塗装工事のビデオ

2017年08月22日

内吊りの軒樋(雨樋)の外し方と工具

新たに動画を公開しました。(「限定公開」を解除)
約1年前の撮影時に公開する予定だったのですが,
諸事情重なりまして遅れてしまいました。

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はじめに一般の方向けの前置きをいたします。

屋根の先端部分の板のことを「破風板」(はふいた)とよび,
雨樋が付いている水平なほうの板は「鼻隠板」(はなかくしいた)
といいます。
  ↓
破風板

鼻隠板

20年くらい前までは この部分に木材が使用されていましたが,
それ以降はサイディングボードのようなセメント系(窯業系)の
既製品が使われるのが一般的になっています。

塗り替え工事で高圧洗浄のときには軒樋があるので,
軒樋の裏側の部分は十分な洗浄が出来ませんし,
構造的に外壁同様の高圧を掛けるのも憚られます。

よって,真面目な塗装業者の場合は,
十分な洗浄が出来ない分,鼻隠板を研磨パッドでこするなど
鼻隠板を塗装する前に「ケレン」を行います。
(※「ケレン」=「clean」が転訛した塗装用語)

そして,必要があれば板の継ぎ目の補修を行ってから
下塗りを行い,それから上塗りを2回,合計3回塗装します。
 
軒樋が付いていると,その陰になる部分の鼻隠板を塗るときには
大き目のハケが使えませんから,ほんとうに隅々まで3回塗るなら
軒樋と鼻隠板の隙間に細い刷毛を入れてチマチマ塗る,
  ↓
鼻隠板の塗装1

鼻隠板の塗装2

鼻隠板の塗装3

さらには軒樋の上から唐草との間に細い刷毛を入れてチマチマ塗る,
ということを3回繰り返します。
  ↓
鼻隠板の塗装4

と,そんなチマチマしたことを3回も繰り返すくらいなら
軒樋が無い状態で作業したほうが断然作業がやりやすいです。
  ↓
20170813z

なので,当店では塗り替え工事の際に
軒樋を取り外すことがちょいちょいあります。
  ↓
軒樋を取り外した状態

ケレンせず,継ぎ目の補修もせず,
ただテキト〜〜に1回か2回塗るだけで済ませる場合は,
軒樋を取り外す必要はまったくありません。

が,(くどいようですが)ケレンして継目の補修をして
本当に隅々までしっかり3回塗りたい場合は
軒樋脱着の手間を掛けたとしても,
トータルで作業時間が短縮できると思います。

と,ここまでで「前置き1」が終わり。

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で,次,「前置き2」です。

軒樋が鼻隠板に対してどのように取り付けられているかというと,
昔は「外吊り」が一般的でした。
(軒樋の外側に金具が露出しているのが「外吊り」です)
  ↓
外吊りの軒樋(角樋)

外吊りの軒樋(丸樋)

「外吊り」の場合は,軒樋を取り外すのは比較的簡単です。
軒樋を受ける金具の先端が軒樋の内側に折り曲げてあるだけなので
その「爪」を引き起こせばOKです。
(※もっと古いものだと銅線で結わいてあるパターンもあります)
  ↓
外吊りの金具

しかし,15年くらい前?から一般的になってきている
「内吊り」の軒樋はそんなに簡単には外れません。
(外側に金具が露出していないのが「内吊り」です)
  ↓
内吊りの軒樋(角樋)

雨樋を取り付ける専門業者「建築板金」の職人でも,
「あれは外せない」と言い切る職人が居るくらいです。

と,たいへん長くなりましたが,ようやく前置きが終わりました〜。

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内吊りの軒樋を特殊な工具「軒樋アンロッカー」を使って
簡単に取り外している様子を撮ったのがこの動画です。
  ↓


「軒樋アンロッカー」はまだ発売されていない試作品です。
オリジナルは市販のヘラを改造して私が自作したもので
それを工具メーカー「土牛産業」様に送って作ってもらいました。
 
これが新発売されてもバカ売れするとは思えませんが,
私と同じように軒樋を外したいと思っている塗装職人が
日本に100人くらい?は居るんじゃないかと思いますし,
現場で板金職人に試用してもらったところなかなか好評だったので
塗装職人よりも板金職人に売れるような気もします。

