リシン吹付け+微弾性フィラー砂骨ローラー塗り+上塗
という過去の履歴と同じ工程を踏めば,違和感なく仕上がるでしょう。

区切りを付けやすい1面で,あまりコマカク拘らないならば
リシン吹付けは省略してしまっても良いかもしれません。
その場合は,既存塗膜の上への塗り重ねではないので
初めに(微弾性フィラー砂骨ローラー塗りの前に)
下塗「シーラー」を塗ること。

がんばってくださいね (^^)

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って,しかしこれもう,DIYのレベルを完全に超えてて,
がんばりようにもがんばれるはずないしょ?
(^^)でシメるのはムリがあると言わざるを得ません。

それに,質問者は「1階の1面を塗装したい」だけなのに,
「硅砂1袋20キロ」「シーラー1缶15キロ100平米分」とか,
販売単位の問題で必要量以上の材料を購入することになり,
その後使いそうもない道具・工具も買い揃える必要があります。

よって,「納得して断念する」のが普通の結論だと思います。

書き始めてからここまで,2時間ほど費やしており,
その2時間が「断念という結論に導くための2時間」なわけで,
ものすごお〜く無駄な気がしてならんのですよ,私的には。

DIYのQ&Aを受付廃止した気持ち,わかってもらえるでしょうか?

以上,本年最後の書き込みでした。

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曽根塗装店では23日に現場仕事が終了し,26日に忘年会。
27日に1軒,明日30日に3軒,経過検証の訪問。
そのほか23日以降に2軒のお家に見積参上。
見積書5通とぐちゃぐちゃな事務所の片付けが冬休みの宿題です。

皆様良いお年を。
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2009年12月06日

屋根塗装「水系パワーフロン」テスト施工

曽根塗装店HP10周年にあたり,
「塗替物語」のS様ほか,
拍手ボタンなどからコメントくださった方々
どうもありがとうございました。

さて,ネタの降臨に書く時間が追いつかず,
どんどん蓄積しながら日々過ぎていくのでありますが,
過日,「カラーベスト屋根の高圧洗浄」の動画紹介の時に
書いた通り,その後,水谷ペイントの水性フッソ(未発売)
「水系パワーフロン」テスト施工を行いました。

あれどうだった?と知り合い3名から聞かれたので
今回はこれをネタにします。

トタン部分をケレンして錆止塗料を塗ったり,
雪止金物もケレンして別の下塗塗料を塗ったり
といったことはこの際,省略して,
カラーベストの下塗は10月12日(月)。

10日(土)に下塗塗料(シーラー)塗付予定で,
土曜日にもかかわらず水谷ペイント北関東支店の支店長さんが
現場までいらしたのですが,朝になって天気が急変し,
にわか雨が降ってきて延期。

で,12日,下塗の塗付を午前中に終えて,
午後,はじめに塗ったところをもう一度塗ってみたのが
この写真です。
  ↓
カラーベスト屋根下塗1回目と2回目


すでに1回塗ってあるのにまだ濡れた色に変わるのは
吸い込みが止まってないわけですから,
全面2回塗りして,塗り終えた状態がこれです。
  ↓
カラーベスト屋根下塗2回目終了後


微妙に照りが出てるのがおわかりいただけると思います。

翌日,13日(火)に「タスペーサー03」装填。
  ↓
タスペーサー装填後


中塗は大阪から技術の方がいらっしゃる都合に合わせて
15日(木)に行いました。

担当技術者は20代の女性,とは聞いていましたが,
技術の人=銀縁眼鏡で神経質そう,というイメージ
とはぜんぜん合わない女の子ではありませんかっ。
(命名:キューティーTOMOKOさん
  ↓
キューティーTOMOKOさん


デカイ現場と違って足場には階段なんかありませんから
屋根まで足場上れるのかなあ?と思っていましたが,
ぐいぐいよじ登ってきて感心 (^_^)

15日は中塗までで終了し,翌日16日に上塗塗料を塗付。

一般的なカラーベスト屋根用塗料は

下塗塗料+上塗塗料+上塗塗料

の3回塗りで仕上げますが,
「水系パワーフロン」は,専用の中塗塗料が設定されていて,

下塗塗料+中塗塗料+上塗塗料

の3回塗りが標準です。

あえて中塗を別にしたのは密着性を強化するのが目的で
従来品の使い回しでなく新開発だそうです。
また,中塗塗料は上塗塗料より安価ですので,
トータルの材料コストを下げることにもなります。

但し,耐候性を担う上塗に塗り漏れがあってはマズイので,
中塗塗料は,上塗塗料とは異なる色を塗る指定になってます。
今回の場合,中塗塗料は「ダークグレー」,
仕上色(上塗塗料)は「黒」です。
  ↓
カラーベスト屋根上塗塗装中


