1級塗装技能士

2009年11月15日

塗装業と資格

曽根塗装店は,ある「企業組合」に加入していました。
過去形なのは,その組合が解散してしまったからです。

主に税務関係でお世話になっていたので
解散により売り上げが低下するような影響は皆無ですが
解散と同時に「建設業許可」が無くなってしまいました。
(その組合が許可を取っていたので)

調べてみると,これが意外に,費用も手間もかかる。
ネットで調べたところでは,こんな数字が。

・新規・個人・知事 120,000〜
・印紙代 新規・知事 90,000
・決算報告・知事 55,000〜
・更新・個人・知事 80,000〜
・印紙代 更新・知事 50,000

個人営業として,新規に取得する場合,
12万+9万=21万円。
以後,毎年,決算報告で 5万5千円。
5年ごとの更新時には 8万+5万=13万円。

で,「建設業許可」が必要なのかどうか,なんですが,
500万円以上の工事を請け負う場合には必要だそうです。

また,公共工事に入札したり大手企業と取引する場合には
「建設業許可」は必須のようです。

でも,現在の曽根塗装店の場合,
ご依頼のほぼ100%が個人からの住宅の塗り替えで
1軒の工事金額が500万円を超えることは無いです。

それに,公共工事とは無縁,下請仕事も一切無く,
この先もやる気がまったく無い。

なので,法的に「建設業許可」が必要かどうか
というと,曽根塗装店の場合は必要ではない。

ただ,「社会的信用性」の部分では
無いよりもあった方がいい,かもしれない。

しかし,取得の要件は満たせるものの,
単なる肩書き,イメージ作りだけのために
むこう10年間で100万近い費用と
煩雑な手間を掛けるべきなのか?

検討の結果,
とりあえず,ナシで行ってみることにしました。

曽根塗装店が実質どんなペンキ屋なのか,
塗装工事記録を見れば,わかる人にはわかると思いますし,
大会社や肩書きが好きな人はそもそも,
曽根塗装店のようなちっぽけなペンキ屋には
仕事を依頼しないでしょうし。

ついでに,
「肩書き」および「イメージ作り」つながりで
書いておきます。

「拍手ボタン」の「ひとことコメント」から
以下のようなコメントをいただきました。

--------------------------------------------------------

名前:
**塗装

本文:
今年47歳にして独立しましたが、
やはり塗装技能士免許も無いと
仕事も入ってこないのかなと悩んでいたので
少し勇気づけられました。

--------------------------------------------------------

どの記事の「拍手ボタン」からのコメントなのか
こちらでは把握出来ないシステムですが,
たぶん,「調色」のページではないかと思います。

私が「建築塗装技能士」の資格を取ることにしたのは,
10年くらい前の,これ がきっかけでした。

当時の,お得意様から,
あなたの見積は他社より高いので,
価格を勉強するように,と言われた私は,
その他社の工事部位の項目と施工仕様を
教えていただけませんか?と申し上げました。

金額を伏せた見積書のコピーがFAXされ,見ると,
面積も仕様も著しくデタラメ・曖昧な見積書でした。
(集合住宅の内装の壁が「VP」ですよ「VP」)

なのに,社名の上に「一級塗装技能士の店」と
記載してあるのでした。

こんなのと比べられる虚しさとともに,
私も資格を持たないとダメなのかな,
と,そのとき思ったのです。

で,私の個人的な経験では,資格の取得前後で
何も変化はありませんでしたけれども,
資格の保有を優良業者の根拠であるかのように誇張する
のは,広告の手口としては有効かもしれませんね。

受験するのはものすごくめんどくさいことですが
何ら難しいものではないです。
こんなものに落ちるやつがいるのか?と思いました。

「塗装技能士」は「建設業許可」と違って
維持費がかかりませんし,
将来公共工事や大手企業の現場に入るとしたら
必要とされる場合がありますから,
独立間もない「**塗装」さんには取得をおすすめします。

大手元請様から,絶対条件として
チームには必ず一級塗装技能士を含めるよう通告され,
やむなく一級塗装技能士の知り合いを応援に呼んだ
という話を聞いたことがあります。

