塗装作業

2010年02月02日

ベランダの笠木

今年は雪は降らないのではないか,と楽観していましたが,
降っちゃいましたね。

また更新しときます。

今回のお題は,「ベランダの笠木」です。
当店で施工させていただくことになるかもしれないお宅のための
ご説明なんですけど,実は。

以下,すごく長いです。

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花壇の下地補修鉄扉の塗装でもネタにさせていただいたお宅では
ベランダの外側に板が張ってありました。
ご覧の通り,経年劣化で板が反ってしまっていたので,
張り替えることに決定。
  ↓
ベランダ手すり壁外側板張り/施工前


板を剥がしてみたら,内側が腐ってました。
  ↓
ベランダ手すり壁内側の腐食状況1

  
ベランダ手すり壁内側の腐食状況2


外側からはぜんぜんわかりませんでした。

どこから水が入ったのか,よ〜く見ると,手すりの支柱の根元らしい。
根元の部材とトタンとの間には厚さ1ミリ位の
ゴムパッキンが入っているのですが,
ちょうど笠木のトタンの継目に支柱があるために段差で隙間が生じ,
ゴムパッキンが効かなかったようです。
  ↓
手すり支柱の根元


上のところのトタンの裏側の写真がこれです。
  ↓
笠木トタンの裏側


アルミの手すりは取外し,笠木のトタンは切断,腐った木材は交換。
  ↓
ベランダ笠木トタン切断後

  
ベランダ笠木の下地補修状況


トタンは3回塗りして,アルミの手すりに合わせた色で仕上げ,
アルミの手すりを復旧。
復旧の際には,ねじ穴から水が入らないように,
シーリング(コーキング)注入。
  ↓
笠木トタン塗装後

  ↓
ねじ穴にシーリング注入


ゴムパッキンを置いて,
  ↓
ゴムパッキン


元通りに手すりを復旧した後,念のため,さらに
根元の部品の外周にシーリング
  ↓
ベランダ支柱外周部シール

  ↓
ベランダ支柱外周部シール完了


これが施工中
  ↓
ベランダ笠木施工中


これが施工後
  ↓
ベランダ笠木施工後


話は本題からズレますが,
外側の板は張ってしまった後には
裏側はもちろん重ね目も塗れなくなりますから,
張る前に部材の状態で表裏両面2回塗りました。
  ↓
板は張る前に2回塗り



張ってからもう1回,表側に3回目を塗装して完了です。
  ↓
ベランダ手すり壁板張り完了


塗料は表面に膜を作らない浸透性の
防腐防虫木部保護着色塗料=WPステイン。
(「キシラデコール」「ノンロット」が有名です)

ウッドデッキや濡れ縁などによく使われる塗料ですが,
採用に当っては,接合部からの吸水が腐る原因になるため,
新設時には部材の状態で2回塗ってから組み立て,
組み上がってから最後にもう1回塗るというのが理想的です。

しかし,理想的に施工されることは,ほぼ絶無に近いでしょう。
実際,昔,新築工事の下請をしていた頃に,
そういう見積書を作って あっさり拒否られてますから (^^;)

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話を本題,「ベランダの笠木」に戻します。

以上の事例のように,
上から打ち込んであるビスが貫通している「笠木」は,
無神経な施工をすると水が入って内側の木材が腐る,
というのは,過去にも経験しています。

なので,「これはマズイのではないか?」と思う場合,
取り外してシーリングするということを
過去に何度もやっています。

この写真は一昨年の夏に施工したお宅で,
やはり,笠木はトタン,手すりはアルミです。
  ↓
ベランダ手すり支柱施工前


冒頭のお宅では,笠木の上には水が溜まらないように
ぱっと見ただけではわからないくらい微妙に,
内側に向けて傾斜が付けてありました。
(アルミ屋は無神経だったけど,大工さんは繊細だったわけです)

