2009年09月23日

鉄扉の塗装

今月上旬に完工した川崎市の花壇のお宅には
ガレージの左右に玄関と庭に至る2枚の鉄扉
=鉄製のドアがあります。
こちらは玄関側です。

玄関側の鉄扉


下の方と,ぶつけたところが少々錆びているほか,
前回の塗装がところどころ剥がれてきている状態です。

施工前の状態


剥がれたところを観察して我思うに,おそらく,
前業者はローラーで1回塗りしただけです。
全体的に元の色が透けてましたし。

早く安く済ませる(あるいは儲ける)ためには
それが一番の上策でしょう。

ちゃちゃっと軽く,2分くらい,
サンドペーパーでなくマジックロンでこすって,
「1液ファインウレタン」とかの,
SOPよりはツヤがよい安いネタを1発,
ローラーでコロコロしただけでも結構キレイにはなります。
屋内のどうでもいいドアならそれでもいいかもしれません。

でも,このドアは雨が降ると濡れるところにあるので
サンドペーパーでガシガシこすってから錆止を塗りたい。
上塗はやはり2液形の塗料を2回塗って艶々にしたい。
私はそういう見積書を作りました。

ところが,試しに,ぶつけて剥がれたところに,
ちょっと,「超硬スクレーパー」を当ててみると
頼りなくパリパリと剥がれてしまうのでした。

う〜ん。

「塗料」は塗ってから硬化・乾燥して「塗膜」になります。
言い換えると,「液体」から「固体」になる。
その過程で体積の減少に伴い収縮して,下地を引っ張る力が働く。

よって,理想を言えば,
素地と既存塗膜がしっかり密着しているとは言い難い場合,
一旦全部剥がして素地(鉄面)を露出させ,
リセットしてからきっちり再塗装したい。

私は3年ごとくらいに自分の塗った現場を見に行くので,
そのときにヘンな剥がれかたをしていたら気分が悪いし。

でもなあ,と,迷っていました。
(サンドペーパーと総剥離では全然手間が違いますから)

で,一服の時,相方に,ちっとコレでやってみ
と,超硬スクレーパーを渡すと,
「コレ全剥がしでつね」と,あっさり言うのでした。
(註:相方の口調は「長州小力」に似てます)

やっぱそうだよな,と妙に納得して,
暴走してしまうことに決めました。

ドア枠からケレン開始。

ドア鉄枠のケレン


ドア本体もガリガリいきます。

鉄扉の2種ケレン/玄関側


※ここをクリックすると鉄扉の2種ケレンの動画が見られます。
http://sone-tosouten.org/movies/d04v.wmv


こちらは庭に通じるドア,床面の間隔が狭く,指も入りません。

鉄扉の2種ケレン/庭側


しょうがないので,取り外しました。(すごく重い!)

取り外した庭側の鉄扉


ドアの底面を見ると,工場出荷状態のまま新築時から今まで23年間,
一度も塗られてなくて,錆びて穴が開いてました。

底面に開いた穴


このドアの底面だけ先に仕上げてしまうことにして,
2液形の錆止塗料を段取りして塗付。

「エポオールマイルド/大日本塗料」


翌日午前中,上塗1回目を塗付。
(午後にもう1回塗って仕上げ)

鉄扉底面の塗装


溶接のところにはパテ処理の痕跡がありましたけど
超硬スクレーパーで全部剥がしたあと,
さらにサンドペーパーでガシガシやった結果,
跡形もなく消失。
このまま仕上げたら「睨む」(目立つ)よなあ,
つうことで,パテかうことにしました。

鉄扉のパテ処理


通常は研ぎやすい「ポリパテ」を使うと思いますが,
「エポキシ」でもサンダー掛けちゃえばいいだろう,と軽く考えて
「クイックメンダー」を使用。

クイックメンダー・オン・ザ・クリーンペーパーボード


ドアの上面は鉄板を貼り合わせている部分に隙間があって,
内側で錆びてたので,がっつり「クイックメンダー」で埋めました。

鉄扉上面の隙間埋め


「クイックメンダー」は硬いくせに微妙に粘りがあって,
サンドペーパーでは研げませんから,翌々日,
ランダムアクションサンダーですりすり。

ランダムアクションサンダーでクイックメンダーを研磨


この状態を

クイックメンダー研磨前


このくらいに。

クイックメンダー研磨後


こんなに削っちゃうならもっと少なく付ければいいじゃん
と,思われるかもしれませんが,
「クイックメンダー」はポリパテとか内装用のパテと違って,
すごくねちょねちょしてるのでムリなんです。

底の部分だけ先に仕上げた,取り外した方のドアは復旧。

庭側の鉄扉復旧



もう片方の玄関側のドアも同様に素地調整してあります。

玄関側鉄扉素地調整終了


錆止塗料は弱溶剤(つっても専用シンナー)の2液エポキシ。
この日の段取りの様子を撮ったビデオが「2液形塗料の配合」です。

弱溶剤2液形変性エポキシ系錆止塗料


指定通り30分間「熟成」させてから,ハケ塗りします。

約8000円分の刷毛


平刷毛は「貴族」,目地刷毛は「水星」,
隅切は「祭」(「白銀」同等品?),以上はマルテー。
筋違だけは青井さんに教えてもらったマルヨシ「宇宙」。
(この4本で8000円くらいします)

玄関側のドア,錆止塗り終了の状況です。

鉄扉錆止塗り終了


こっちのドアは床面との間隔が5センチほどあって,
取り外さなかったので底の部分は鏡で確認しながら塗付。
(やはり過去一度も塗られていませんでした)

鉄扉の底は鏡で確認


しか〜し,「クイックメンダー」が硬すぎたのか,
サンダーのパッドがミディアムだったのがマズかったのか,
あるいはネタを乗せすぎたのか,
微妙に残っていた凹凸から流れてます orz

orz


翌日,ペーパーを320番にしてサンディング。

320番で研磨


この錆止塗料はセルフレベリング性が低いです。
垂れにくく作ってあって結構厚く塗れる代わりに,
ボテボテで刷毛目が出やすいわけです。(希釈5%だし)
サンダーで刷毛目全部削っちゃいたいところですが
歪んでいる素地が露出してしまうのでこのくらいで止め。

研磨後の状態


上塗は弱溶剤2液形シリコン樹脂塗料,希釈は4%,塗料名はヒミツです。

鉄扉上塗1回目


ドアの底もしつこく塗り塗り。

鉄扉の底,塗装中


翌日,もう1回塗って,やや乾いてきたところの写真です。

鉄扉塗装仕上がりの状態アップ


事務所とかマンションの鉄扉の場合,「刷毛目が汚い」という理由で
元請様から短毛ローラーで塗ることを指定されるのが普通だそうですが,
いくら短毛ローラーでも,こういう肌には仕上がりませんし,
だいたい,膜厚が付かない。

刷毛目は確かに出ますけど,私はこっちの方が断然好きなので,
曽根塗装店の場合,タイル調サイディングの2色塗り分け以外で
短毛ローラーを使うことは ほぼ絶無です。

鉄扉塗装仕上がりの状態


※ここをクリックすると ややフェティッシュな動画が見られます。
http://sone-tosouten.org/movies/d28v.wmv


これが施工前。

施工前の鉄扉


これが施工後。

塗り替え後の鉄扉


復旧の際にドアチェックを調整,固定位置を外側にずらしました。
なるべくぶつからないように。
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コメント一覧

1. Posted by イタペン   2016年02月26日 22:28
5 シカツ(綺麗)な仕事ですね(>_<)

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