塗装作業

2012年01月28日

「ジョリパット」の塗り替え

「ジョリパット」というのは簡単に言うと,
「色付きの粘土に粗い砂を混ぜたようなボテボテした材料」です。
コテ・ヘラ・クシ・特殊なローラー・吹付け等々様々な道具により
外壁に塗って仕上げられます。

近年の新築住宅の外壁の多くはサイディングボードですが
モルタル外壁で,温もり感のある「ジョリパット」仕上げの住宅も
少なくないです。

ここをクリックしていただければ,
ああ,これね,とお分かりいただけると思います。

サイディング外壁のウィークポイントが継ぎ目のコーキング
(シーリング)部分の劣化だとすると,
「ジョリパット」仕上げのモルタル外壁のウィークポイントは,
汚れとクラック(ひび割れ)でしょう。

1年半ほど前のことですが,当店HPのアンケートから
まさに典型的と思える下記のようなご質問をいただきましたので
前振りとして ご紹介します。

> 自家はジョリパット仕上げで塗装されており、
> できるだけ今の質感を残した塗り替えを希望しているのですが、
> 業者によっては取引先のペイントを強く勧める方が多く、
> 「この人は本当にウチの家のことを考えているのか?」
> と疑問を抱くこともしばしばです。
>  ジョリパットの風合いをできるだけ残しつつ、
> かつできるだけ汚れにくい(ひび割れしにくい)塗装を、
> とのいささか強欲な要望に曽根さんでしたらどうお応えになるのか、
> 大変興味深く、また自分自身も勉強させていただけたら、
> と思っています。
>  非常にご多忙なところ誠に恐縮ですが
> アドバイスいただければと思います。

私は下記のような返信をしたためました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【風合い】
ジョリパットの質感を重視されたい場合は,
ジョリパットのメーカーであるアイカ工業が販売している
塗り替え用塗料「ジョリパットフレッシュ」がよろしいかと思います。
(特に高い塗料ではないです)

残念ながら当方では採用した例がありませんけれども,
資料を見た限りでは,
一般的な水性シリコン塗料よりも平米あたりの塗付量が多いため,
厚めの膜が付く感じの仕上がりになることが予想され,
微小な凹凸の具合は変わる可能性があるように思われますが,
水性の完全つや消し,かつ,弾性対応のお薦めと言える塗料は見あたらず,
「純正品」が無難ではないかという判断です。

【汚れ】
汚れは塗料の性質にもよりますが,『雨だれ汚染』の場合は特に,
建物の形状が原因している可能性が高いです。
もし,「汚れが付きやすい形状に作られている」としたら
低汚染の塗料を使用するよりも,(可能であれば水切の付加など)
形状を改善する方がはるかに効果があると思います。

また,現状,どのような仕上げにされているのかわかりませんが
もし,凹凸の激しい模様が付けられている場合には
(当たり前ですが)汚れが積もりやすいため,
塗り替えに用いる塗料で汚れにくくするなどということは不可能で,
頻繁な洗浄以外,対策がないと思います。

ちなみに,「ジョリパットフレッシュ」では,
オプションで「光触媒」のコーティングが可能なようです。
高額になりますが,場合により,試してみる価値はある
かもしれません。

【ひび割れ】
弾性の塗料を塗って(ある程度)クラックに追従させようという方法は
「厚く塗る」ことが前提になりますから,
既存の質感・模様にこだわる限り採用不可です。

それに,「塗膜によって,塗装後のひび割れを防ぐ」というのは,
基本的な考え方として間違っていると私は思います。
現状ひび割れているとしたら,それは既存の「塗装の所為」ではなく
「そういう建物」だからです。
なので,どんな塗料で塗り替えても,
ひび割れた「原因を解決する」ことにはなりません。

もし,巾が2ミリを超えるひび割れが多数生じているような場合は,
躯体の補強工事やモルタルを剥がして下地からやり直すなど,
単なる塗り替え工事の範疇を超える工事が必要です。

そこまでの施工は必要はないと思われるクラックであるとしても,
例えば,防水上の観点から,「Vカット」をしておきたいとすれば,
ジョリパットの場合,
部分補修が比較的簡単なリシンや吹付けタイルとは異なり
模様によっては,その痕跡をわからなくするのがたいへん困難なため,
既存の模様を一旦全部削り取って下地処理してから
またジョリパットで仕上げることになると思います。

と,以上のようなわけで,
必要であれば既存の外壁を壊したりして,
ひび割れが生じないように「建物を直してから」
改めて(念のため可とう性のあるタイプのジョリパットで)塗装し直す
というのが理想でしょう。

しかし,そのような『出来る限り最高』に近い工事は

> [C_6_価格イメージ]
> 100〜120万円

ではまったく不可能ですから,
逆に,「100〜120万円で何ができるか」と考えると,
ちょっと詰め物をする程度の簡単なクラック処理で済ませて
「ジョリパットフレッシュ」で塗り替えるのが妥当と思います。
数年でまたクラックが入るかもしれませんし,
また同様に汚れるでしょうが仕方がないです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

改めて読み返すと,我ながらミもフタもない感じがしますが,
『要望』を「条件」として考えてみると厳しすぎて
このようなネガティヴなコメントにならざるを得ませんでした。

その後何の返信もないため,これで納得していただけたのかどうかも
わかりません。

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そして,昨年春,「ジョリパットフレッシュ」を使用した
当店初の塗り替え工事を行いました。
(上記の質問の方とは関係ない別のお家です,念のため)

