2009年02月12日
調色
また昼夜逆転してます。
見積書提出をお待たせしているお宅が3軒ある状況下で
ブログの更新に時間を使うのはどうかなあ,ということもあって
しばしご無沙汰しておりましたが,
このブログの開設時の目標である「最低月2回」を守るため
久々の投稿です。
今回は8日日曜日に行った「調色」について書きます。
この日,午前中は神奈川区のお宅に見積にお伺いしました。
帰ってから昼食後,作業着に着替えて,
倉庫で外壁塗装色のサンプルを作成しました。
過日「Vカット」を行ったお宅の外壁色の第一候補として
「19−60F」を作って塗ります。
現場でVカット部分に吹付け塗装して模様を復元するときに
見本にするベニヤ板にもリシンを吹付けしました。
↓
その日の夕方,微弾性下塗材で下塗をして
2日間乾燥した状態がこれです。
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まずは,各色をテキトーに混ぜて,
「こんな感じかな」と思う色にして,トタン板にちょっと付けます。
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塗料は乾燥すると液体の時よりも濃くなるので,ドライヤーで強制乾燥。
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色見本と照合してみると,
赤が足りず,黒も少し足す必要があります。
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赤と黒を足しましたが,白っぽいので,赤と黒と黄色を足す必要が。
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で,もう少し,棒の先に付けてちょっと垂らす程度に原色を追加します。
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まだ微妙に白っぽい感じですが,この程度ならまあ誤差の範囲として,
4回目のトライでクリアとします。
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部分補修ではなく,自動車の塗装と違ってあまりシビアじゃないのですが,
以上のような作業を「調色」(ちょうしょく)といいます。
この塗料は2液形なので,規定量の硬化剤と溶剤を加えて攪拌し,
ベニヤ板に塗付。
↓
色は無数にあります。
比較的大量に売れる普及品クラスの塗料の場合は
メーカーが「標準色」「常備色」として設定している色があります。
注文すれば遅くとも翌々日には納品されます。
しかし,このお家で採用する塗料は,原色以外は特注・受注生産です。
大至急でお願いしても納品は3日後になるのが普通です。
特注は日本塗料工業会の色見本帳からの選択になりますが
小さな見本ではわからないので,
このように実物の見本板を作成して施主さんに見ていただくわけです。
1発で決まることもありますが,何度も見本を作成したり,
現場で施主さん立ち会いの下で調色することもあります。
さらにはカラーシミュレーションを行う場合も。
色見本の番号で決まった場合は,番号指定でメーカーに作ってもらいます。
現場調色で決まった場合は,該当番号がありませんから,
その見本板をメーカーに渡して同じ色の塗料を作ってもらいます。
既存の色に合わせなければならないときや
少量しか要らないときはペンキ屋が原色を混合して作るので
建築塗装技能士の実技試験にも調色が含まれています。
試験会場では受験者の作った塗り板が受験番号順に並べられ,
ウマイ・ヘタが一目瞭然となります。
私が受験したときは,どう見ても半分以上が明らかにNGでしたが,
合格率は7割だったそうです。
まあ,資格なんてなんでもそんなもんなので,
よく「一級塗装技能士の店」という宣伝の仕方を見かけますが,
とてもウリにはならないと思うわけです,個人的には。
そもそも,資格があることと善い仕事をすることとは全然関係ありません。
てなことを書いてみましたが,こんなん面白いか?と思います。
今のところ,毎日20人くらいがこのブログに来てくれているようですが
半分以上は知り合いじゃないかと思ってます。
知り合いじゃないけど面白かったぞ,という方,
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