2017年08月22日
内吊りの軒樋(雨樋)の外し方と工具
新たに動画を公開しました。(「限定公開」を解除)
約1年前の撮影時に公開する予定だったのですが,
諸事情重なりまして遅れてしまいました。
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はじめに一般の方向けの前置きをいたします。
屋根の先端部分の板のことを「破風板」(はふいた)とよび,
雨樋が付いている水平なほうの板は「鼻隠板」(はなかくしいた)
といいます。
↓
20年くらい前までは この部分に木材が使用されていましたが,
それ以降はサイディングボードのようなセメント系(窯業系)の
既製品が使われるのが一般的になっています。
塗り替え工事で高圧洗浄のときには軒樋があるので,
軒樋の裏側の部分は十分な洗浄が出来ませんし,
構造的に外壁同様の高圧を掛けるのも憚られます。
よって,真面目な塗装業者の場合は,
十分な洗浄が出来ない分,鼻隠板を研磨パッドでこするなど
鼻隠板を塗装する前に「ケレン」を行います。
(※「ケレン」=「clean」が転訛した塗装用語)
そして,必要があれば板の継ぎ目の補修を行ってから
下塗りを行い,それから上塗りを2回,合計3回塗装します。
軒樋が付いていると,その陰になる部分の鼻隠板を塗るときには
大き目のハケが使えませんから,ほんとうに隅々まで3回塗るなら
軒樋と鼻隠板の隙間に細い刷毛を入れてチマチマ塗る,
↓
さらには軒樋の上から唐草との間に細い刷毛を入れてチマチマ塗る,
ということを3回繰り返します。
↓
と,そんなチマチマしたことを3回も繰り返すくらいなら
軒樋が無い状態で作業したほうが断然作業がやりやすいです。
↓
なので,当店では塗り替え工事の際に
軒樋を取り外すことがちょいちょいあります。
↓
ケレンせず,継ぎ目の補修もせず,
ただテキト〜〜に1回か2回塗るだけで済ませる場合は,
軒樋を取り外す必要はまったくありません。
が,(くどいようですが)ケレンして継目の補修をして
本当に隅々までしっかり3回塗りたい場合は
軒樋脱着の手間を掛けたとしても,
トータルで作業時間が短縮できると思います。
と,ここまでで「前置き1」が終わり。
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で,次,「前置き2」です。
軒樋が鼻隠板に対してどのように取り付けられているかというと,
昔は「外吊り」が一般的でした。
(軒樋の外側に金具が露出しているのが「外吊り」です)
↓
「外吊り」の場合は,軒樋を取り外すのは比較的簡単です。
軒樋を受ける金具の先端が軒樋の内側に折り曲げてあるだけなので
その「爪」を引き起こせばOKです。
(※もっと古いものだと銅線で結わいてあるパターンもあります)
↓
しかし,15年くらい前?から一般的になってきている
「内吊り」の軒樋はそんなに簡単には外れません。
(外側に金具が露出していないのが「内吊り」です)
↓
雨樋を取り付ける専門業者「建築板金」の職人でも,
「あれは外せない」と言い切る職人が居るくらいです。
と,たいへん長くなりましたが,ようやく前置きが終わりました〜。
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内吊りの軒樋を特殊な工具「軒樋アンロッカー」を使って
簡単に取り外している様子を撮ったのがこの動画です。
↓
「軒樋アンロッカー」はまだ発売されていない試作品です。
オリジナルは市販のヘラを改造して私が自作したもので
それを工具メーカー「土牛産業」様に送って作ってもらいました。
これが新発売されてもバカ売れするとは思えませんが,
私と同じように軒樋を外したいと思っている塗装職人が
日本に100人くらい?は居るんじゃないかと思いますし,
現場で板金職人に試用してもらったところなかなか好評だったので
塗装職人よりも板金職人に売れるような気もします。
※「エスロンRV-105」など,これを使用しても外せない
非常に厄介なタイプの軒樋もあります。
アンケート結果によっては?発売されることになるかもしれません。
※スマホの方は下記からどうぞ
◆投票する
◆投票せず結果を見る
---------------------------------------------------
なお,一般の方のために追記しておくと,
軒樋を取り外すために切断する場合には,
その軒樋が絶版製品でないか事前に確認する必要があります。
現行製品ならこのような繋ぎの部材が入手可能で,
切っても再接続できます。
↓
切断するときにはこのノコギリが使いやすいです。
「Z パイプソー先細 08043」
やってみるとわかりますが,先端が細いのがミソ。
↓
「Z パイプソー先細 08043」Amazonリンク
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このあと,(途中で他の話題に飛ぶかもしれませんが)
「広小舞部分の処置と鼻隠板ケレン」
「鼻隠板 継目掘り込み」
「鼻隠板 継目シーリング」