※「エスロンRV-105」など,これを使用しても外せない
 非常に厄介なタイプの軒樋もあります。

「軒樋アンロッカー」発売されたら買いますか?
というアンケートを設置しましたので,ぜひ,一票入れてください。
アンケート結果によっては?発売されることになるかもしれません。



※スマホの方は下記からどうぞ

 ◆投票する

 ◆投票せず結果を見る


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なお,一般の方のために追記しておくと,
軒樋を取り外すために切断する場合には,
その軒樋が絶版製品でないか事前に確認する必要があります。

現行製品ならこのような繋ぎの部材が入手可能で,
切っても再接続できます。
  ↓
1502

1515

切断するときにはこのノコギリが使いやすいです。
「Z パイプソー先細 08043」
やってみるとわかりますが,先端が細いのがミソ。
  ↓
雨樋切断のノコギリ「パイプソー先細」

軒樋切断




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このあと,(途中で他の話題に飛ぶかもしれませんが)
「広小舞部分の処置と鼻隠板ケレン」
「鼻隠板 継目掘り込み」
「鼻隠板 継目シーリング」
と,すべて動画有りの「鼻隠板シリーズ」が続く予定です。

 


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2017年07月08日

調色の結果

5月にいただいたアンケート(兼 見積ご依頼)にて

 > 忙しいからなのか、更新があまりされていない。
 > 今も営業しているのか心配になる。

というご意見をいただきました。

はい,それは重々,重々承知しているのですが,
あまりにも見積書作成が遅れているので
HPやブログの更新に時間が割り当てられないのですよ。

で,ネタはものすごくいっぱいあるんですが,
書くのに時間がかかるネタは後回しにして,
とりあえず,軽いネタで,半年ぶりに更新することにしました。

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先日,といっても,もう1ヶ月くらい前,
東京タワーのほうにあるビルのオーナーさんから
工事依頼のお電話をいただきまして
内装の塗り替え工事を施工させていただきました。

下請工事ではない工事の「内装」というのはものすごく珍しく,
1999年に当店HP開設以来,HPからのご依頼により
内装工事を行ったのは,今回が実に2回目です。
 
工事内容は鉄扉1枚とエレベーターホールの壁面の塗装です。

鉄扉の塗り替えといっても,
「今の塗装を全部剥がしてから塗ってもらいたい」
という非常にピンポイントなご依頼でした。
  ↓
鉄扉 2種ケレン

で,そのついでに階段手すりのキズや剥がれの補修塗り
「タッチアップ」も頼まれ,
それをネタに作ったのがこの動画「調色の結果」です。
  ↓


って,今回はそれだけです。m(_ _)m

そんだけかよっ,と物足りない方は,
過去記事「調色」も ご覧ください。

 


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2017年01月15日

サイディングのクリア塗装(クリヤー塗装)


2016年のうちに投稿しておきたかった記事が2つあったのですが,
見積書作成その他で年が明けてしまいました〜。
2017年もよろしくです。
 
2017元旦未明の神社

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さて,今回はその予定記事2つをあえて飛び越して
「サイディングのクリア塗装」について書きます。
(明後日くらいに発送する見積書のお宅がクリア塗装希望者なんです,実は)

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このような ごく普通の窯業系サイディング
  ↓
普通のサイディング

は,下塗+上塗2回の3回塗りでOKなわけですが,
タイル風
  ↓
タイル調サイディング

石積み風
  ↓
石積み風サイディング

のような場合,普通に1色で塗り潰してしまうと
凹凸は残るにしても,見栄えがかなり変わってしまいます。
 
タイル調なら多少手を掛けると2色塗りが出来ますが,
石積み風で色彩が複雑だったりすると,それも出来ず,
現場でやるとしたら 

 「水性ゾラコートEX」関西ペイント

 「ラテラトーン」水谷ペイント

 「WBアートSi」スズカファイン

みたいな,やや手の込んだ「多彩模様」の塗料を使う方法を除くと
塗り潰しに次いで一般化しているのが「クリア塗装」でしょう。

当店でも過去2棟だけですが,
サイディングのクリア塗装を施工させていただきました。

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「クリア塗装」イコール「透明の塗装」なので
下地に著しい色褪せや色落ち,こびりついた汚れ,あるいは
ヒビや傷などがあると,それがそのまま出てしまいます。
よって,一般的に,クリア塗装は築10年くらいまで
と言われています。