で,今回のテーマは「ジョリパットフレッシュ」のインプレです。
カタログではわからない,現場目線の。

当店が施工させていただいた建物(住宅)は施工当時築9年,
「ジョリパット」のパターン(模様)は「クォータームーン」です。
北側の外壁に髪の毛くらいのひび割れ「ヘアークラック」が生じて
建築会社に補修を依頼した結果,補修跡が目立っていました。
  ↓
築9年目の「ジョリパット」

どういう補修が行われたのか,よく観察したところ,
コーキングの類が使われたわけではなくて,
単にひび割れの上から「ジョリパット」を塗りこんだようでした。
微妙に色が合わなかったみたいです。
  ↓
「ジョリパット」クラック補修跡アップ

でも,
何でもかんでも透明のシリコンシーリングをなすってしまうような
ものすごくイタイ業界人も珍しくないので,
変なものを使われていなくて良かったです。

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使ったことのない材料の場合はどんなものか事前に知りたいものの
見積もりの段階ではまだほんとうに使うかどうかわかりません。
カタログやパンフレットの類はネットで閲覧できればよいのですが,
ネット上では欲しい情報が揃えられなかったため,実物の資料を
集めました。

「ジョリパット」豪華な色見本とカタログ

「ジョリパットフレッシュ」パンフレット2種 表紙

しかるに,それでも私が必要とした情報が見当たらないのでした。

「ジョリパット」および「ジョリパットフレッシュ」の製造販売元
「アイカ工業」は「塗料メーカー」ではなく「建材メーカー」なので
カタログの作り方が塗料メーカーとはかなり異なっています。

希釈率とか標準塗付量とか工程間間隔時間というような,
普通の塗料だったら「カタログに明記されているのが当たり前」
のことが記載されていなかったり,
よ〜く探さないと見つからなかったり。

これは“技術資料”ではなくて,“プレゼン資料”ですね。
  ↓
「ジョリパットフレッシュ」パンフレット

現場的には,こういう ↑ パンフレットでは役に立たないので,
その旨塗料店の営業さんに伝えたところ,
モノクロコピーの技術資料を持ってきてくれました。
元はメーカーからFAXで送られてきたもののようです。
  ↓
「ジョリパットフレッシュ」技術資料

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下地には微細ながらクラックがあるので
水のような性状の下塗塗料「シーラー」ではなく
高粘度でボテボテな「微弾性フィラー JM-600」を
使用することに決定。
標準塗付量≒『塗布面積』はカタログに記載がありました。
  ↓
「ジョリパット」カタログの表記

1缶16kg入りで『14〜22m2/缶』ということは
16kg÷22m2 〜 16kg÷14m2 ということですから,即ち,
0.727〜1.142kg/m2ということになります。

下地が平らに近いか多めに希釈する場合には下限に近いわけだよね,
と想像して,巾の真ん中あたりの,1kg弱/m2と予想して発注。

カタログどころか技術資料にすら記載のなかった希釈率は
缶のラベルに記載してありました。
『ウールローラー』『5〜8%』です。
  ↓
「アイカ微弾性フィラーJM-600」ラベル

ここで,あれ?と思ったのは,
『所要量(kg/m2)』として『0.3〜0.6』と記載してあって,
カタログの記載である『14〜22m2/缶』を基にして算出した0.727〜1.142kg/m2と,ぜんぜん違うじゃん。

もうなんだか,錯綜してます。

で,実際に塗り終わって計算した結果は,
下限の5%で希釈して,0.715kg/m2(水を含まず)
まるまる2缶余ってしまいました。

ちなみに,アイカ工業の「微弾性フィラー JM-600」は
希釈する前から“しゃぶい”
(粘度が低い)ので,
「これ,中身SKじゃねえか?」と思いました。

もし本当にそうだったら,2千円台前半がノーマルですから
税込4千円近い価格はあまりにもスゴ過ぎです。

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次に,上塗ですが,
ごくごく一般的な水性シリコン樹脂上塗塗料だったら
確かに『ローラーで簡単』に塗れます,すいすいと。

しかしですね,「ジョリパットフレッシュ JQ-800」」は
譬えて言うと,単層弾性に細かい珪砂をものすごく大量に混ぜ込んで
無理矢理増量させたような かなり特殊な塗料 です。


メーカー文書中の希釈割合が『0〜3%』なので
最初は試しに『0%』(希釈無し)で塗ってみましたが,
それはもう,おそろしくどろどろでございます。

しかも,乾燥すると,入隅などちょっと厚く付いたところが
細かくひび割れてしまうのでした。

『0〜3%』指定にするなら,『0%』(希釈無し)で塗っても
塗膜が割れないように作るべきじゃないのかなあ?
と思いつつ,翌日からは『2%』で塗りました。

てなわけで,「ジョリパットフレッシュ」は
最終的に希釈2%で,2回塗りで,0.885kg/m2(水を含まず)

ごく普通の水性上塗塗料の場合であれば,同じく2回塗りで,
0.3kg/m2 が標準,といえば,0.885がいかに多いか,
一般の方にもわかっていただけるかと思います。

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以下,まとめです。

◆塗布量(塗付量)と希釈率
既存が「クォータームーン」の塗り替え
(下塗・上塗とも,ウールローラー塗り)

下塗:「微弾性フィラー JM-600」
5%(下限)希釈 0.715kg/m2(水を含まず)

上塗:「ジョリパットフレッシュ JQ-800」
2%希釈 2回塗りで 0.885kg/m2(水を含まず)