が,このお宅では,そのような繊細な配慮は無く平坦。
手すりの根元が微妙に凹んで水が溜まり,トタンが錆びてます。

取り外してみると,「チューインガム」のようなパッキンが
挟んでありました。
  ↓
手すりを外したところ


チューインガムを撤去してサンドペーパーですりすり。
  ↓
笠木トタン ケレン後


錆止塗料を塗付して,乾いてから,
ねじ穴にシーリングを入れ込んで復旧。
  ↓
手すりの復旧状況

  ↓
ベランダ手すり復旧後


アルミの手すりも古ぼけていたので,目荒らしして下塗,
そのあとに,笠木と手すりを2回上塗りして出来上がり。
  ↓
ベランダ笠木・手すり 塗装後


トタンの継目にも細工してあります ↑

それはまた別の,昨年秋に施工したお宅の写真で
以下,解説いたします。

継目には「シリコン」のシーリングが付けてあります。
これが,トタンの合わせ目の内側までしっかり入っていれば
そのままでも構わないのですが,外からでは確認不可。
よって,この上にシーリングを重ねて打ちます。
まずは,「ラーメン」状のサンドペーパーですりすり。
  ↓
ベランダ笠木継目,ケレン後


「シリコン」のシーリングは安くて丈夫ですが,
塗料をはじいてしまうため,「シリコン」の重ね打ちはしたくない。
なので,とりあえず「シープラ/関西ペイント」を塗ります。
  ↓
ベランダ笠木継目,シープラ塗付後


「シープラ」が乾いてから,マスキングテープを貼ります。
  ↓
ベランダ笠木継目,マスキングテープ貼り


その上に5ミリ角の「バックアップ材」を貼り付けます。
  ↓
ベランダ笠木継目,バックアップ材貼り



シーリングは薄いと もたないので,
厚みを確保するため,「バックアップ材」で土手を作るわけです。
  ↓
バックアップ材の土手


接着剤的液体「プライマー」の塗付,乾燥後,
土手を埋めるようにシーリング(変成シリコン)。
  ↓
ベランダ笠木継目,ブリッジシール1


数日置いて硬化したら,土手とテープを除去して,
出来上がった5ミリ厚のシーリングの真上と外側に
またマスキングテープを貼ります。
  ↓
ベランダ笠木継目,ブリッジシール2


斜めにシーリングして,テープを除去したところです。
  ↓
ベランダ笠木継目,ブリッジシール3 完了


この方法は,「ブリッジ」とか「ブリッジシール」といいます。

※「バックアップ材」は「発泡ポリエチレン」で,
   プライマーを塗ってからシーリングしても密着しません。

このあと,手すりは取り外して,
「ブリッジ」の上にまた「シープラ」を塗付,
トタンには錆止塗料を塗付,
上塗を2回塗付して手すりと同じ色に仕上げた後,
シーリングを入れ込みながら手すりを復旧して完了。
  ↓
ベランダ笠木ブリッジシール部分,塗装後


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さて,以上は,
笠木はトタン,手すりはアルミ,というパターンでしたが,
笠木も手すりもアルミ,ということもあります。
でも,油断はできません。

また別のお宅ですが,継目に「シリコン」のシーリングが
なんとなく詰めてあるだけ,というズサンな場合もあります。
  ↓
アルミの笠木の継目の隙間


内側の壁の断面(上面)に何も防水的処置がされていないとしたら,
当然水が入りますから,ブリッジシールが望ましいです。

そして,実際に弊害が生じていた例です。(また別のお宅です)
写真の赤丸のところ,錆汁が出てます。
  ↓
不審な錆汁


アルミの笠木には樹脂製のカバーが付いています。
  ↓
アルミ笠木の継目カバー


とりあえず,カバーを外してみると,
もし水が入っても,外側に流れ出るように,
ちゃんと内側に金具が仕込んであることがわかりました。
  ↓
アルミ笠木の継目カバーを外したところ


とすると,錆汁の原因は,手すりの支柱の根元しかないので,
(できればやりたくなかったんですが)手すりをバラします。
まず,丸棒を外す。
  ↓
ベランダ手すりの分解1


次に丸棒の取付金具と支柱のカバーを外す。
  ↓
ベランダ手すりの分解2


丸印のところにあるのは,錆びたネジの頭。
もはやドライバーで回せる状態ではないです。
  ↓
ネジが鉄じゃん!