当店での1棟目の石積み風のお宅は施工当時築10年だったので
特に問題はなかったのですが,
築年数がそれ以上になってくると,
もうクリア塗装するには遅い,
という状態になっている場合があります。

では,具体的に,
「このサイディングにクリア塗装ができるか」どう判断するか?

各社のサイディング用クリアのカタログを見ると
メーカーの個性が出ていて面白いです。

「ピュアライドUVプロテクトクリヤー」日本ペイント
 →「試験施工をおこなって付着性を確認してください。」
ん〜,確かに試験施工すれば一番間違いないんでしょうが,
見積もり段階では出来ないですし,着工が決まってても
塗付と乾燥後の確認とで2回現場に行かなきゃならないわけで
まあ,普通はやらないでしょうね。

「クリーンSDトップ」エスケー化研
 →「カッターで切り込みを入れ」「テーピング試験」
見積もり段階でカッターで切るのは無理。

「パワーアシストクリヤー」水谷ペイント
 →(判断方法の記載なし,ある意味硬派?)

「SBライズコートシステム」大日本塗料
 →「チョーキングレベル診断」
「JIS K 5600-8-6」という規格での診断方法の記載があります。
しかし,肝心の「数値化した白亜化評価等級1〜5の標準画像」が
掲載されていないので,片手落ち感が否めません。
やり方を書くならレイアウト変更して画像載せてほしかったです。

「ダイヤSPR工法」ダイフレックス
 →「施工前外壁調査方法」
JIS規格の「白亜化の等級1〜5の標準画像」を診断基準にせよ,
と書かれているのは上記メーカーと同じなのですが,
こちらのメーカーでは「標準画像」が大きめに掲載されていて,
とても親切です。
  ↓
白亜化評価等級1〜5の標準画像


ということで,この判定方法を知ってからは
クリア塗装の可能性があるお宅の見積には
「セロテープ」と「黒い下敷き」を持っていきます。
  ↓
黒い下敷きとセロテープ


外壁にセロテープを貼ってよくこすって密着させてから剥がして,
黒い下敷きに貼ったときにコレだとクリア塗装は不適です。
(この家は築12年でした)
  ↓
白亜化評価結果:クリア塗装は不適

サイディング表面が傷みすぎていなければ,
こんなに ↑ セロテープに塗装が付着してくることは無いので,
「クリア塗装しても大丈夫ですよ」という判断になるわけです。

(但し,表面に微細な凹凸があるタイプだとセロテープが付かないため
このテストが適用できない場合もあります。)

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当店でクリア塗装を施工させていただいた2棟目のお宅では
最も日当たりが良い南面でこのテストを行いました。
(着工後に撮影した動画です)
  ↓

 
築15年だったのでダメだろうと思っていたのですが,
OKという結果なので,クリア塗装を行うことになりました。

ところが,シーリングを終えてから高圧洗浄すると
あちこちでサイディング表面がプチプチとはじけ飛ぶほか,
北面でかなり削れてしまう結果となりました。
(通気層が無い「直貼り」ではありません)
(出隅部材の角から吸水してふやけていたようです)

洗浄後の様子を写した動画です。
  ↓


この段階で2色塗りに変更することも考えたのですが,
「現状の外壁の色・柄を維持したい」という施主様の
たいへん強いご希望がありまして,クリア塗装を強行しました。
(派手に欠損したところは主に目立たない真裏の方だったので)

欠損の具体的な補修方法は,以下の通りです。

素地が露出したところに浸透させるタイプの下塗塗料を塗付。
  ↓
サイディング素地露出部分下塗後

下塗が乾いてから外部使用可能なパテで成形。
  ↓
サイディング欠損部耐水パテ処理後

その後に,白い下塗塗料を塗付。
  ↓
サイディングパテ処理部分下塗

上塗1回目を塗付。
  ↓
サイディング補修塗り上塗1回目

既存に極力近い色を作成。
  ↓
サイディング補修塗りのための塗料(自作)