「太めのヘアクラックが結構多い」という状況でなければ
下塗塗料は上限(8%)まで希釈してもいいと思います。
そのほうが,たぶん模様に与える影響が少ないので。

「細めのヘアクラックが若干ある」程度だったら,
どろどろな上塗塗料で十分埋まってしまうと思われるため
下塗塗料は「微弾性フィラー JM-600」ではなく
「シーラー JS-560C90」でいいと思います。

ただ,模様の凹凸が深めの場合にシーラーを使うと
だらだら流れやすかったり,上塗塗料が大量に必要になったりする
可能性が出てくるので,その点では「微弾性フィラー」のほうが
良いかもしれません。

上塗塗料は上限の3%でも良いと思います。
それでも普通の水性上塗塗料よりも断然厚いです。

◆塗り味
一般的な水性上塗塗料に比べると非常に重いです。
昔懐かしい単層弾性塗料同様,塗膜がゴムいため,
生乾きで塗り重ねると引っ張って尖りますから,
上下の塗り継ぎを出さないようにするには,
乾燥してくる前につなげるか,逆に,ほぼ乾燥してからつなげること。

要するに,一般的な水性上塗塗料のつもりで見積もりをすると
えらい目に遭います。


コテではなくローラーで塗装するものなのに
なぜこれほど大量に珪砂を混入しているのか?

理由・意味を開発者に訊いてみたいものです,機会があれば。

◆仕上がり感
下塗も上塗もボテボテの塗料であるため,
施工前後を厳密に比較すると凹凸の具合は結構変わっています。
が,完全艶消しのたいへん落ち着いた質感に仕上がるためか,
パッと見には,ぜんぜん気になりません。

塗り板に建物と同じく3回塗りしてみたものです。
凹凸を際立たせるために,水平に近い角度から照明を当ててます。
ちょっとシワシワになるのは上塗塗料の性質というよりも
「微弾性フィラー」の肌が原因のようです。
  ↓
「ジョリパット」塗り替えサンプル


実際の外壁面の仕上がりは
(ここだと大きめの写真でのロールオーバーができないので)
補足ページ→「ジョリパットの塗り替え例」を見てください。

◆対クラック性
単層弾性に珪砂を混ぜ込んだような,と前記したように
「ジョリパットフレッシュ JQ-800」の塗膜は
想像以上に柔らかいです。
たぶん「微弾性フィラー JM-600」よりも。

これは上塗の塗装作業の際に使用した容器から剥がした
「ジョリパットフレッシュ JQ-800」の塗膜です。
  ↓


この柔軟性がどのくらい続くのか,経年で硬化するはずですから
(単層弾性塗料並みに3年もすれば結構カチカチになってしまうのか)
次回使う機会があれば紙に塗ったものを窓際に干して観察したいと
思います。

◆荷姿
上塗塗料は四角い一斗缶ではなくて,ペール缶に入っています。
それも,ペール缶に直接入れてあるのではなくて,
厚手のビニール袋に詰められた状態で缶に入っています。
  ↓
「ジョリパットフレッシュ」荷姿


なので,ビニールから別の缶に移せば,空き缶はキレイなままです。
  ↓
「ジョリパットフレッシュ」の空き缶

しかし,8缶中1つだけ中古な感じの缶がありました。
  ↓
なぜか中古感のある空き缶

そこで,「この缶,メーカーで回収(リサイクル)してますか?」
と塗料店に聞いてみたのですが,意外にも「NO」でした。
回収する費用のほうが高くついてしまうのかもしれませんけど,
捨ててしまうのは とてももったいない感じです(捨てましたけど)

◆耐候性,価格
耐候性に関しては,パンフレットに
『いつまでも仕上がりの美しさを保ちます』と書いてあるだけで,
具体的に「いつまでなのか?」を定義する「耐候形1種」というような
公的な規格は通していないものと思いますが,
『アクリルシリコン配合なので耐久性にも優れます』
と世情を意識したと思われる記載もあり,
一応は「水性シリコン樹脂塗料」という分類になるのかもしれません。

1缶1万円を切る価格は「水性シリコン樹脂塗料」としては安いものの
『充填材・骨材』の含有率が『40〜60%』(←MSDSの成分情報)
ということは,砂抜いて「10kgの価格」と考えると安くはないですし,
(もっと塗りやすくするために過剰に水を入れたりしない限りは)
一般的な水性上塗塗料の2倍以上の量を使います。

◆総評
初めて使用した感想として,また使いたいか?と聞かれたら
正直言って,気が進みません。
施主様から指定されない限り,次回は別のネタにしたいですが,
これに代わるお勧めのものが見いだせないため,
無難な選択としてまた使うかもしれません。

経年でどうなるのか,3年ごとに見に行きたいと思っています。

「ジョリパットフレッシュ」による外壁塗装 施工後

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2010年11月17日

板張りの家

本体の曽根塗装店HPは開設11年目に入りました。

ちょうど11年目の昨日 足場を外して完工となったお家は
HPからご依頼をいただいて2002年に施工させていただき,
8年8ヶ月後の今回で2回目のご依頼でした。

以下,初回お伺いした時からの写真をごらんください。

2002年1月撮影,当時築30年です。
(こちらは東南にあたります)
  ↓
施工前:2002年1月

時代的に考えて,当店が関わる直前の業者が使用した塗料は
「合成樹脂調合ペイント(SOP)」であろうと思われます。

このお家は南側のお隣に大きめのお家が わりと接近して建っていて
最も日射が強い時間帯はあまり日があたらないので
外壁の塗装にとっては長もちしやすい立地です。

しかし,塗装の剥がれが目立つだけでなく,所々板そのものが腐って
「麩菓子」のような状態になっているところがあったため,
補修工事を行い,あちこち合計で2坪分程度の板を張り替えてから
「弱溶剤2液形ウレタン樹脂塗料」を使用して塗装しました。
2002年2月撮影,仕上がりの写真です。
  ↓
施工後:2002年2月