ステンレスのネジじゃないことに苛立ちを禁じ得ませんが,
仕方がないので頭をヤスリで削り落とします。
  ↓
ネジ頭を削り取ったところ


支柱は白いアルミの筒が差し込んであり,
それを抜くと,ようやく,支柱のカバーの「受け」が取れました。
  ↓
ベランダ手すりの分解3


やはりここが原因です。
  ↓
ベランダ手すりの分解後と錆汁


「受け」と笠木の間には ちゃちなパッキンが入っていましたが
劣化してこの通り。(築13年です)
  ↓
築14年目のパッキン


支柱の芯と笠木の間に,
  ↓
ベランダ手すり支柱の芯と笠木

シーリングをたっぷり入れ込みます。
  ↓
ベランダ手すり支柱の芯と笠木の隙間にシーリング


支柱を復旧後,さらにカバーの上下にシーリング。
  ↓
ベランダ手すり支柱復旧後にさらにシーリング
  ↓

ベランダ手すり支柱のシーリング完了



このお宅はベランダが2つあって,2つとも同じことをしたので,
手すりをいじってただけで丸1日かかりました (TT)
  ↓
ベランダ手すり支柱のシーリング状況


いっそのこと,撤去して廃棄,新品に交換した方が早いし
確実なので,実際そうしたこともありますが,
かかる費用を考えるとなかなかそうもいかんので,
実用上支障がなければ,妥協します。

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以上のようなことは,はっきり言って,えらいめんどくさい(爆)

こんな,足場取っちゃったらぜんぜんわかんないようなことを
チマチマとやっている間に,外壁が何十平米も塗れるわけで。

しかし,内側が腐ってるのを見たことがある私としては
すごくめんどくさいけど,やっておきたいと思うわけです。
怪しそうな場合は。
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2010年01月26日

「DIY鉄骨塗装」終了

ちょうどよいところにMさんから
鉄骨塗装工事終了のメールが届きましたので
その一部をご紹介します。

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2010.1.25(月)21:52
subject: 長かったっす(あざす)

こんばんわ
今年も宜しくされたく無いでしょうが・・・
今年も宜しくお願いします^^b

さて、連絡メールが遅くなりましたが、
ようやく塗装の方は終わりになりました。

考えるとキリが無いし、
100点満点も無いと痛感して反省しております。
やれる範囲の最善は行けたかな??

134HSのメールで塗るか?どうか?迷いましたが
折角購入して使わないのも
(ここで塗らねば塗る所が無いし、さらに探す気力は無いので)

物置の中の胴縁は、カーボマスチック2度塗りで完了にしました。

物置用に1缶(青色)を追加して、
手摺りは2度塗り部分と1度塗りに分かれてしまい
どこまで、1回なのか?裏返したか?
同色なので境が解らない部分が出来てしまいました。

しかし、曽根さんの忠告どうりに、
中空材料無しでフラットバーと鉄筋(これは失敗したが・・)
納得いく塗装は出来たと思います。


2度塗りは、終了してますが要所・要所がイマイチ(継ぎ目・ボルト)
最初の塗装部分だし塗膜も自信ないので外周は3度塗りにしました。

なるべく、厚めに
内側は、2度塗り
  ↓
内側「カーボマスチック15」2回目終了


外周は3度塗り(カーボマスチック)
  ↓
外側「カーボマスチック15」3回目終了


あと、1.5kgほど残ったのでこの際・・・と、思いましたが
流石に心折れまして^^;

トップコートに入りました。
正直、錆止めでの塗装が下手でしたので仕上がり感はイマイチですーー;
  ↓
外側「カーボライン134HS」終了


でも、これは先日曽根さんからのメールのように、見た目より質にこだわり
ベターより、錆止め性能のベストからの仕様なので納得です。

近くでみると、モコモコしてますけど・・・昼間だと・・これ
  ↓
内側「カーボライン134HS」終了


キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
アルミ色ですが・・銀?シルバー?まあ、アルミなので1円色ですかねw

でも、メッチャ綺麗です。(近くで見なければ^^;)
虫の死骸も結構めり込んでしまった(あははw)