で,2色で補修塗り。
  ↓
サイディング補修塗り終了

このあとに,3分艶(30%の艶)クリアを2回塗って
仕上がりの動画がこれです
  ↓


※上記の方法で補修したのは,「欠損が目立つ部分」のみです。
米粒程度以下の細かい欠けはたぶん何百ヶ所もあって
すべてを補修するのは現実的ではないですから。

なお,この ↑ サイディングは,よく見ると2色ではなく
細かい黒い粒々模様があることがお判りいただけると思います。
粒々の大きさは尖った鉛筆で突いたくらいなので,
辛うじて目立たない補修塗りができました。

しかしながら,粒々模様がもっと大きい場合
  ↓
補修塗り困難なサイディング

あるいは,2色でなく3色以上使ってぼかしてあるような場合
  ↓
補修塗り困難なサイディング

だと,洗浄の結果,あちこちに大き目の欠損が生じたとしたら,
クリア塗装前の補修塗り・再現を行うのは
(不可能ではないにしても「絵を描く」のに近い手間がかかるので
実際のところ)ほぼ無理です。

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私感では,サイディングは一般的に考えられているよりも,
はるかに脆くて弱い素材です。
屋根と外壁の洗浄だけで丸一日かける十分な高圧洗浄を行うと,
築10年程度でも少しは表面がはじけ飛びます。

参考として,築12年目のサイディングの高圧洗浄の様子です。
  ↓


ものによって多少傷み方の度合いに違いはありますが,
サイディングというものは こういう物なので仕方がありません。
 
その塗り替えに対して,(例外はありますが)
「クリア塗装」=「下塗りをしない」ということですから,
個人的には,職人的な感覚として,
なるべくならサイディングのクリア塗装はやらないほうがよい,
と思っています。
(どうしてもやれと言われれば仕事ですからやりますが)


で,なるべく厚く塗るように心して2回クリア塗装した仕上がりの写真です。
サイディングに打たれた釘の頭の横に1円玉を貼り付けて
アップで撮りました。
  ↓
サイディングクリア塗装仕上げ アップ

そして,(別のお宅で)同じような状態のところを
(下塗2回+上塗2回+凸部1回)合計5回塗って
2色塗り仕上を行ったアップの写真がこれです。↓
  ↓
サイディング2色塗り仕上げアップ


こうしてクリアとエナメルをアップで見比べると,
クリアで大丈夫なのか?と不安な感じがします。
また,補修塗りしたところが後から目立ってきたりしないかも気になります。
なので,やはり今後3年ごとくらいに見に行くことにします。

サイディングのクリア塗装は,まだ一般的になってから
10年経っていません,私の記憶が正しければ。

「2回塗るだけでOK,簡単で安上がり」
と単純に考えている業者もいるようですが,
次の塗り替えのときにどうなっているのか,
(実際に10数年経ってどうなるか)まだ誰も知らないので,
なるべくやりたくない,のはそういう意味合いもあります。

逆に,とにかく安く済ませる方法としてクリア塗装を選択するなら,
弱っているところでもはじけ飛ばないように,
かなり手加減して洗浄を済ませるしかないでしょうね。
そんな洗浄で大丈夫なのか?などとは考えないことにして。

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またしても書き出したら長くなってしまいましたが,
ついでに,サイディングのクリヤー仕上げの場合の
シーリング(コーキング)について書いておきます。

塗料メーカーのカタログに従うなら,
シーリング打ち替えはクリア塗装の後に行います。
(これを「後打ち」といいます)