その後,どうなっているか,3年後に見に行きました。
ごくわずかにツヤが落ちた程度で,全く問題ない状態でした。
2005年2月撮影です。
  ↓
施工3年後:2005年2月


さらに3年後(当店施工後6年目)また見に行きました。
まだツヤは残っていますが,明らかに色が褪せてきていました。
2008年2月撮影です。
  ↓
施工6年後:2008年2月


そして,今年の6月にご連絡をいただき,
再び外壁塗装を行うこととなりました。

当店施工後,8年と8ヶ月を経た状態です。
意外にも,6年目の状態とあまり変わらず,
剥がれることもなく頑張っていました。
2010年10月撮影です。
  ↓
施工8年8ヶ月後:2010年10月


足場を掛けて,相方と二人で丸2日間,
サンドペーパーでがしがしこすりまくりながらチェックした結果,
大工工事2人工+板金工事1人工の修繕工事を行い,
またしばらくはOKと思えるレベルに処置してから塗装しました。
一昨日,2010年11月16日撮影です。
  ↓
施工後:2010年11月


もう少し上を向いて撮ったのがこの写真です。
  ↓
施工後


足場を外す前に,印のところから撮ったのがこの写真です。
  ↓
足場から撮影

外壁の色は,前回の工事のときとほぼ同じ色で,
私のオヤジが「栗色」と言っていた,昔ながらの板下見の定番色です。
木枠は黒に少量の赤錆色を加えただけの(黄色を入れない)焦げ茶。
トタン部分の色は,古い10円玉をイメージして私が調色,
その色で雨樋も塗装しました。

同じ位置から,動画も。
(1280×720,いちおうHDでございます。
ぜひフルスクリーンでごらんください。)




今回は,「弱溶剤2液形ウレタン樹脂塗料」ではなく
「弱溶剤2液形シリコン樹脂塗料」を採用しました。
私の予想では,前回よりも色褪せが2〜3年遅くなるはずです。

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さて,このお家が今回で2回目のご依頼であることは
すでに冒頭に記しましたが,
「HPからのご依頼で施工させていただいたお家」という点では
初の「リピート様」であり,たいへんうれしく思いました。

そして,次のお家も「リピート様」です。
塗替物語,近々開始いたします。

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<店主> at 23:04コメント(0) 

2010年02月02日

ベランダの笠木

今年は雪は降らないのではないか,と楽観していましたが,
降っちゃいましたね。

また更新しときます。

今回のお題は,「ベランダの笠木」です。
当店で施工させていただくことになるかもしれないお宅のための
ご説明なんですけど,実は。

以下,すごく長いです。

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花壇の下地補修鉄扉の塗装でもネタにさせていただいたお宅では
ベランダの外側に板が張ってありました。
ご覧の通り,経年劣化で板が反ってしまっていたので,
張り替えることに決定。
  ↓
ベランダ手すり壁外側板張り/施工前


板を剥がしてみたら,内側が腐ってました。
  ↓
ベランダ手すり壁内側の腐食状況1

  
ベランダ手すり壁内側の腐食状況2


外側からはぜんぜんわかりませんでした。

どこから水が入ったのか,よ〜く見ると,手すりの支柱の根元らしい。
根元の部材とトタンとの間には厚さ1ミリ位の
ゴムパッキンが入っているのですが,
ちょうど笠木のトタンの継目に支柱があるために段差で隙間が生じ,
ゴムパッキンが効かなかったようです。
  ↓
手すり支柱の根元


上のところのトタンの裏側の写真がこれです。
  ↓
笠木トタンの裏側


アルミの手すりは取外し,笠木のトタンは切断,腐った木材は交換。
  ↓
ベランダ笠木トタン切断後

  
ベランダ笠木の下地補修状況


トタンは3回塗りして,アルミの手すりに合わせた色で仕上げ,
アルミの手すりを復旧。
復旧の際には,ねじ穴から水が入らないように,
シーリング(コーキング)注入。
  ↓
笠木トタン塗装後

  ↓
ねじ穴にシーリング注入


ゴムパッキンを置いて,
  ↓
ゴムパッキン


元通りに手すりを復旧した後,念のため,さらに
根元の部品の外周にシーリング
  ↓
ベランダ支柱外周部シール

  ↓
ベランダ支柱外周部シール完了


これが施工中
  ↓
ベランダ笠木施工中


これが施工後
  ↓
ベランダ笠木施工後


話は本題からズレますが,
外側の板は張ってしまった後には
裏側はもちろん重ね目も塗れなくなりますから,
張る前に部材の状態で表裏両面2回塗りました。
  ↓
板は張る前に2回塗り



張ってからもう1回,表側に3回目を塗装して完了です。
  ↓
ベランダ手すり壁板張り完了


塗料は表面に膜を作らない浸透性の
防腐防虫木部保護着色塗料=WPステイン。
(「キシラデコール」「ノンロット」が有名です)