使えない職人だったというオチですけど(爆)
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<店主> at 04:18コメント(0) 

2009年02月12日

調色

また昼夜逆転してます。

見積書提出をお待たせしているお宅が3軒ある状況下で
ブログの更新に時間を使うのはどうかなあ,ということもあって
しばしご無沙汰しておりましたが,
このブログの開設時の目標である「最低月2回」を守るため
久々の投稿です。

今回は8日日曜日に行った「調色」について書きます。

この日,午前中は神奈川区のお宅に見積にお伺いしました。
帰ってから昼食後,作業着に着替えて,
倉庫で外壁塗装色のサンプルを作成しました。

過日「Vカット」を行ったお宅の外壁色の第一候補として
「19−60F」を作って塗ります。

現場でVカット部分に吹付け塗装して模様を復元するときに
見本にするベニヤ板にもリシンを吹付けしました。

 リシン吹付

その日の夕方,微弾性下塗材で下塗をして
2日間乾燥した状態がこれです。

下塗済みの塗り板


まずは,各色をテキトーに混ぜて,
「こんな感じかな」と思う色にして,トタン板にちょっと付けます。

調色1回目


塗料は乾燥すると液体の時よりも濃くなるので,ドライヤーで強制乾燥。

ドライヤーで強制乾燥


色見本と照合してみると,
赤が足りず,黒も少し足す必要があります。

調色1回目結果


赤と黒を足しましたが,白っぽいので,赤と黒と黄色を足す必要が。

調色2回目結果


まあまあ,近づいてきましたが,微妙に違います。

調色3回目結果


で,もう少し,棒の先に付けてちょっと垂らす程度に原色を追加します。

調色4回目,攪拌前


まだ微妙に白っぽい感じですが,この程度ならまあ誤差の範囲として,
4回目のトライでクリアとします。

 調色4回目結果

部分補修ではなく,自動車の塗装と違ってあまりシビアじゃないのですが,
以上のような作業を「調色」(ちょうしょく)といいます。

この塗料は2液形なので,規定量の硬化剤と溶剤を加えて攪拌し,
ベニヤ板に塗付。

外壁色見本板塗装



色は無数にあります。

 

比較的大量に売れる普及品クラスの塗料の場合は
メーカーが「標準色」「常備色」として設定している色があります。
注文すれば遅くとも翌々日には納品されます。
しかし,このお家で採用する塗料は,原色以外は特注・受注生産です。
大至急でお願いしても納品は3日後になるのが普通です。

特注は日本塗料工業会の色見本帳からの選択になりますが
小さな見本ではわからないので,
このように実物の見本板を作成して施主さんに見ていただくわけです。

1発で決まることもありますが,何度も見本を作成したり,
現場で施主さん立ち会いの下で調色することもあります。
さらにはカラーシミュレーションを行う場合も。

色見本の番号で決まった場合は,番号指定でメーカーに作ってもらいます。
現場調色で決まった場合は,該当番号がありませんから,
その見本板をメーカーに渡して同じ色の塗料を作ってもらいます。

既存の色に合わせなければならないときや
少量しか要らないときはペンキ屋が原色を混合して作るので
建築塗装技能士の実技試験にも調色が含まれています。

試験会場では受験者の作った塗り板が受験番号順に並べられ,
ウマイ・ヘタが一目瞭然となります。
私が受験したときは,どう見ても半分以上が明らかにNGでしたが,
合格率は7割だったそうです。

まあ,資格なんてなんでもそんなもんなので,
よく「一級塗装技能士の店」という宣伝の仕方を見かけますが,
とてもウリにはならないと思うわけです,個人的には。

そもそも,資格があることと善い仕事をすることとは全然関係ありません。


 

てなことを書いてみましたが,こんなん面白いか?と思います。

今のところ,毎日20人くらいがこのブログに来てくれているようですが
半分以上は知り合いじゃないかと思ってます。

知り合いじゃないけど面白かったぞ,という方,
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<店主> at 05:35コメント(0) 
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曽根匡史 1961年 A型

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