手摺りは取り外し可能で、
手摺り自体もボルトなので二人掛りなら取り外し可能です。
  ↓
鉄骨塗装終了


脚部は取り合えず変成シリコンいれて、暫くは様子見予定
  ↓
鉄柱根元変性シリコンシーリング打設


完成にはまだ時間が掛かりますが、
ひとまずこの仕様で様子を見て考えようかと

コンクリが乾いてウレタン防水かけるのも3月4月頃でしょうから、
曽根さんがまた我が家に来た時に、実際に現物を見てもらい、
アドバイスお願いします。

降って湧いたような余分な作業に
貴重なお時間を貰いまして有難うございました。
多少、塗装のことに関しては自信をもって挑みましたが、

正直これほど、大変なことになろうとは・・・
曽根さんがいわれた
「だから、鉄は怖いんですよw」
痛感しております。


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というわけで,まとめると,
外側は,下記の4回塗り。

  下塗1回目:「カーボマスチック15」アルミニウム

  下塗2回目:「カーボマスチック15」レッド

  下塗3回目:「カーボマスチック15」ブルー

  上塗:「カーボライン134HS」シルバー

内側と手すりは,3回塗り。

物置の中は,2回塗り(上塗無し)。

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それから,重要なことなので補足しておくと,
手すりは「中空材」を使わないこと。

「中空材」とは,角パイプや丸パイプのことで,
その場合,鉄自体は薄いので,錆びて穴が開きやすいのと,
溶接前の段階や溶接後の隙間から内側に水が入り,
閉じ込められて日が当り温度が上がると,
蒸気機関車の原理でパイプに内圧がかかり,
その結果,角パイプが膨張して丸くなることがあるのです。
そうなると,素地の変形に追従できなくなった塗膜は割れて
剥がれてしまいます。

角パイプの手すりの縦棒が膨張して膨らみ,
そこだけ塗装が剥がれてしまっている実例です。
  ↓
鉄の手すり

  
手すり縦棒の膨張


この場合,下の方に穴を開けると水が出てきます。
無垢材ならば,こうなることはありません。

また,経験上,断面がよりものほうが,塗装が長持ちします。
だと水平の部分に水が溜まるためだと思います。
下面ものほうが水切れが良いです。

それと,の場合,カドがきつい(尖っている)と塗膜が薄くなり,
そこから錆びやすくなるので,カドは丸みを帯びていた方が良いです。
同じ理由で,表面がぼこぼこした鉄筋を丸棒の代わりに使うのはNG。

ついでに,もう1点。
後で取り外す可能性がある場合,
ボルト,ナット,ワッシャーの類はステンレス製にして,
そこは塗装しないこと。
  ↓
鉄骨階段ブレス

  
ステンレスのボルトナット


鉄製のボルトを使用,ねじ山も塗装してしまうと
外すときに簡単には回らなくなり,タイヘンです。
あまりにもタイヘンなので,上の写真の現場は外すときに切断して,
ステンレスのボルト,ナット,ワッシャーで復旧しました。

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Mさんからのメールの最後の方に書かれていますが,
実はこれで終わりではなく,春になってから
生コンを流した床面に,ウレタン防水する計画があります。

しかるに,左官工事(土間打ち)の収まりにモンダイがあって,厄介。
そのへんはいずれ「DIYウレタン防水」に続くかもしれません(?)

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2010年01月24日

鉄の塗装

たしか昨年8月頃だったと思います,
「DIY外壁塗装」のMさんから,久しぶりにお電話がありました。

Mさんのお家はガケの上に建っていて,
ガケ下に駐車場があるのですが,
その駐車場のところに,鉄骨で物置とデッキを作ることになった,
ついては,曽根塗装店なら鉄骨に何を塗るか,というお尋ねです。

なんでも,ご近所で同様のものを増設した先駆者がいて,

  錆びちゃって毎年塗らなきゃなんないから
  鉄骨で作るのはやめたほうがいいよ

と,思いとどまるように言われたそうです。
しかし,Mさんは,

  いや,ちゃんと塗装すればそんなことはない!
  ということを証明できるような仕様が良い
  オレ,もう曽根塗装店だし(爆)

と熱く語るのです (^-^)

で,私はなんと答えたかというと,

  塗装ではなく溶融亜鉛メッキ(いわゆるドブ浸け)にすること

を強くおすすめしました。

先々のメンテナンスの手間まで考えたら,残念ながら塗装は,
50年くらいはそのままでOKな溶融亜鉛メッキには勝てません。
昔々は鉄塔に使われるくらいだったと思いますが,
15年くらい前から(?)は,マンションの非常階段や
立体駐車場など,民間の建物でも見かけるようになりました。

じゃあそういう見積もりしてもらいます,ということで
とりあえず落着しました。

しかし,しばらく経って,またお電話が。

  プラス100万って言われて,予算的にムリ。

とのこと。
そして,

  塗装なら高い材料でも100万もらないでしょ?