ウッドデッキや濡れ縁などによく使われる塗料ですが,
採用に当っては,接合部からの吸水が腐る原因になるため,
新設時には部材の状態で2回塗ってから組み立て,
組み上がってから最後にもう1回塗るというのが理想的です。

しかし,理想的に施工されることは,ほぼ絶無に近いでしょう。
実際,昔,新築工事の下請をしていた頃に,
そういう見積書を作って あっさり拒否られてますから (^^;)

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話を本題,「ベランダの笠木」に戻します。

以上の事例のように,
上から打ち込んであるビスが貫通している「笠木」は,
無神経な施工をすると水が入って内側の木材が腐る,
というのは,過去にも経験しています。

なので,「これはマズイのではないか?」と思う場合,
取り外してシーリングするということを
過去に何度もやっています。

この写真は一昨年の夏に施工したお宅で,
やはり,笠木はトタン,手すりはアルミです。
  ↓
ベランダ手すり支柱施工前


冒頭のお宅では,笠木の上には水が溜まらないように
ぱっと見ただけではわからないくらい微妙に,
内側に向けて傾斜が付けてありました。
(アルミ屋は無神経だったけど,大工さんは繊細だったわけです)

が,このお宅では,そのような繊細な配慮は無く平坦。
手すりの根元が微妙に凹んで水が溜まり,トタンが錆びてます。

取り外してみると,「チューインガム」のようなパッキンが
挟んでありました。
  ↓
手すりを外したところ


チューインガムを撤去してサンドペーパーですりすり。
  ↓
笠木トタン ケレン後


錆止塗料を塗付して,乾いてから,
ねじ穴にシーリングを入れ込んで復旧。
  ↓
手すりの復旧状況

  ↓
ベランダ手すり復旧後


アルミの手すりも古ぼけていたので,目荒らしして下塗,
そのあとに,笠木と手すりを2回上塗りして出来上がり。
  ↓
ベランダ笠木・手すり 塗装後


トタンの継目にも細工してあります ↑

それはまた別の,昨年秋に施工したお宅の写真で
以下,解説いたします。

継目には「シリコン」のシーリングが付けてあります。
これが,トタンの合わせ目の内側までしっかり入っていれば
そのままでも構わないのですが,外からでは確認不可。
よって,この上にシーリングを重ねて打ちます。
まずは,「ラーメン」状のサンドペーパーですりすり。
  ↓
ベランダ笠木継目,ケレン後


「シリコン」のシーリングは安くて丈夫ですが,
塗料をはじいてしまうため,「シリコン」の重ね打ちはしたくない。
なので,とりあえず「シープラ/関西ペイント」を塗ります。
  ↓
ベランダ笠木継目,シープラ塗付後


「シープラ」が乾いてから,マスキングテープを貼ります。
  ↓
ベランダ笠木継目,マスキングテープ貼り


その上に5ミリ角の「バックアップ材」を貼り付けます。
  ↓
ベランダ笠木継目,バックアップ材貼り



シーリングは薄いと もたないので,
厚みを確保するため,「バックアップ材」で土手を作るわけです。
  ↓
バックアップ材の土手


接着剤的液体「プライマー」の塗付,乾燥後,
土手を埋めるようにシーリング(変成シリコン)。
  ↓
ベランダ笠木継目,ブリッジシール1


数日置いて硬化したら,土手とテープを除去して,
出来上がった5ミリ厚のシーリングの真上と外側に
またマスキングテープを貼ります。
  ↓
ベランダ笠木継目,ブリッジシール2


斜めにシーリングして,テープを除去したところです。
  ↓
ベランダ笠木継目,ブリッジシール3 完了


この方法は,「ブリッジ」とか「ブリッジシール」といいます。

※「バックアップ材」は「発泡ポリエチレン」で,
   プライマーを塗ってからシーリングしても密着しません。

このあと,手すりは取り外して,
「ブリッジ」の上にまた「シープラ」を塗付,
トタンには錆止塗料を塗付,
上塗を2回塗付して手すりと同じ色に仕上げた後,
シーリングを入れ込みながら手すりを復旧して完了。
  ↓
ベランダ笠木ブリッジシール部分,塗装後


---------------------------------------------------

さて,以上は,
笠木はトタン,手すりはアルミ,というパターンでしたが,
笠木も手すりもアルミ,ということもあります。
でも,油断はできません。

また別のお宅ですが,継目に「シリコン」のシーリングが
なんとなく詰めてあるだけ,というズサンな場合もあります。
  ↓
アルミの笠木の継目の隙間


内側の壁の断面(上面)に何も防水的処置がされていないとしたら,
当然水が入りますから,ブリッジシールが望ましいです。

そして,実際に弊害が生じていた例です。(また別のお宅です)
写真の赤丸のところ,錆汁が出てます。
  ↓
不審な錆汁


アルミの笠木には樹脂製のカバーが付いています。
  ↓
アルミ笠木の継目カバー


とりあえず,カバーを外してみると,
もし水が入っても,外側に流れ出るように,
ちゃんと内側に金具が仕込んであることがわかりました。
  ↓
アルミ笠木の継目カバーを外したところ


とすると,錆汁の原因は,手すりの支柱の根元しかないので,
(できればやりたくなかったんですが)手すりをバラします。
まず,丸棒を外す。
  ↓
ベランダ手すりの分解1


次に丸棒の取付金具と支柱のカバーを外す。
  ↓
ベランダ手すりの分解2


丸印のところにあるのは,錆びたネジの頭。
もはやドライバーで回せる状態ではないです。
  ↓
ネジが鉄じゃん!