シーリングが充填してある継ぎ目の部分は,
動きが生じても割れて隙間ができないように
動きに追従する柔らかいシーリングを打設してあるわけですから,
その柔らかいシーリングの上に塗装した場合,
シーリングより硬くて薄い塗膜が割れてしまうとしても
それは仕方がないことであり,むしろ当たり前の結果なのですが,
ある種の施主さんと業者の場合,それが「クレーム」になるので
メーカーとしてはクリア塗装に限らずエナメル塗装(塗り潰し)でも
先にシーリングを済ませてから塗装を行う「先打ち」でなく
塗装後にシーリングを行う「後打ち」を推奨しています。
(そのココロは「シーリングの上に塗装すると割れたとかべたつくとか
ウチに文句が来てメンドイから,おまいら塗るなよ」ってことです)

で,シーリングの上にクリアを塗った場合にどうなるかというと,
塗膜が割れると白く濁って目立つ(?)らしいです。
(らしい,というのは,まだそういう状態を見たことがないので)
 
しかし,シーリングの上の塗膜が割れて,
そのひびが多少目立つとしても,シーリングのもちは

 上から塗装されたシーリング > 無塗装のシーリング

であることは絶対的に間違いないので,
私はクリア塗装でも「先打ち」したほうがいいだろうと思います。
(自分の家ならそうします,エナメル仕上げだって割れるわけだし)

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ちなみに,もし,「後打ち」するとしたら,
塗装前の高圧洗浄をシーリング打ち替えの前にやることになります。

ところが,見積に呼ばれた時点ですでに
シーリングがあちこち断裂しているのが普通ですよね?

ということは,シーリングが断裂した状態
(=高圧洗浄したらサイディングの内側に水が入る状態)
のまま高圧洗浄するわけにいかないので
シーリング打ち替えの前に断裂を「仮埋め」しておく必要があります。
 
わかりにくいので,まとめると,下記のようになります。

◆先打ちの場合
シーリング打ち替え→高圧洗浄→塗装

 ○ シーリングの寿命が(塗装しない場合よりも)延びる
 × シーリングの上の塗膜が割れることが多い

◆後打ちの場合
シーリング断裂部分仮埋め→高圧洗浄→塗装→シーリング打ち替え

 ○ シーリングは塗装しないので「シーリングの上の塗膜が割れる」
   ということが起きない
 × 断裂がある場合には仮埋めが必要で先打ちよりも手間がかかる
 × 完成した塗膜にカッターの刃を入れることになり
   仕上がりへの影響に注意・配慮が必要。

以上「先打ち」「後打ち」の他に,
その中間とでもいうようなやり方をする業者もいるようです。
どんな方法かというと,「先打ち」して,
そのシーリングの上にマスキングしておいて塗装するらしいです。
う〜ん,そんなにうまくいくかなぁ?と思いますが,
ちょっとくらいシーリングの方に クリア塗装がはみだしても良し
とするなら,「後打ち」よりはマシなやり方かもしれません。

なお,常識的な判断ができる業者であれば,
シーリングの断裂がある状態のままで高圧洗浄を行うことは無いですが
午前中に高圧洗浄を終えて午後からシーリングの打ち替えを始めた業者を
実際に見たことがあるので,注意しましょう。(見積時に必ず確認)

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最後に,クリア塗装の仕上がりですが,
色が変わらないので,どちらが施工前でどちらが施工後か
引きの写真ではまったく見分けがつきません。
テカテカの艶有りじゃなく,三分艶=30%の艶なので特に。
(マウスポインタを乗せると写真が変わります)
  ↓

サイディング外壁クリア塗装施工前後

「現状の外壁の色・柄を維持したい」というご要望には
まさにぴったり適合した仕上がりなのですが,
塗る側の私的には,なんというかこう,達成感が薄いので,
色が変わったほうがいいなあ,と思うのであります。


で,下記は,クリア塗装じゃなく,
塗り潰しからの2色塗り(3色塗り)でこんなふうにできるんですけど,
という見本です。
  ↓





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2016年08月22日

カラーベスト屋根の棟の対処&空調服

いやー,梅雨時期よりも天気悪いですね,関東。
そのお蔭で新記事書けるわけですけど。

一週間ほど前に新しい動画を公開しました。
前回公開の動画とこの動画の間に限定公開で3本動画があるのですが
「時事ネタ」を含むため,これを先に一般公開しました。

まずはご覧ください。
「カラーベスト屋根 棟板交換【曽根塗装店】」(8分)