と,おっしゃるのでした。
確かに,自分で塗るなら,手間はタダです。

  う〜ん,でも,ホントにイイんですか?タイヘンですよ。

てな感じで話を始めて,第二のDIY塗装が始まりました。

以下,オレならこう塗る的な住宅の新設鉄骨塗装の解説と
Mさんから送られた写真です。

いまだに「■■の一つ覚え」のように新築の図面に書かれている
「シアナミド,SOPなんていう,くだらない仕様とは
全く違います。

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【1】無塗装で引き渡してもらう

なんでかというと,鉄骨屋さんは錆止塗料を指定しない限り,
ものすごぉ〜〜〜〜く安〜〜〜〜い錆止塗料を使うからです。
もし,塗料を指定するとしても,ペンキ屋じゃないので,
適正な希釈率で望ましい膜厚にしっかり塗装してもらえる確率は
たぶんヒジョーに低い。
鉄骨屋さんがペンキ屋を工場に呼んで,
塗装職人に塗装してもらうパターンもあるらしいですけど
いいかげんな塗装職人が来たら かんたんにアウトです。
だったら,最初から自分でやったほうが絶対確実。

で,無塗装で搬入され組み上がった様子です。
  ↓
無塗装で組み上がった鉄骨


【2】脱脂を行う

石油缶(16L)でラッカーシンナー買って,
それでびしょびしょにした布で拭く。(すごく臭いし,火気厳禁)
なんでかというと,鉄骨の表面には錆の発生を防ぐため,
たいてい油が付けてある(塗ってある)からです。
最初にこれをキッチリ落としておかないと,
どんなに高級な錆止塗料を塗っても密着できません。
しかし,民間の工事の場合,おそらく,
これは結構おろそかにされている気がします,経験上。
(だから塗料の密着が悪く,剥がれやすい)

【3】目荒しを行う

理想としては,サンドブラスト黒皮酸化皮膜)の除去
と同時に目荒らししたいわけですが,現場では無理です。
よって,80番のサンドペーパーでがしがしこすってキズを付ける。
「キズを付ける」=「表面積が増える」ので,
上に塗る塗料の密着が劇的に向上します。
これは,民間の工事では行われていないと思います,経験上。
(だからさらに,劇的に剥がれやすい)

この写真は目荒しの前と後。
  ↓
錆びた鉄板

  
目荒し後の状態


【4】錆止塗料を塗る

「カーボマスチック15/ジャパンカーボライン社」を使用。

この錆止塗料は約10年前,新潟県の米田塗装さんに教えてもらい,
曽根塗装店の現場では過去に2回だけ使いました。

・最下等の錆止塗料だとキロあたりたぶん200円くらい

・手軽で乾燥が早く,“エポ”というイメージが良いので
昨今ペンキ屋の標準になりつつある
弱溶剤1液形エポキシ錆止塗料だと500円くらい
(「1液ハイポンファインデクロ」「エスパーワン」
「ザウルスEX」など)

・曽根塗装店の標準品の2液形で1000円前後
(「エポオールマイルド」「エポックマイルド#2000」)

で,「カーボマスチック15」は2000円を超えます。
(アメリカ製ということもあるかもしれませんが)

しかも,まるで防水材のように ねばねばどろどろ,
だから,仕上がりがゴテゴテ,
その上,2液を混合してから使えなくなるまでが2時間,
さらに,塗り重ねが出来るまで24時間,
おまけに,開缶したら3ヶ月以内におシャカ。

意地でも長持ちさせたいからこの際 赤字になってもいい,
くらいの玉砕精神が無いと使えません,私的には。

でも,厚い。

塗るというよりは,刷毛で持って行って置いていきながら均す,
そんな感じのネタですから。

注意点として,以上【2】〜【4】は当日以内にやること。
塗る前に雨が降ったり夜露に当ったりすると,
(厳密に言えば空気中の水分でも)錆が生じてしまいますから,
脱脂や目荒らしをしたら当日以内に塗膜で覆っておくのが原則です。