ステンレスのネジじゃないことに苛立ちを禁じ得ませんが,
仕方がないので頭をヤスリで削り落とします。
  ↓
ネジ頭を削り取ったところ


支柱は白いアルミの筒が差し込んであり,
それを抜くと,ようやく,支柱のカバーの「受け」が取れました。
  ↓
ベランダ手すりの分解3


やはりここが原因です。
  ↓
ベランダ手すりの分解後と錆汁


「受け」と笠木の間には ちゃちなパッキンが入っていましたが
劣化してこの通り。(築13年です)
  ↓
築14年目のパッキン


支柱の芯と笠木の間に,
  ↓
ベランダ手すり支柱の芯と笠木

シーリングをたっぷり入れ込みます。
  ↓
ベランダ手すり支柱の芯と笠木の隙間にシーリング


支柱を復旧後,さらにカバーの上下にシーリング。
  ↓
ベランダ手すり支柱復旧後にさらにシーリング
  ↓

ベランダ手すり支柱のシーリング完了



このお宅はベランダが2つあって,2つとも同じことをしたので,
手すりをいじってただけで丸1日かかりました (TT)
  ↓
ベランダ手すり支柱のシーリング状況


いっそのこと,撤去して廃棄,新品に交換した方が早いし
確実なので,実際そうしたこともありますが,
かかる費用を考えるとなかなかそうもいかんので,
実用上支障がなければ,妥協します。

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以上のようなことは,はっきり言って,えらいめんどくさい(爆)

こんな,足場取っちゃったらぜんぜんわかんないようなことを
チマチマとやっている間に,外壁が何十平米も塗れるわけで。

しかし,内側が腐ってるのを見たことがある私としては
すごくめんどくさいけど,やっておきたいと思うわけです。
怪しそうな場合は。
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2010年01月26日

「DIY鉄骨塗装」終了

ちょうどよいところにMさんから
鉄骨塗装工事終了のメールが届きましたので
その一部をご紹介します。

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2010.1.25(月)21:52
subject: 長かったっす(あざす)

こんばんわ
今年も宜しくされたく無いでしょうが・・・
今年も宜しくお願いします^^b

さて、連絡メールが遅くなりましたが、
ようやく塗装の方は終わりになりました。

考えるとキリが無いし、
100点満点も無いと痛感して反省しております。
やれる範囲の最善は行けたかな??

134HSのメールで塗るか?どうか?迷いましたが
折角購入して使わないのも
(ここで塗らねば塗る所が無いし、さらに探す気力は無いので)

物置の中の胴縁は、カーボマスチック2度塗りで完了にしました。

物置用に1缶(青色)を追加して、
手摺りは2度塗り部分と1度塗りに分かれてしまい
どこまで、1回なのか?裏返したか?
同色なので境が解らない部分が出来てしまいました。

しかし、曽根さんの忠告どうりに、
中空材料無しでフラットバーと鉄筋(これは失敗したが・・)
納得いく塗装は出来たと思います。


2度塗りは、終了してますが要所・要所がイマイチ(継ぎ目・ボルト)
最初の塗装部分だし塗膜も自信ないので外周は3度塗りにしました。

なるべく、厚めに
内側は、2度塗り
  ↓
内側「カーボマスチック15」2回目終了


外周は3度塗り(カーボマスチック)
  ↓
外側「カーボマスチック15」3回目終了


あと、1.5kgほど残ったのでこの際・・・と、思いましたが
流石に心折れまして^^;

トップコートに入りました。
正直、錆止めでの塗装が下手でしたので仕上がり感はイマイチですーー;
  ↓
外側「カーボライン134HS」終了


でも、これは先日曽根さんからのメールのように、見た目より質にこだわり
ベターより、錆止め性能のベストからの仕様なので納得です。

近くでみると、モコモコしてますけど・・・昼間だと・・これ
  ↓
内側「カーボライン134HS」終了


キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
アルミ色ですが・・銀?シルバー?まあ、アルミなので1円色ですかねw

でも、メッチャ綺麗です。(近くで見なければ^^;)
虫の死骸も結構めり込んでしまった(あははw)

手摺りは取り外し可能で、
手摺り自体もボルトなので二人掛りなら取り外し可能です。
  ↓
鉄骨塗装終了


脚部は取り合えず変成シリコンいれて、暫くは様子見予定
  ↓
鉄柱根元変性シリコンシーリング打設


完成にはまだ時間が掛かりますが、
ひとまずこの仕様で様子を見て考えようかと

コンクリが乾いてウレタン防水かけるのも3月4月頃でしょうから、
曽根さんがまた我が家に来た時に、実際に現物を見てもらい、
アドバイスお願いします。

降って湧いたような余分な作業に
貴重なお時間を貰いまして有難うございました。
多少、塗装のことに関しては自信をもって挑みましたが、

正直これほど、大変なことになろうとは・・・
曽根さんがいわれた
「だから、鉄は怖いんですよw」
痛感しております。


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というわけで,まとめると,
外側は,下記の4回塗り。

  下塗1回目:「カーボマスチック15」アルミニウム

  下塗2回目:「カーボマスチック15」レッド

  下塗3回目:「カーボマスチック15」ブルー

  上塗:「カーボライン134HS」シルバー

内側と手すりは,3回塗り。

物置の中は,2回塗り(上塗無し)。

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それから,重要なことなので補足しておくと,
手すりは「中空材」を使わないこと。

