糸島市
2014年01月11日
ナカヤマ彩工(福岡県)
昨年春,施工中の現場でちょっと休憩していると,
「ペンキ屋さん,今塗ってるのは何ですか?」
と,年配の男性が話しかけてきました。
その人はお住まいのマンションで行われる予定の大規模改修のため
塗装工事の勉強中だそうで,20分くらい立ち話しをしました。
すでにあれこれの情報をあちこちから集めて蓄積されているらしく,
「塗料メーカーごとの特徴」や「業者の選び方」などについて,
具体的な塗料の名称や施工業者名も登場する質問の連発でした。
そして,最後に,「名刺もらえますか」というので,
「私は大規模改修なんかやりませんし出来ないですよ」というと,
「一軒家の塗り替えをする人がいたら紹介するから」とのこと。
私は名刺の裏に「ナカヤマ彩工」と書いて手渡し,
「RCの改修のことならここのHPが大変参考になると思いますよ」
と言いました。
すると,その人は「曽根塗装店」は知りませんでしたが,
「ナカヤマ彩工」はすでに知っていて,
「あなた良く勉強してますね」とホメられました (^o^)
↑ これはまだ「ナカヤマ彩工」代表の中山厚さんと私が
直接やり取りをするようになる前の話です。
私はナカヤマ彩工のブログは数年前に発見しており,
そこで公開されている膨大な工事記録には全部目を通し,
ブログはブックマークに入れて定期巡回していました。
HPでは塗料や工法の説明や実験などの記事も充実しており
「真面目な人だなぁ」と密かに感心していたわけです。
---------------------------------------------------
RC(鉄筋コンクリート)の建物は,構造体がそのまま外壁でもあるため,
外装メンテナンスの際には,塗装業者だけでは済まないことが多いです。
鉄筋コンクリートの建物は,鉄筋を覆うように
板や鉄板で型(型枠)を作ってコンクリートを流し込んで,
それが固まってから型を外して形作られています。
単に型枠を外しただけの状態で塗装されている場合もありますが,
たいていは型枠を外した後に,全面にモルタルをコテ塗りして
そのあとに塗装なりタイル張りなりの仕上げが行われていることが
ほとんどだと思います。
RC建築の劣化の仕方として厄介なのは,
築後の経年劣化や新築時の施工不良のため,壁の内部で
表層のモルタルが躯体のコンクリートから剥がれて
浮き上がってしまうことがままあることなのです。
(「打診」といって,叩くと音が違うのでわかります。)
また,クラックが鉄筋まで達していると内側の鉄筋が錆びて膨張し,
コンクリートを内側から割ってしまうため,部分的に欠損が生じている
などということもあります。
そしてまた,外壁にタイル張りの部分があったら,
外壁がタイルごとひび割れていることがよくあり,
そうなると,割れているタイルは部分的にハツリ取って
下のクラックを処置してから,再び同じようなタイルを張り戻す
というような作業が生じます。
それから,RCの建物は屋根が「陸屋根」であることがほとんどで
改修ともなれば屋上防水のやり直しが付き物になります。
ウレタン防水など塗付するタイプの防水工事ならば
塗装業者が行う場合もありますが,
基本的に防水工事を行う職人と塗装工事を行う職人とではスキルが異なり,
例えば蕎麦屋とラーメン屋,とか,魚屋と八百屋くらい違いますので
やはり,防水工事専門の業者のノウハウが必要になってきます。
そんなわけで,RCの場合は単純な塗り替え工事ではなくて,
端的に言うと塗装工事はただ最後の化粧・仕上げにしかすぎず,
金額の割合からいっても,左官工事,防水工事,タイル工事など,
むしろ塗装工事以外の工事がメインになるのが普通ですから,
まさに「改修工事」というのが相応しいのであります。
そのため,RCの改修工事を請けられる塗装業者というのは
それなりの知識としっかりしたチームを持っていることが必須となり,
住宅の塗り替えが主体の業者では力不足であることがほとんどです。
---------------------------------------------------
さて,話がだいぶズレてしまいましたけれども,
塗装業者にも種類があって,大別すると「町場(マチバ)」の業者と
「野丁場(ノチョウバ)」の業者に分かれます。
簡単に言うと,「町場」は住宅や低層の共同住宅など小規模工事現場,
「野丁場」はビルやマンションなどの大型建造物の工事現場です。
曽根塗装店は先代の創業時からずっと「町場」の業者なので,
私はRCの建物の工事経験はほとんどありませんが,
中山さんとお話ししたところ,ナカヤマ彩工は
創業当初「野丁場」主体でスタートしておられるそうで
だからRCの工事に手慣れているのか,と謎が解けました。
そして,繰り返しになりますが,
私的なナカヤマ彩工HP・ブログの魅力はやはり,
現在は「町場」の工事が主体になっているそうで,
木造のサイディング・モルタルの外壁の塗り替え工事や
鉄骨造のALC外壁の工事の記録も読み応えのある工事記録がありますが,
特に,RCの工事に関しては,ナカヤマ彩工を超えるHPは無い,
と思います。
それからもう一つ,特筆すべきは,その工事記録中で
実働日数と人工(にんく=延べ作業人員)が明記されていることです。
一般の方は,
高い塗料を選べば高耐久または高機能で工事価格も高くなる
と単純に考えておられることが多いのですが,
同業者の視点からすると,よほど高価な塗料を使用しない限りは,
塗装工事の原価をもっとも大きく左右するのは人件費
即ち,「人工」なのです。
ネットが発達した昨今では,塗料の名前で検索すれば
たいていの塗料の実売価格はだいたいバレてしまいますから
さらにHP上で「工期」ではなく「実働日数」を,しかも「人工」まで
公開するというのは,要するに工事原価を曝してしまうようなものなので
がっつり儲けたい業者様にはたぶんできないことと思われ,
信頼に値する業者,という印象が強いです,私的には。
そのへんの実際というか現実は,電話で話すようになってから
結構突っ込んだ話をしましたが,中山さんは
文章から想像していた通りの感じの,とても生真面目な人でした。
以上のような次第で,【ナカヤマ彩工】ならRCでもOK!