屋根の頂上部を「棟」といい,
カラーベスト屋根(コロニアル屋根)の場合は
トタンが使われていることが多いです。
このトタンを「笠木」とよぶ場合もありますが
正式には「棟包み板金」といいます。
  ↓
カラーベスト屋根(コロニアル屋根)の棟

寸法関係は正確ではありませんが,断面図を作成してみました。
  ↓
カラーベスト屋根(コロニアル屋根)の棟の断面図

トタン「棟包み板金」の内側には
「棟板」または「笠木」もしくは「貫板」とよばれる木材があり,
トタンの側面から釘で固定されています。(赤丸囲いの釘)

その釘は通常「スクリュー釘」といわれるタイプで
その所以のギザギザがあるため抜けにくくはなっているのですが,
年数が経つと徐々にこの釘が抜け出てくることが多いです。
  ↓
棟包み板金の釘の緩み

釘が出てきている状態をあまりに放置すると,いずれ釘が抜け落ちて,
最悪の場合,台風などで棟包み板金が吹き飛んでしまうことがあります。
足場の上から ご近所の屋根を撮影した写真で,
実際に棟包み板金が無くなってる例です。
  ↓
カラーベスト屋根の棟包み板金が脱落


また,出てきた釘の頭を引っ張ると簡単に抜けてしまうことがよくあり,
その理由として,釘が棟板に対して水平ではなく斜めに打たれていて
「抜けてないだけで効いていない」というNGな状態であることが
ヒジョーーーに多いです。(経験上,その確率は70%以上です)

こんな具合に
  ↓
棟包み板金の釘の打ち方不良 写真

マウスポインタを乗せると図が変わります。
  ↓

棟包み板金の釘の打ち方の違い

ちなみに,NG(No Good)な打ち方の場合には
角度的に釘を伝って棟板まで雨水が浸みやすくなると思われ,
後年,釘が余計に抜けやすくなるようです,経験的に。

逆に,GJ(Good Job)な打ち方の場合,
20年過ぎていてもしっかり釘が効いていて何ともないこともあって
「この釘を打った屋根職人は真面目な人だったんだなぁ」
としみじみと感心することがあります。
(残念ながら そんな家は滅多に無いですけど)

昔は,釘頭が多少出てきていても,あまり考えず,
ただコンコンと打ち込んで,そのまま塗ってましたが
追跡調査の結果,打ち込んでも また出てくることがわかったので
現在はステンレスのビスで打ち替えることにしています。

ビス打ちにしなくても,出てきている釘を一旦抜き取り,
GJな打ち方に変更してもいいわけですが,
トタンの内側の棟板の厚さは15ミリ,
その厚さの真ん中を狙って正確に水平に釘を打ち込むのは
(やってみるとわかりますが)案外難しく,
私的にはビス打ちに換えちゃったほうが簡単です。
それに釘とは比較にならないくらい緩みにくく確実でもある。

使用するビスは下穴無しでスパッとトタンを突き通す
「板金オールラウンドビス ステンレス 3.7×40」がおすすめです。
(もちろんインパクトドライバー使っての話です,為念)
このビス,現時点では「Amazon」での取り扱いが無く,
ネット販売していても なぜか価格が高めなので
建築資材店やホームセンターで探してください。
  ↓
スクリュー釘とステンレスビス

板金オールラウンドビスステンレス 箱

当方,ばりばりのA型なのでw もう少し細かい話になりますが,
ビス打ちの位置はもともと釘が打ってあった位置よりも
少しずらして別の位置にした方が効きます。
  ↓
棟包み板金のステンレスビス留め後