「中空材」とは,角パイプや丸パイプのことで,
その場合,鉄自体は薄いので,錆びて穴が開きやすいのと,
溶接前の段階や溶接後の隙間から内側に水が入り,
閉じ込められて日が当り温度が上がると,
蒸気機関車の原理でパイプに内圧がかかり,
その結果,角パイプが膨張して丸くなることがあるのです。
そうなると,素地の変形に追従できなくなった塗膜は割れて
剥がれてしまいます。

角パイプの手すりの縦棒が膨張して膨らみ,
そこだけ塗装が剥がれてしまっている実例です。
  ↓
鉄の手すり

  
手すり縦棒の膨張


この場合,下の方に穴を開けると水が出てきます。
無垢材ならば,こうなることはありません。

また,経験上,断面がよりものほうが,塗装が長持ちします。
だと水平の部分に水が溜まるためだと思います。
下面ものほうが水切れが良いです。

それと,の場合,カドがきつい(尖っている)と塗膜が薄くなり,
そこから錆びやすくなるので,カドは丸みを帯びていた方が良いです。
同じ理由で,表面がぼこぼこした鉄筋を丸棒の代わりに使うのはNG。

ついでに,もう1点。
後で取り外す可能性がある場合,
ボルト,ナット,ワッシャーの類はステンレス製にして,
そこは塗装しないこと。
  ↓
鉄骨階段ブレス

  
ステンレスのボルトナット


鉄製のボルトを使用,ねじ山も塗装してしまうと
外すときに簡単には回らなくなり,タイヘンです。
あまりにもタイヘンなので,上の写真の現場は外すときに切断して,
ステンレスのボルト,ナット,ワッシャーで復旧しました。

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Mさんからのメールの最後の方に書かれていますが,
実はこれで終わりではなく,春になってから
生コンを流した床面に,ウレタン防水する計画があります。

しかるに,左官工事(土間打ち)の収まりにモンダイがあって,厄介。
そのへんはいずれ「DIYウレタン防水」に続くかもしれません(?)

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2010年01月24日

鉄の塗装

たしか昨年8月頃だったと思います,
「DIY外壁塗装」のMさんから,久しぶりにお電話がありました。

Mさんのお家はガケの上に建っていて,
ガケ下に駐車場があるのですが,
その駐車場のところに,鉄骨で物置とデッキを作ることになった,
ついては,曽根塗装店なら鉄骨に何を塗るか,というお尋ねです。

なんでも,ご近所で同様のものを増設した先駆者がいて,

  錆びちゃって毎年塗らなきゃなんないから
  鉄骨で作るのはやめたほうがいいよ

と,思いとどまるように言われたそうです。
しかし,Mさんは,

  いや,ちゃんと塗装すればそんなことはない!
  ということを証明できるような仕様が良い
  オレ,もう曽根塗装店だし(爆)

と熱く語るのです (^-^)

で,私はなんと答えたかというと,

  塗装ではなく溶融亜鉛メッキ(いわゆるドブ浸け)にすること

を強くおすすめしました。

先々のメンテナンスの手間まで考えたら,残念ながら塗装は,
50年くらいはそのままでOKな溶融亜鉛メッキには勝てません。
昔々は鉄塔に使われるくらいだったと思いますが,
15年くらい前から(?)は,マンションの非常階段や
立体駐車場など,民間の建物でも見かけるようになりました。

じゃあそういう見積もりしてもらいます,ということで
とりあえず落着しました。

しかし,しばらく経って,またお電話が。

  プラス100万って言われて,予算的にムリ。

とのこと。
そして,

  塗装なら高い材料でも100万もらないでしょ?

と,おっしゃるのでした。
確かに,自分で塗るなら,手間はタダです。

  う〜ん,でも,ホントにイイんですか?タイヘンですよ。

てな感じで話を始めて,第二のDIY塗装が始まりました。

以下,オレならこう塗る的な住宅の新設鉄骨塗装の解説と
Mさんから送られた写真です。

いまだに「■■の一つ覚え」のように新築の図面に書かれている
「シアナミド,SOPなんていう,くだらない仕様とは
全く違います。

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【1】無塗装で引き渡してもらう

なんでかというと,鉄骨屋さんは錆止塗料を指定しない限り,
ものすごぉ〜〜〜〜く安〜〜〜〜い錆止塗料を使うからです。
もし,塗料を指定するとしても,ペンキ屋じゃないので,
適正な希釈率で望ましい膜厚にしっかり塗装してもらえる確率は
たぶんヒジョーに低い。
鉄骨屋さんがペンキ屋を工場に呼んで,
塗装職人に塗装してもらうパターンもあるらしいですけど
いいかげんな塗装職人が来たら かんたんにアウトです。
だったら,最初から自分でやったほうが絶対確実。

で,無塗装で搬入され組み上がった様子です。
  ↓
無塗装で組み上がった鉄骨


【2】脱脂を行う

石油缶(16L)でラッカーシンナー買って,
それでびしょびしょにした布で拭く。(すごく臭いし,火気厳禁)
なんでかというと,鉄骨の表面には錆の発生を防ぐため,
たいてい油が付けてある(塗ってある)からです。
最初にこれをキッチリ落としておかないと,
どんなに高級な錆止塗料を塗っても密着できません。
しかし,民間の工事の場合,おそらく,
これは結構おろそかにされている気がします,経験上。
(だから塗料の密着が悪く,剥がれやすい)