私が福岡在住の一般人なら塗装工事は迷わずここに依頼します。
(※曽根塗装店HPからもリンクさせていただきました)
---------------------------------------------------
最後に,久々なので ちょっと,曽根塗装店近況のご報告です。
相変わらず私1名なのですが,11月からは北国の職人社長が
同じ屋根の下に泊まり込みで応援に来てくれています。
3月末頃までこちらに滞在予定で,それまでは現場2名です。
本年は今のところ4軒の工事予定が入っており,
うち3軒がリピート様で,昨年もリピート様が2軒ありました。
HP開設初期に当方が施工させていただいたお宅が10年を超えて
一回りしてきている感じで,誠にありがたいことではございますが,
新規が弱いです。
亭主関白だけど愛妻家の理系男性は絶滅危惧種なのか???
近年の傾向としてはめちゃめちゃ調べ倒してから決める女性が
じわじわ増えてきている印象があります。
まあ,捨てる神あれば拾う神ありと思って今年もなんとか頑張ります。
「ペンキ屋さん,今塗ってるのは何ですか?」
と,年配の男性が話しかけてきました。
その人はお住まいのマンションで行われる予定の大規模改修のため
塗装工事の勉強中だそうで,20分くらい立ち話しをしました。
すでにあれこれの情報をあちこちから集めて蓄積されているらしく,
「塗料メーカーごとの特徴」や「業者の選び方」などについて,
具体的な塗料の名称や施工業者名も登場する質問の連発でした。
そして,最後に,「名刺もらえますか」というので,
「私は大規模改修なんかやりませんし出来ないですよ」というと,
「一軒家の塗り替えをする人がいたら紹介するから」とのこと。
私は名刺の裏に「ナカヤマ彩工」と書いて手渡し,
「RCの改修のことならここのHPが大変参考になると思いますよ」
と言いました。
すると,その人は「曽根塗装店」は知りませんでしたが,
「ナカヤマ彩工」はすでに知っていて,
「あなた良く勉強してますね」とホメられました (^o^)
↑ これはまだ「ナカヤマ彩工」代表の中山厚さんと私が
直接やり取りをするようになる前の話です。
私はナカヤマ彩工のブログは数年前に発見しており,
そこで公開されている膨大な工事記録には全部目を通し,
ブログはブックマークに入れて定期巡回していました。
HPでは塗料や工法の説明や実験などの記事も充実しており
「真面目な人だなぁ」と密かに感心していたわけです。
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RC(鉄筋コンクリート)の建物は,構造体がそのまま外壁でもあるため,
外装メンテナンスの際には,塗装業者だけでは済まないことが多いです。
鉄筋コンクリートの建物は,鉄筋を覆うように
板や鉄板で型(型枠)を作ってコンクリートを流し込んで,
それが固まってから型を外して形作られています。
単に型枠を外しただけの状態で塗装されている場合もありますが,
たいていは型枠を外した後に,全面にモルタルをコテ塗りして
そのあとに塗装なりタイル張りなりの仕上げが行われていることが
ほとんどだと思います。
RC建築の劣化の仕方として厄介なのは,
築後の経年劣化や新築時の施工不良のため,壁の内部で
表層のモルタルが躯体のコンクリートから剥がれて
浮き上がってしまうことがままあることなのです。
(「打診」といって,叩くと音が違うのでわかります。)
また,クラックが鉄筋まで達していると内側の鉄筋が錆びて膨張し,
コンクリートを内側から割ってしまうため,部分的に欠損が生じている
などということもあります。
そしてまた,外壁にタイル張りの部分があったら,
外壁がタイルごとひび割れていることがよくあり,
そうなると,割れているタイルは部分的にハツリ取って
下のクラックを処置してから,再び同じようなタイルを張り戻す
というような作業が生じます。
それから,RCの建物は屋根が「陸屋根」であることがほとんどで
改修ともなれば屋上防水のやり直しが付き物になります。
ウレタン防水など塗付するタイプの防水工事ならば
塗装業者が行う場合もありますが,