棟包み板金のステンレスビス留め後のアップ

釘を抜いた跡の穴は,
「ポリパテ」か「クイックメンダー」で埋めます。
「クイックメンダー」で埋めた後の写真です。
  ↓
釘穴を埋めた後


で,私の場合,ステンレスのビスで打ち替える際,
釘を抜くついでにトタンをめくって「棟板」の状態を確認しています。
  ↓
カラーベスト屋根の棟木の状態を確認

カラーベスト屋根の棟木の状態を確認 別アングル

私の経験上,築15年を過ぎると,
「棟板」が腐っていることがあるので。
  ↓
棟木の腐食:築15年

棟木の腐食:築16年

全部交換なら本職の屋根工事業者を呼びますが,
部分補修の場合は私がやることもあります。
今回の動画のお宅は数量が少なかったので私がやりました。

棟板は通常は杉材の板で「貫板」という名前で売っており
伝統的な規格で寸法が決まっているようで,
厚さ15mm×幅90mm×長さ3650mm,ホームセンターで買えます。

「ACQ加工」といって,腐りにくくするために
あらかじめ薬剤で防腐処理してある板も存在しますが
売ってたり売ってなかったりするので,
今回は既存と同じく無処理の板を買ってきて
余っていた木材保護塗料を表も裏も3回たっぷり塗りました。

(※木材保護塗料とは「キシラデコール」に代表される
色付きの防腐防虫剤とでもいうような塗料です)

通常は塗装間隔12時間程度なので1日1回しか塗りませんが,
この場合,本当は塗料の中に浸してしまいたいくらいなので,
含浸させるべく吸い込んだところでさらに重ねてしまう塗り方をして
翌日でもベタベタしてます。
  ↓
貫板に防腐防虫塗料塗付1回目

貫板に防腐防虫塗料塗付2回目

貫板に防腐防虫塗料塗付3回目

ついでに書くと,「タフモック」「エコランバー」という名称で
プラスチック製の腐らない貫板が存在します。
ただ,厚さが18mmなので,部分交換の場合は
既存の貫板(15mm)と厚さが合わないため
私は使ったことがありません。
(もし厚さが合うものがあったとしても,
いずれ葺き替えのときに全交換するので
部分補修では必要ないかな,と思います。)

さらにもうひとつ,ついでに書いておくと,
10年以上前の私がそうだったように,
出てきている釘を打ちこむくらいで,それ以上のことはしない
という塗装業者・職人が圧倒的に多数派だと思います。
そもそも,普通は見積書にこんなことの記載は無いですから,
やらなくても「手抜き」にはなりませんし。

業者の立場としては,
下請なら めちゃめちゃ叩かれるのが当たり前,
元請でも 世知辛い価格競争に曝されるのが普通なので,
他社がやらないことをやる結果として利益が減ったり
その分価格を上げて成約率が落ちたりすることは
好ましいことではなく,避けて通るのが当然でしょう。

ですから,塗り替え工事を依頼する施主の立場の方には,
どの程度のことまで気にして工事する業者なのか,
見極めるのは無理でも 感触を掴んでから発注する必要がある
と思うのであります。

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書き始めたら ついつい長くなってしまいましたが
最後に「時事ネタ」です。

そう,動画の終わりの方に出てくる「空調服」です。
3月に加入した相方があまりにも汗かきなので
半額経費で出すから「空調服」買ってみれば?と提案。
相方が調べ倒して購入したのがこれです。
  ↓
空調服(ポリエステル)

空調服のファン

試着させてもらったところ,これが想像以上にイイ。

暑いんだから熱風が通るだけじゃないかと思っていたら
そうじゃなく,汗を乾燥させて気化熱を奪うわけです。
(よって,汗かかないと効果が薄い)

「マキタ」や「タジマツール」という大手からも
この類の製品が発売されていますが,
相方が買ったのは空調服の元祖?「アゼアス」のものです。

私が一番気になったのはバッテリーの重さと大きさなのですが,
マキタの14Vバッテリーと比べるとはるかに小ぶりで軽く
身に付けていても思ったほどは邪魔にならないです。
(逆にいうと,マキタのバッテリーの場合,
これ腰に付けるの?と想像しただけでゲンナリするので,
軽量小型の専用バッテリーを作らないと空調服の普及は難しいと思います)
  ↓
空調服のバッテリー(アゼアス製)の重量

マキタの14.4Vバッテリー

で,私も同じく「アゼアス」のものを買いました。
相方が買った服がポリエステル製であるのに対して,
私が買った服は不織布で,フード付きです。
汚れて捨てることになっても惜しくないように,と考えて
安い不織布のものを買ったわけですが,
質感が頼りなくて安っぽいので
次はポリか木綿の服を買うことにします。