【3】目荒しを行う

理想としては,サンドブラスト黒皮酸化皮膜)の除去
と同時に目荒らししたいわけですが,現場では無理です。
よって,80番のサンドペーパーでがしがしこすってキズを付ける。
「キズを付ける」=「表面積が増える」ので,
上に塗る塗料の密着が劇的に向上します。
これは,民間の工事では行われていないと思います,経験上。
(だからさらに,劇的に剥がれやすい)

この写真は目荒しの前と後。
  ↓
錆びた鉄板

  
目荒し後の状態


【4】錆止塗料を塗る

「カーボマスチック15/ジャパンカーボライン社」を使用。

この錆止塗料は約10年前,新潟県の米田塗装さんに教えてもらい,
曽根塗装店の現場では過去に2回だけ使いました。

・最下等の錆止塗料だとキロあたりたぶん200円くらい

・手軽で乾燥が早く,“エポ”というイメージが良いので
昨今ペンキ屋の標準になりつつある
弱溶剤1液形エポキシ錆止塗料だと500円くらい
(「1液ハイポンファインデクロ」「エスパーワン」
「ザウルスEX」など)

・曽根塗装店の標準品の2液形で1000円前後
(「エポオールマイルド」「エポックマイルド#2000」)

で,「カーボマスチック15」は2000円を超えます。
(アメリカ製ということもあるかもしれませんが)

しかも,まるで防水材のように ねばねばどろどろ,
だから,仕上がりがゴテゴテ,
その上,2液を混合してから使えなくなるまでが2時間,
さらに,塗り重ねが出来るまで24時間,
おまけに,開缶したら3ヶ月以内におシャカ。

意地でも長持ちさせたいからこの際 赤字になってもいい,
くらいの玉砕精神が無いと使えません,私的には。

でも,厚い。

塗るというよりは,刷毛で持って行って置いていきながら均す,
そんな感じのネタですから。

注意点として,以上【2】〜【4】は当日以内にやること。
塗る前に雨が降ったり夜露に当ったりすると,
(厳密に言えば空気中の水分でも)錆が生じてしまいますから,
脱脂や目荒らしをしたら当日以内に塗膜で覆っておくのが原則です。

全体を【4】まで1日でやるのが不可なら,
1日で出来る分ずつ,分割してすすめる。

それから,ローラー塗りじゃなく,ハケ塗りすること。
但し,ローラーでたっぷり配ってハケで均すならOK。
早く終わらせたくて無闇にローラー使いたがるやつがいますが
ローラー塗りだと塗膜が凹凸になり,凹部が薄いからダメ。
(鉄橋の塗装ではローラーNG,ハケ塗り限定の場合があるそうです)

「カーボマスチック15」1回目「アルミニウム」の塗装中。
  ↓
「カーボマスチック15」1回目塗装状況


【5】もう1回,錆止塗料を塗る

もちろん,またネバネバな「カーボマスチック15」です。
粘度が高いだけに,かすれやすいし,
1回塗りだと,エッジがどうしても薄いので2度塗りします。

「カーボマスチック15」には何色か色の種類があるので,
1回目と2回目を色違いにした方がわかりやすいでしょう。

「カーボマスチック15」の2回目「レッド」
(というよりはメタリックピンク)の塗装後。
  ↓
「カーボマスチック15」2回目塗装後


【6】上塗塗料を塗る

通常,エポキシ樹脂塗料は紫外線に弱いです。
曽根塗装店では下地が透けるとわかるように
わざと なるべく白に近い錆止塗料を使うので,
国産の錆止塗料は上塗りせずに放置すると徐々に黄変してきて,
紫外線にやられてるんだなー,と実感できます。

しかるに,「カーボマスチック15」はエポキシ樹脂塗料のくせに
上塗兼用という変わり者で,そのままでもOKなんです。
なので,上塗は省いても構わないとは思いますが,
同社の強溶剤2液形ウレタン樹脂塗料「カーボライン134HS」を
1回だけ上塗。(ウレタンだけど弱2シリコンよりはるかに高価)

米田さんに相談したら,上塗がシルバーなら,
1回でも透けないで仕上がるだろうというので,上塗1回で決定。

上塗はまだMさんから写真が送られてきていませんが,
そろそろ終わってる頃ではないかと思います。

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さて,今の住宅ではトタン以外,
外部に鉄が使われていることはほとんどありませんが,
希にベランダや階段などで露出鉄部の塗装がある場合,
需要と供給のバランスで育まれた【世間並み仕様】では前記の通り
脱脂はテキトー,目荒し 無し,
ただなんとなく色が付く程度の安物の錆止塗料を1回。
その上に,SOPとか弱溶剤1液ウレタン樹脂塗料みたいな
これまた安物の上塗塗料(SDスーパーホルスとかHi-CRとか
1液ファインウレタンとか1液マイルドウレタンとかエコレタンとか)
を1回だけ塗って,おしまい。
まあだいたいそんなところが定番です。
雨ざらしだったら,錆が出るまで,もっても3年でしょう。

で,【1】〜【6】の仕様だと,
たぶん【世間並み仕様】の7倍以上の厚みが付きます。
塗る前に脱脂・目荒らしが しっかりしてあれば,
自然に剥がれるということはまず有り得ないし,
ぶつけて剥げない限りは10年経っても錆は出ないと思います。

---------------------------------------------------

ちなみに,
【世間並み仕様】の鉄骨をもつように塗替えろといわれたら,
害にしかならない,しょーもない既存塗膜を一旦全部剥がすしかない
というのが私の経験的結論です。
リセットしたあとに,私の塗膜だけで包みたい。
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店主
曽根匡史 1961年 A型

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