全体を【4】まで1日でやるのが不可なら,
1日で出来る分ずつ,分割してすすめる。

それから,ローラー塗りじゃなく,ハケ塗りすること。
但し,ローラーでたっぷり配ってハケで均すならOK。
早く終わらせたくて無闇にローラー使いたがるやつがいますが
ローラー塗りだと塗膜が凹凸になり,凹部が薄いからダメ。
(鉄橋の塗装ではローラーNG,ハケ塗り限定の場合があるそうです)

「カーボマスチック15」1回目「アルミニウム」の塗装中。
  ↓
「カーボマスチック15」1回目塗装状況


【5】もう1回,錆止塗料を塗る

もちろん,またネバネバな「カーボマスチック15」です。
粘度が高いだけに,かすれやすいし,
1回塗りだと,エッジがどうしても薄いので2度塗りします。

「カーボマスチック15」には何色か色の種類があるので,
1回目と2回目を色違いにした方がわかりやすいでしょう。

「カーボマスチック15」の2回目「レッド」
(というよりはメタリックピンク)の塗装後。
  ↓
「カーボマスチック15」2回目塗装後


【6】上塗塗料を塗る

通常,エポキシ樹脂塗料は紫外線に弱いです。
曽根塗装店では下地が透けるとわかるように
わざと なるべく白に近い錆止塗料を使うので,
国産の錆止塗料は上塗りせずに放置すると徐々に黄変してきて,
紫外線にやられてるんだなー,と実感できます。

しかるに,「カーボマスチック15」はエポキシ樹脂塗料のくせに
上塗兼用という変わり者で,そのままでもOKなんです。
なので,上塗は省いても構わないとは思いますが,
同社の強溶剤2液形ウレタン樹脂塗料「カーボライン134HS」を
1回だけ上塗。(ウレタンだけど弱2シリコンよりはるかに高価)

米田さんに相談したら,上塗がシルバーなら,
1回でも透けないで仕上がるだろうというので,上塗1回で決定。

上塗はまだMさんから写真が送られてきていませんが,
そろそろ終わってる頃ではないかと思います。

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さて,今の住宅ではトタン以外,
外部に鉄が使われていることはほとんどありませんが,
希にベランダや階段などで露出鉄部の塗装がある場合,
需要と供給のバランスで育まれた【世間並み仕様】では前記の通り
脱脂はテキトー,目荒し 無し,
ただなんとなく色が付く程度の安物の錆止塗料を1回。
その上に,SOPとか弱溶剤1液ウレタン樹脂塗料みたいな
これまた安物の上塗塗料(SDスーパーホルスとかHi-CRとか
1液ファインウレタンとか1液マイルドウレタンとかエコレタンとか)
を1回だけ塗って,おしまい。
まあだいたいそんなところが定番です。
雨ざらしだったら,錆が出るまで,もっても3年でしょう。

で,【1】〜【6】の仕様だと,
たぶん【世間並み仕様】の7倍以上の厚みが付きます。
塗る前に脱脂・目荒らしが しっかりしてあれば,
自然に剥がれるということはまず有り得ないし,
ぶつけて剥げない限りは10年経っても錆は出ないと思います。

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ちなみに,
【世間並み仕様】の鉄骨をもつように塗替えろといわれたら,
害にしかならない,しょーもない既存塗膜を一旦全部剥がすしかない
というのが私の経験的結論です。
リセットしたあとに,私の塗膜だけで包みたい。
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2010年01月21日

「濡れ縁」の塗装

「YouTube:曽根塗装店チャンネル」10本目,
「濡れ縁の塗装」をアップしました。



2008年の夏と暮れに施工させていただいたお宅,
2軒で撮影した動画と写真がネタ元です。

今年施工させていただく予定のお宅2軒のために
作成しました,実は。

1軒はGW明け頃に着工予定のお宅で,
濡れ縁だけはDIYで塗装したいという施主様。

もう1軒は秋頃(?)になると思われるお宅で,
濡れ縁ではありませんけれども,
見積書で前提としている木部の「ケレン」の様子を
リアルにお伝えしたかったのであります。

アップロードしてから,
ラストシーンはもっと作為的に,
テレホンショッピングみたいにしたほうが良かったかな,
と思いました。

  曽根塗装店で塗替えるよりも
  ダンゼン安い価格でのご提供ですっ!!