ファンユニットは使いまわしで服だけ換えられるので
とりあえずお試しで買ってみるという人はこれでよいでしょう。
  ↓
空調服(不織布タイプ)



ファンは2つ,デスクトップPCに付いてるようなやつで
バッテリー本体で回転数を4段階選べます。
  ↓
空調服の内側

空調服のバッテリー

取説には,最強の【1】とその次の【2】だと
ファンの寿命が短くなるよ,ということが書いてありますが
推奨の【3】【4】だと物足りない。
ファンだけ購入可能だから,ぶっ壊れたら買い直せばいいや
ということにして,【2】で使ってます。

※【1】だと「ぶ〜〜〜〜〜〜ん」と,結構ウルサイ。

※まだファンが回らなくなるまでは使ったことはないですが
 【2】でもフル充電なら8時間もつ仕様らしいです。

スイッチ入れると腰のところから入れた外気が
服の中を通って手首と首元から抜けていき,
フード被るとフードの中まで風が通ります。
そして,服は昔のダウンジャケットみたいに膨らんで,
一回りデブになったような感覚。

なので,服が結構 足場に引っかかるようになって,
破れるとマズイので慎重に移動するようになり,
それはそれで安全で,メリットと言えなくもない。

あまりにも高温だと塗装品質に支障が生じる恐れがあるので
暑さのピーク時に屋根塗りなんかしませんが,
外壁面はだいたい足場のシートに覆われていて
耐え難いほど暑くは無いですから,
使うとしたら,やっぱり屋根でしょうね。
(そう考えると,塗装屋よりも逃げ場がない防水屋とか
屋根屋とかに向いている商品のような気もします。)

空調服があると,無い場合よりも快適に仕事ができます。
冷感スプレー併用でターボ掛けるとさらに。
  ↓
「シャツクール」と「どこでもアイスノン」」

個人的には,「シャツクール」に比べて やや強い感じがする
「どこでもアイスノン」がおすすめです。



すでにツクツク法師が鳴き始めて,夏の終わりが感じられますが,
関心のある方は残暑対策でどうぞ。
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<店主> at 02:27コメント(0) 

2016年08月04日

雨樋(軒樋)の伸縮と割れについて

元はといえば
HP更新の代わりに本ブログを開設したのですが,
多少は実があると思える記事を一つ書こうとすると
(私の場合は)数時間はかかるので,
やはりポンポン更新できるわけもなく,
放置に近い状態となってしまっています。

で,そのブログ更新の代わりに?新しい試みとして,
「YouTube」にて5月末から先週までで
合計7本の動画を公開しました。

個人的にはきちんと編集されていない
「たれ流し」のような動画は好きじゃないのですが
曽根塗装店では今こんなことをしてますよ,
という「営業中」のアピールにはなる,と思うので
「ビデオ日記」的なアップもアリかな,と。

---------------------------------------------------

「YouTube」では動画をアップロードするときに
「公開」か「限定公開」か,選べるようになっていて
「限定公開」として設定すると,
URLを知っている人だけが見られる状態となり
動画一覧のページには表示されませんし,
検索しても出てこないようになります。

当店では現在までに公開している動画は28本ですが,
実は,施主様専用非公開工事記録のための動画を含めると
395本の動画があります。

つまり,
今までは9割以上の動画を「限定公開」にしていたわけですが
これからは,同じようなものばかりでマンネリ化しない程度に
ビデオ日記的に公開していきたいと考えております。

---------------------------------------------------

本年7本目の,最新作はこれです。
「雨樋(軒樋)の伸縮と割れについて【曽根塗装店】」



今回の動画は字幕で説明を入れたので
特にここで書き足すことは無いですけど
雨樋のプロではない塗装屋から見ても
思慮不足な施工の結果として不具合を生じている
ということがよくあります。

今回のお宅の場合,
全取り替えするにはちょっともったいないので
部材を調達して私が修繕することになりました。

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1週間以内に次の1本を公開する予定です。




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<店主> at 01:25コメント(0) 
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