2009年04月07日
【14】試し塗り,養生
6日(月)。
土曜日に一部下塗した1階サイディングに試し塗りをする前に
やっておくことがあります。
チューブ入りの高粘度下塗材と減ったハケを用意。
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サイディングの上下の境目の隙間を埋めます。
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と,ここで,脱線します。
現在 曽根塗装店HPのトップページに置いてある
サイディング塗装のビデオをアップして数ヶ月後
他県の同業者の知り合いから電話がかかってきました。
「サイディングのビデオ見ましたよ。
でもさ,アレまずいよ,隙間埋めてたでしょ。
あそこから通気してるよ,サイディング」
とのことです。
なんだそりゃ?と思いながら,
その時私がした話を以下写真入りでご説明させていただきます。
これはサイディングボードの実物です。
サイディングの上端にはパッキンが付いてます。
輪ゴムよりちょっと太いくらいの。
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サイディングは下から上へと張っていき,
上下の継目は突き付けではなくて8ミリ程度重なっています。
きっちり張ると隙間はあきませんが,アバウトに張ると隙間があきます。
この隙間が結構目立つことがあって,埋めたくなるわけです,私の場合。
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パッキンが付いてることからして,サイディングの製造者には
ここで通気させようとする意図は無い,ことがすでに自明であります。
試しにテーブルの上に重ねて置くと,こうなります。
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上のサイディングを釘で留めると,
パッキンが微妙に潰れて密閉状態になるわけです。
従って,いかにも尤もらしく,
「この隙間は通気のための隙間であるから
埋めないように注意して塗装しなければならない」
などというのは,単なるデマ,珍説,迷信です。
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話を現場に戻します。
右側の色は外壁塗装事例集19番のお宅の色で,
ロッキーさんが実際に見学に行って気に入った第一候補色です。
左側の色は,実は,直前の八王子の現場の外壁色です。
このあともう一工程細工するベース色にちょうど良いのではないか
と思って塗りました。
しばし乾かして,3時過ぎ,左側の半分にもう1工程加えました。
(上よりも下がやや濃いめです)
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上が無泡タイプの長毛(18mm),大豊刷毛ブラシ工業の「黒虎」で
ベタ塗りに使用したものです。
下の青いローラーは「試し塗り用に」と三重県の塗装店
滝川さんからいただいた短毛(5mm),どちらも芯の太さは同じです。
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もう1工程というのは,短毛ローラーで凸部だけ薄い色を塗ったわけです。
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ロッキーさんと奥様に見ていただいた結果,
第一候補色ではなく,「グラデ塗り」でもなく,
八王子の現場の外壁色に決定しました。
帰ってから,滝川さんのページを今一度見てみると
「グラデ塗り」の2色目が薄すぎたみたいです (^o^;)
よく見ないとわからないくらいの方がよかったのかも。
(う〜ん,オチが...)
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ま,それはそれで,その他の作業の方は,養生の続きです。
それから縦樋を目荒らししながら養生。
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上の写真で相方が左手に持ってるのは“ラーメン状”のサンドペーパーで,
これでこすると,このようになります。
↓
よく,「雨樋って塗っても剥げますよね?」と聞かれますが,
目荒らしをちゃんとやれば,そんなことはないです。
実際,当店から車で5分くらいのところに,
10年ほど前に私がSOP(ペンキ)で塗った排水パイプがあり,
もうすっかり色は褪せてますけど,ぜんぜん剥がれてません。
雨樋は今回塗装することになってますが,
外壁や軒裏の塗料がくっつくとキレイに仕上がらなくなるため
養生しておきます。
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ちなみに,雨樋の養生の仕方は店によっていろいろです。
曽根塗装店では,テープ付きポリフィルム「マスカー」の
30センチ巾を使用,“雨樋にテープが付かないように養生”します。
(剥がした後,ガムテープの糊が残るのがイヤなので)
仮止めしておいてから,テープを浮かせてその下にビニールを入れ込む。
初めて応援に来た職人はやりずらいと言いますけど,慣れれば簡単,
剥がすときも「螺旋状に巻く養生」を外すよりはるかにラクです。
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「すぐには剥げないよ」と目荒らししないペンキ屋や,
「塗っちゃうんだからいいじゃん」と養生しないペンキ屋もいます。
それでも,ぱっと見た目には同じように仕上がってしまう。
「神は細部に宿る」と思うと,たいへん悩ましい問題です。
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拍手コメント最多賞の『ペンキ男』「G****」さん(誰?)へ。
> 試し塗りが、何例かアップ、
> 施主様のダメ出しの後、色決定の流れのような気がする
ハズレでした(笑)
> 写真では屋根の上にも足場が角材を挟んで乗っていますが、
> 塗装の際は1本づつジャッキベースを短くして
> 持ち上がった状態で塗るのでしょうか?
> 何だか短くするとグラグラしそうで気になりました。
普段は,下屋根の上のジャッキベースは交互に持ち上げておいて
(持ち上げておくための両端フック付きのゴムベルトを使用)
上げて塗って乾かして下ろしてを3〜4回繰り返します。
もちろん,ジャッキ上げてるときには上に乗りません。
しかし,今回,3面の下屋根の上に合計12本くらいの支柱が立ってて
下屋根塗るには,支柱だけじゃなく足場板もすごく邪魔。
このまま塗装すると非常に効率が悪いので2階外壁から上を先行し,
終わり次第,上半分の足場を先に撤去してもらう予定です。
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下屋根の養生がもう少しで終わると,2階部分の養生は完了します。
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明日は,めでたく(意外にも)勤続丸一年を迎えた相方に続きを任せて
私は別の現場に行くことになってます。
ロッキーさん すいません m(_ _)m