と,すべて動画有りの「鼻隠板シリーズ」が続く予定です。
約1年前の撮影時に公開する予定だったのですが,
諸事情重なりまして遅れてしまいました。
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はじめに一般の方向けの前置きをいたします。
屋根の先端部分の板のことを「破風板」(はふいた)とよび,
雨樋が付いている水平なほうの板は「鼻隠板」(はなかくしいた)
といいます。
↓
20年くらい前までは この部分に木材が使用されていましたが,
それ以降はサイディングボードのようなセメント系(窯業系)の
既製品が使われるのが一般的になっています。
塗り替え工事で高圧洗浄のときには軒樋があるので,
軒樋の裏側の部分は十分な洗浄が出来ませんし,
構造的に外壁同様の高圧を掛けるのも憚られます。
よって,真面目な塗装業者の場合は,
十分な洗浄が出来ない分,鼻隠板を研磨パッドでこするなど
鼻隠板を塗装する前に「ケレン」を行います。
(※「ケレン」=「clean」が転訛した塗装用語)
そして,必要があれば板の継ぎ目の補修を行ってから
下塗りを行い,それから上塗りを2回,合計3回塗装します。
軒樋が付いていると,その陰になる部分の鼻隠板を塗るときには
大き目のハケが使えませんから,ほんとうに隅々まで3回塗るなら
軒樋と鼻隠板の隙間に細い刷毛を入れてチマチマ塗る,
↓
さらには軒樋の上から唐草との間に細い刷毛を入れてチマチマ塗る,
ということを3回繰り返します。
↓
と,そんなチマチマしたことを3回も繰り返すくらいなら
軒樋が無い状態で作業したほうが断然作業がやりやすいです。
↓
なので,当店では塗り替え工事の際に
軒樋を取り外すことがちょいちょいあります。
↓
ケレンせず,継ぎ目の補修もせず,
ただテキト〜〜に1回か2回塗るだけで済ませる場合は,
軒樋を取り外す必要はまったくありません。
が,(くどいようですが)ケレンして継目の補修をして
本当に隅々までしっかり3回塗りたい場合は
軒樋脱着の手間を掛けたとしても,
トータルで作業時間が短縮できると思います。
と,ここまでで「前置き1」が終わり。
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で,次,「前置き2」です。
軒樋が鼻隠板に対してどのように取り付けられているかというと,
昔は「外吊り」が一般的でした。
(軒樋の外側に金具が露出しているのが「外吊り」です)
↓
「外吊り」の場合は,軒樋を取り外すのは比較的簡単です。
軒樋を受ける金具の先端が軒樋の内側に折り曲げてあるだけなので
その「爪」を引き起こせばOKです。
(※もっと古いものだと銅線で結わいてあるパターンもあります)
↓
しかし,15年くらい前?から一般的になってきている
「内吊り」の軒樋はそんなに簡単には外れません。
(外側に金具が露出していないのが「内吊り」です)
↓
雨樋を取り付ける専門業者「建築板金」の職人でも,
「あれは外せない」と言い切る職人が居るくらいです。
と,たいへん長くなりましたが,ようやく前置きが終わりました〜。
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内吊りの軒樋を特殊な工具「軒樋アンロッカー」を使って
簡単に取り外している様子を撮ったのがこの動画です。
↓
「軒樋アンロッカー」はまだ発売されていない試作品です。
オリジナルは市販のヘラを改造して私が自作したもので
それを工具メーカー「土牛産業」様に送って作ってもらいました。
これが新発売されてもバカ売れするとは思えませんが,
私と同じように軒樋を外したいと思っている塗装職人が
日本に100人くらい?は居るんじゃないかと思いますし,
現場で板金職人に試用してもらったところなかなか好評だったので
塗装職人よりも板金職人に売れるような気もします。
※「エスロンRV-105」など,これを使用しても外せない
非常に厄介なタイプの軒樋もあります。
「軒樋アンロッカー」発売されたら買いますか?
というアンケートを設置しましたので,ぜひ,一票入れてください。アンケート結果によっては?発売されることになるかもしれません。
※スマホの方は下記からどうぞ
◆投票する
◆投票せず結果を見る
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なお,一般の方のために追記しておくと,
軒樋を取り外すために切断する場合には,
その軒樋が絶版製品でないか事前に確認する必要があります。
現行製品ならこのような繋ぎの部材が入手可能で,
切っても再接続できます。
↓
切断するときにはこのノコギリが使いやすいです。
「Z パイプソー先細 08043」
やってみるとわかりますが,先端が細いのがミソ。
↓
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このあと,(途中で他の話題に飛ぶかもしれませんが)
「広小舞部分の処置と鼻隠板ケレン」
「鼻隠板 継目掘り込み」
「鼻隠板 継目シーリング」
と,すべて動画有りの「鼻隠板シリーズ」が続く予定です。