なんつって。
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2009年12月06日

屋根塗装「水系パワーフロン」テスト施工

曽根塗装店HP10周年にあたり,
「塗替物語」のS様ほか,
拍手ボタンなどからコメントくださった方々
どうもありがとうございました。

さて,ネタの降臨に書く時間が追いつかず,
どんどん蓄積しながら日々過ぎていくのでありますが,
過日,「カラーベスト屋根の高圧洗浄」の動画紹介の時に
書いた通り,その後,水谷ペイントの水性フッソ(未発売)
「水系パワーフロン」テスト施工を行いました。

あれどうだった?と知り合い3名から聞かれたので
今回はこれをネタにします。

トタン部分をケレンして錆止塗料を塗ったり,
雪止金物もケレンして別の下塗塗料を塗ったり
といったことはこの際,省略して,
カラーベストの下塗は10月12日(月)。

10日(土)に下塗塗料(シーラー)塗付予定で,
土曜日にもかかわらず水谷ペイント北関東支店の支店長さんが
現場までいらしたのですが,朝になって天気が急変し,
にわか雨が降ってきて延期。

で,12日,下塗の塗付を午前中に終えて,
午後,はじめに塗ったところをもう一度塗ってみたのが
この写真です。
  ↓
カラーベスト屋根下塗1回目と2回目


すでに1回塗ってあるのにまだ濡れた色に変わるのは
吸い込みが止まってないわけですから,
全面2回塗りして,塗り終えた状態がこれです。
  ↓
カラーベスト屋根下塗2回目終了後


微妙に照りが出てるのがおわかりいただけると思います。

翌日,13日(火)に「タスペーサー03」装填。
  ↓
タスペーサー装填後


中塗は大阪から技術の方がいらっしゃる都合に合わせて
15日(木)に行いました。

担当技術者は20代の女性,とは聞いていましたが,
技術の人=銀縁眼鏡で神経質そう,というイメージ
とはぜんぜん合わない女の子ではありませんかっ。
(命名:キューティーTOMOKOさん
  ↓
キューティーTOMOKOさん


デカイ現場と違って足場には階段なんかありませんから
屋根まで足場上れるのかなあ?と思っていましたが,
ぐいぐいよじ登ってきて感心 (^_^)

15日は中塗までで終了し,翌日16日に上塗塗料を塗付。

一般的なカラーベスト屋根用塗料は

下塗塗料+上塗塗料+上塗塗料

の3回塗りで仕上げますが,
「水系パワーフロン」は,専用の中塗塗料が設定されていて,

下塗塗料+中塗塗料+上塗塗料

の3回塗りが標準です。

あえて中塗を別にしたのは密着性を強化するのが目的で
従来品の使い回しでなく新開発だそうです。
また,中塗塗料は上塗塗料より安価ですので,
トータルの材料コストを下げることにもなります。

但し,耐候性を担う上塗に塗り漏れがあってはマズイので,
中塗塗料は,上塗塗料とは異なる色を塗る指定になってます。
今回の場合,中塗塗料は「ダークグレー」,
仕上色(上塗塗料)は「黒」です。
  ↓
カラーベスト屋根上塗塗装中


曽根塗装店は上塗2回色違いに慣れてますから平気ですけど,
バタバタやるタイプの塗装職人は嫌がるでしょうね,たぶん。

「イヤー,HP用に色違いでやったんですけどタイヘンでしたよぉ」
という大所帯の塗装会社の管理者のボヤキを聞いたことがあります。
同色2回なら全く同じところで塗り落とす確率が非常に低いので,
普段 隅々まで本当に2回塗るという習性が無いんでしょう。

そのへん,メーカーの方にお話しして,
フツーのペンキ屋にとっては作業性が悪いのは致命的なので,
売りたいなら,色違いは“指定”でなく“希望”にしといたほうが
無難ではないですか?とコメントしましたが,
「中塗省かれると困るし,そこまでして売りたくない」
との,硬派なご回答でした。(拍手)