基本的に防水工事を行う職人と塗装工事を行う職人とではスキルが異なり,
例えば蕎麦屋とラーメン屋,とか,魚屋と八百屋くらい違いますので
やはり,防水工事専門の業者のノウハウが必要になってきます。
そんなわけで,RCの場合は単純な塗り替え工事ではなくて,
端的に言うと塗装工事はただ最後の化粧・仕上げにしかすぎず,
金額の割合からいっても,左官工事,防水工事,タイル工事など,
むしろ塗装工事以外の工事がメインになるのが普通ですから,
まさに「改修工事」というのが相応しいのであります。
そのため,RCの改修工事を請けられる塗装業者というのは
それなりの知識としっかりしたチームを持っていることが必須となり,
住宅の塗り替えが主体の業者では力不足であることがほとんどです。
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さて,話がだいぶズレてしまいましたけれども,
塗装業者にも種類があって,大別すると「町場(マチバ)」の業者と
「野丁場(ノチョウバ)」の業者に分かれます。
簡単に言うと,「町場」は住宅や低層の共同住宅など小規模工事現場,
「野丁場」はビルやマンションなどの大型建造物の工事現場です。
曽根塗装店は先代の創業時からずっと「町場」の業者なので,
私はRCの建物の工事経験はほとんどありませんが,
中山さんとお話ししたところ,ナカヤマ彩工は
創業当初「野丁場」主体でスタートしておられるそうで
だからRCの工事に手慣れているのか,と謎が解けました。
そして,繰り返しになりますが,
私的なナカヤマ彩工HP・ブログの魅力はやはり,
「その人が実際に現場で何をしているのか」
がきちんと伝わってくる,詳細な工事記録です。現在は「町場」の工事が主体になっているそうで,
木造のサイディング・モルタルの外壁の塗り替え工事や
鉄骨造のALC外壁の工事の記録も読み応えのある工事記録がありますが,
特に,RCの工事に関しては,ナカヤマ彩工を超えるHPは無い,
と思います。
それからもう一つ,特筆すべきは,その工事記録中で
実働日数と人工(にんく=延べ作業人員)が明記されていることです。
一般の方は,
高い塗料を選べば高耐久または高機能で工事価格も高くなる
と単純に考えておられることが多いのですが,
同業者の視点からすると,よほど高価な塗料を使用しない限りは,
塗装工事の原価をもっとも大きく左右するのは人件費
即ち,「人工」なのです。
ネットが発達した昨今では,塗料の名前で検索すれば
たいていの塗料の実売価格はだいたいバレてしまいますから
さらにHP上で「工期」ではなく「実働日数」を,しかも「人工」まで
公開するというのは,要するに工事原価を曝してしまうようなものなので
がっつり儲けたい業者様にはたぶんできないことと思われ,
信頼に値する業者,という印象が強いです,私的には。
そのへんの実際というか現実は,電話で話すようになってから
結構突っ込んだ話をしましたが,中山さんは
文章から想像していた通りの感じの,とても生真面目な人でした。
以上のような次第で,【ナカヤマ彩工】ならRCでもOK!
私が福岡在住の一般人なら塗装工事は迷わずここに依頼します。
(※曽根塗装店HPからもリンクさせていただきました)
---------------------------------------------------
最後に,久々なので ちょっと,曽根塗装店近況のご報告です。
相変わらず私1名なのですが,11月からは北国の職人社長が
同じ屋根の下に泊まり込みで応援に来てくれています。
3月末頃までこちらに滞在予定で,それまでは現場2名です。
本年は今のところ4軒の工事予定が入っており,
うち3軒がリピート様で,昨年もリピート様が2軒ありました。
HP開設初期に当方が施工させていただいたお宅が10年を超えて
一回りしてきている感じで,誠にありがたいことではございますが,
新規が弱いです。
亭主関白だけど愛妻家の理系男性は絶滅危惧種なのか???
近年の傾向としてはめちゃめちゃ調べ倒してから決める女性が
じわじわ増えてきている印象があります。
まあ,捨てる神あれば拾う神ありと思って今年もなんとか頑張ります。