曽根塗装店は上塗2回色違いに慣れてますから平気ですけど,
バタバタやるタイプの塗装職人は嫌がるでしょうね,たぶん。

「イヤー,HP用に色違いでやったんですけどタイヘンでしたよぉ」
という大所帯の塗装会社の管理者のボヤキを聞いたことがあります。
同色2回なら全く同じところで塗り落とす確率が非常に低いので,
普段 隅々まで本当に2回塗るという習性が無いんでしょう。

そのへん,メーカーの方にお話しして,
フツーのペンキ屋にとっては作業性が悪いのは致命的なので,
売りたいなら,色違いは“指定”でなく“希望”にしといたほうが
無難ではないですか?とコメントしましたが,
「中塗省かれると困るし,そこまでして売りたくない」
との,硬派なご回答でした。(拍手)

当店では,カラーベスト屋根の塗替えの場合,
水性塗料を使用することはほとんどありません。

理由は2つ。

ひとつは,トタン部分を弱溶剤系塗料で塗り分けるのが手間
だからで,今回も,トタン部分だけは同じ水谷ペイントの別塗料,
弱溶剤2液形シリコン樹脂塗料「パワーシリコンマイルド2」を
使用しました。

錆止入れりゃ同じでいいだろ,とトタンに水性塗っちゃう業者も
ザラにいることは知ってますが,基本的に外道だろ
と私は思います。

それからもう1点は,仕上げ塗りするときに
ちょっと踏ん張ったり,足をひねったりすると
上塗1回目(今回の場合なら中塗塗料)の塗膜が
ズルっと剥けてしまう経験をしているからです。

今回もそれを懸念していましたが,塗付翌日でも
「水系パワーフロン 中塗」は全く問題ありませんでした。

なお,たまに水性塗料より弱溶剤系塗料の方が長持ちする
(耐候性が良い)みたいなことをいう人がいますが,
私的な塗料比較試験の結果と施工物件の追跡調査の結果では,
必ずしもそうとは言えないです。

「弱溶剤1液シリコン」は「水性シリコン」どころか
「水性ウレタン」よりも劣ると認識せざるを得ませんし,
「弱溶剤2液シリコン」でも,ものによっては
「水性ウレタン」並のものがあります。
(まあ,おそろしく褪色が早くて一部では有名な
某社の「屋根用水性シリコン塗料」もありましたが。)

今回は,同色(黒)で,カラーベストが「水性フッソ」,
トタンが「弱溶剤2液シリコン」ですから,
何年経ってどうなるか,わかりやすい比較になるでしょう。
メーカー同じだし。

1缶15kg入りで発売されるとしたら,
「水系パワーフロン」の上塗塗料は7万円を超えるらしいので
ぜひ,2万円台の「パワーシリコンマイルド2」を凌駕する
結果を見せて欲しいと思います。

さて,水性フッ素樹脂塗料「水系パワーフロン」採用の
仕上がりはこれです。
  ↓
「水系パワーフロン」仕上がり状況


私の個人的な感想としては,ツヤは大人しめで,
率直に言って,特段仕上がりが良いということはないです。

しかし,前記の通り,仕上がりはものすごく良いのに,
3年くらいでびっくりするくらい変わり果ててしまう塗料も
経験済ですから,もっとも重要なのは経年後の状態です。

今後,曽根塗装店が廃業したり,
建物の所有者が変わったりしない限り,
3年,5年,7年,9年という感じで
梯子持参で経過検証にお伺いする予定でおり,
施主様にもご了承をいただいています。

メーカーさんにはその都度,フィードバックしますが,
とりあえず,今回の工事で作成した施主様向け工事記録のうち
屋根塗装部分のみを抜粋編集したCDを2枚作成。
(左手前は施主様にお送りする全編DVDです)
  ↓
塗装工事記録のCD2枚とDVD1枚


内容は写真と動画
  ↓
塗装工事記録CDの収録写真一覧


のほかに,
正確な塗付量とインプレもまとめてあります。

1枚は大阪の技術部のキューティーTOMOKOさんに郵送。
もう1枚は後日,お願いして水谷ペイント北関東支店へ
(群馬県の今井塗装の今井さんをお誘いして)
会社見学にお伺いした際,支店長に直接お渡ししました。

「他でもテスト施工するんですか?」とお伺いしたら,
名古屋の方で1軒,都内で1軒やる予定があるらしいので
「1週間でアッサリ屋根壁終わらせるようなペンキ屋にも
塗らせてみて感想訊いたほうがいいですよ」と言いました。
実名まで上げて推薦したんですけどねー)

その後,「名古屋の方」の業者が,知り合いの【長工期派】,
三重県の滝川塗装の滝川さんであることが判明,
電話したら,滝川さんも同様に進言したそうです(笑)

最後に今回のカラーベスト屋根塗装,
施工前から施工後まで,順番に並べておきます。

カラーベスト屋根施工前(北面)


カラーベスト高圧洗浄後


カラーベスト下塗2回塗装後


カラーベスト中塗塗装後


カラーベスト塗替え完了後


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店主
曽根匡史 1961年 A型

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