当店では,カラーベスト屋根の塗替えの場合,
水性塗料を使用することはほとんどありません。

理由は2つ。

ひとつは,トタン部分を弱溶剤系塗料で塗り分けるのが手間
だからで,今回も,トタン部分だけは同じ水谷ペイントの別塗料,
弱溶剤2液形シリコン樹脂塗料「パワーシリコンマイルド2」を
使用しました。

錆止入れりゃ同じでいいだろ,とトタンに水性塗っちゃう業者も
ザラにいることは知ってますが,基本的に外道だろ
と私は思います。

それからもう1点は,仕上げ塗りするときに
ちょっと踏ん張ったり,足をひねったりすると
上塗1回目(今回の場合なら中塗塗料)の塗膜が
ズルっと剥けてしまう経験をしているからです。

今回もそれを懸念していましたが,塗付翌日でも
「水系パワーフロン 中塗」は全く問題ありませんでした。

なお,たまに水性塗料より弱溶剤系塗料の方が長持ちする
(耐候性が良い)みたいなことをいう人がいますが,
私的な塗料比較試験の結果と施工物件の追跡調査の結果では,
必ずしもそうとは言えないです。

「弱溶剤1液シリコン」は「水性シリコン」どころか
「水性ウレタン」よりも劣ると認識せざるを得ませんし,
「弱溶剤2液シリコン」でも,ものによっては
「水性ウレタン」並のものがあります。
(まあ,おそろしく褪色が早くて一部では有名な
某社の「屋根用水性シリコン塗料」もありましたが。)

今回は,同色(黒)で,カラーベストが「水性フッソ」,
トタンが「弱溶剤2液シリコン」ですから,
何年経ってどうなるか,わかりやすい比較になるでしょう。
メーカー同じだし。

1缶15kg入りで発売されるとしたら,
「水系パワーフロン」の上塗塗料は7万円を超えるらしいので
ぜひ,2万円台の「パワーシリコンマイルド2」を凌駕する
結果を見せて欲しいと思います。

さて,水性フッ素樹脂塗料「水系パワーフロン」採用の
仕上がりはこれです。
  ↓
「水系パワーフロン」仕上がり状況


私の個人的な感想としては,ツヤは大人しめで,
率直に言って,特段仕上がりが良いということはないです。

しかし,前記の通り,仕上がりはものすごく良いのに,
3年くらいでびっくりするくらい変わり果ててしまう塗料も
経験済ですから,もっとも重要なのは経年後の状態です。

今後,曽根塗装店が廃業したり,
建物の所有者が変わったりしない限り,
3年,5年,7年,9年という感じで
梯子持参で経過検証にお伺いする予定でおり,
施主様にもご了承をいただいています。

メーカーさんにはその都度,フィードバックしますが,
とりあえず,今回の工事で作成した施主様向け工事記録のうち
屋根塗装部分のみを抜粋編集したCDを2枚作成。
(左手前は施主様にお送りする全編DVDです)
  ↓
塗装工事記録のCD2枚とDVD1枚


内容は写真と動画
  ↓
塗装工事記録CDの収録写真一覧


のほかに,
正確な塗付量とインプレもまとめてあります。

1枚は大阪の技術部のキューティーTOMOKOさんに郵送。
もう1枚は後日,お願いして水谷ペイント北関東支店へ
(群馬県の今井塗装の今井さんをお誘いして)
会社見学にお伺いした際,支店長に直接お渡ししました。

「他でもテスト施工するんですか?」とお伺いしたら,
名古屋の方で1軒,都内で1軒やる予定があるらしいので
「1週間でアッサリ屋根壁終わらせるようなペンキ屋にも
塗らせてみて感想訊いたほうがいいですよ」と言いました。
実名まで上げて推薦したんですけどねー)

その後,「名古屋の方」の業者が,知り合いの【長工期派】,
三重県の滝川塗装の滝川さんであることが判明,
電話したら,滝川さんも同様に進言したそうです(笑)

最後に今回のカラーベスト屋根塗装,
施工前から施工後まで,順番に並べておきます。

カラーベスト屋根施工前(北面)


カラーベスト高圧洗浄後


カラーベスト下塗2回塗装後


カラーベスト中塗塗装後


カラーベスト塗替え完了後


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<店主> at 20:58コメント(2) 
店主
曽根匡史 1961年 A型

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